ARスマート・グラスの開発を加速させるビジネス・エコシステムが設立
2020/10/16
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、拡張現実(AR)スマート・グラス・ソリューションの開発と普及を促進する「LaSAR Alliance」(Laser Scanning for Augmented Reality)を設立したと発表した。主要な技術開発企業、サプライヤおよび製造メーカーで構成されるLaSAR Allianceの設立メンバーは、ST、Applied Materials社、Dispelix社、Mega1社およびOsram社だ。
LaSAR Allianceには、ARスマート・グラスを開発する上で基盤となる要素がすべて集約されており、STのMEMSマイクロ・ミラー・プラットフォームおよびBCDプロセスにおける専門技術、Osram社の小型照明光源、Applied Materials社とDispelix社の先進的なウェーブ・ガイドといった製品をMega1社の小型光学エンジンに集積する。これにより、スタイリッシュかつ機能性に優れ、快適に装着でき、アプリケーションに応じて重要な情報を提供するARスマート・グラスの開発が実現するとのことだ。LaSAR Allianceのミッションは、ARスマート・グラス・アプリケーションの迅速な開発、採用、量産に必要なあらゆる重要技術の開発、入手、サポートを促進することだ。
STのバイスプレジデント 兼 MEMSマイクロアクチュエータ事業部ジェネラル・マネージャであるAnton Hofmeister氏は、次のようにコメントしている。「STは、MEMSミラー、MEMSドライバ、レーザー・ドライバ、制御ソフトウェアを組み合わせた高性能かつ低消費電力のLBSソリューションの開発・量産のリーダーとして、自社の技術がスマート・グラス / アイウェアにおけるARに大きな価値を提供すると認識しています。ST、Applied Materials社、Dispelix社、Osram社、Mega1社の重要な専門技術を結集して設立されたLaSAR Allianceは、卓越した技術力を持つ強力なビジネス・エコシステムであり、基盤となる開発を通じて快適なARスマート・グラス / アイウェアの普及促進を目指しています。」
Applied Materials社のEngineered Opticsプログラムのジェネラル・マネージャであるWayne McMillan氏は、次のようにコメントしている。「ARの広範な普及をサポートする上で最も重要な要件の 1 つに、高品質かつ高性能のウェーブ・ガイドを低コストで製造する技術があります。Applied Materialsは、材料工学での数十年にわたるリーダーシップと、工業規模での精密製造の専門技術により、このニーズをサポートします。1日中着用できるARスマート・グラスの開発加速に向けて、LaSAR Allianceや業界の各社と協力できることを楽しみにしています。」
Dispelix社の最高技術責任者(CTO) 兼 共同設立者であるJuuso Olkkonen氏は、次のようにコメントしている。「LaSAR Allianceに参加できたことを光栄に思います。世界をリードする当社のウェーブ・ガイド技術とメンバー企業の先進技術を組み合わせることで、1日中着用できる先進的なARスマート・グラス向けの包括的なディスプレイ・ソリューションをより簡単に統合することが可能です。当社のイノベーションにより、業界で既に最薄・最軽量のウェーブ・ガイド技術が、画質を落とすことなく新たなベンチマークとなるでしょう。」
Mega1社のCTO 兼 最高執行責任者(COO)であるMakoto Masuda氏は、次のようにコメントしている。「小型モジュールへの集積と自動量産技術は、次世代のARスマート・グラスを実現する上できわめて重要な役割を果たします。Mega1のLBSソリューションでは、あらゆる重要モジュールを1.2cc、3gの軽量光学エンジンに集積しています。当社はLaSAR Allianceのメンバー各社と目標を共有し、強みである量産能力において貢献します。この強力なビジネス・エコシステムにより、より高度なAR技術が早期に実現すると信じています。」
Osram Opto Semiconductors社の視覚化およびレーザー部門のジェネラル・マネージャ 兼 バイスプレジデントであるJörg Strauss氏は、次のようにコメントしている。「当社は、ARアプリケーションを開発する顧客にとって、サイズと電力が重要な指標であるという認識のもと、常にRGBレーザー・ポートフォリオの小型化と最適化に取り組んでいます。当社はLaSAR Allianceの設立メンバーとして技術力を提供し、1日中着用可能なARスマート・グラスにLBSソリューションを導入する上でのシステム関係の課題解決に貢献します。」