今回の調査では、コロナの影響により、何らかの営業戦略の変更を行った企業の割合が約90%、本年度通期の受注見通しが「25%以上減る」と答えた企業は18%に留まった。また、新たな収益の機会を見出すことができたと回答した企業が72%、コロナがデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させていると回答した企業が97%に上る結果となるなど、コロナが業績に与える影響はSaaS事業に関しては限定的であることが伺えたと同時に、SaaSが新型コロナウイルスやその他不測の事態にも対応が比較的容易かつ影響を受けにくいビジネスの業態であることが分かったという。さらに、コロナによるDX加速を機会と捉えている企業も極めて多いことが明らかとなったとのことだ。
■コロナにより自社の営業戦略の変更をした企業は約90%
「コロナの影響が相対的に少ない顧客業界へフォーカス」した企業は約半数。その他、「既存顧客のアップセルへの注力」「エンタープライズ向け営業に注力」など約90%の企業が何らかの営業戦略の変更を行っている。
■通期の受注見通しがコロナ前と比較して25%以上減るとの回答は僅か18%
本年度の受注見通しがコロナ前対比より25%以上減ると回答した企業は18%に留まり、横ばい/増加すると見込んでいる企業は 33.4%にのぼった。コロナを契機に、米国などに遅れて国内でもDXの推進トレンドの波が来ている影響が大きく、国内SaaS企業にとっては想定していたよりコロナ影響は小さく、DX推進の機運にチャンスを見出しているものと推察される。
■新規顧客の営業パイプラインは「変化無し」「増加」が約半数
2020年3月以降の新規顧客の営業パイプラインに関しては「変化無し」もしくは「増加した」と割合は約半数の49%と、SaaSビジネスの底堅さが現れている結果となった。
■約70%のB2B SaaSスタートアップ企業が新たな収益機会を見出せたと回答
コロナ環境下で、自社の新たな収益機会を見出せたと回答した企業が約70%にのぼった。
■ほぼ全てのB2B SaaSスタートアップがコロナがDX加速の追い風と回答
コロナ影響がDX加速させ自社にとって追い風と答えた企業は、日本97%(39社中38社)にのぼった。グローバルスケールでコロナを契機に、DXは更に加速していくと見て取れ、その期待が大きいのではと推察される。
調査方法・対象
調査方法:企業へのアンケート送付
実施対象:39社(50社に送付、回答率78%)
調査期間:2020年7月下旬〜8月初旬