再生可能エネルギーを活用した官民連携の地域MaaS実証実験が実施へ
2020/9/8
TIS株式会社は、静岡県浜松市天竜区佐久間町において運営されている公共交通空白地有償運送事業のタクシー業務に、再生可能エネルギーを活用した電気自動車(EV)によるMaaS(Mobility as a Service)プラットフォームを提供する実証実験を、2020年9月16日から12月18日まで実施すると発表した。
TISは、過疎地域の次世代交通・エネルギー問題の解決を目指し2019年8月に北海道厚沢部町で行った実証実験「ISOU PROJECT」で使用したMaaSプラットフォームを改良し、本実証実験で活用されるタクシーのオンデマンド配車システムを提供する。
<佐久間町での実証実験イメージ>
また、本実証実験は、経済産業省・国土交通省の令和2年度「スマートモビリティチャレンジ」プロジェクト内の地域の課題解決に資するMaaSのモデル構築を図る「日本版MaaS推進・支援事業」に採択されている。特に過疎地域におけるMaaS導入モデルを構築し、全国で同様の課題を持つ自治体・地域の課題解決を進める。
さらに、佐久間町が属する浜松市天竜区は「浜松市エネルギービジョン」に基づき浜松市が進めるスマートプロジェクトのモデル地区の一つであり、TISは本実証実験を通して地域内のスマートコミュニティ事業・創エネ事業などの実現可能性の検証と、浜松市と協力して地域のエネルギー事業に対する支援の検討も行う。
「浜松佐久間MaaS推進協議会」では、本実証実験後に、佐久間町での本格サービス展開の有無、他自治体への同サービスの展開を視野に入れた事業化、および自治体と連携した再生可能エネルギーなどのエネルギー地産地消を通してのエネルギー政策の立案・支援を進めていくという。
■背景
■本実証実験の概要
・運行時間帯:オンデマンド運行 7:00~16:00
・対象地区: 静岡県浜松市天竜区佐久間町 (地域住民:3,134名 2020年4月1日現在)
・使用車両: NISSAN E-NV200(7名乗りワゴン)
・概要:TISが、MaaSプラットフォーム、移送サービスに使う電気自動車(EV)、地域通貨発券端末や乗車時に必要なスマートフォン向けのアプリやICカードなどを無償で貸し出し提供する。また、佐久間町の既存施設のEV充電スタンドや太陽光パネルなどを活用して再生可能エネルギーを中心としたエネルギーの地産地消に向けた検証・検討も行う。
・利用方法:地域住民は、カード会員またはアプリ会員に登録して利用
カード会員の場合:会員が専用窓口に電話をかけ、音声ガイダンスに沿って呼び出し地点や希望時間帯をプッシュホンで入力し、タクシーを呼び出す。2019年8月の北海道厚沢部町での実証実験の利用者の声を踏まえ、最短3ステップでタクシー呼び出しが可能となるシンプルな操作性を実現している。
アプリ会員の場合:会員が自身の所持するスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、アプリから現在地・目的地を指定することでタクシーを呼び出す。