AIがルートとダイヤを自動組成する通勤バス!中型バスでの「ダイナミックルーティング」は日本初

株式会社みちのりホールディングス(以下、みちのりHD)、会津乗合自動車株式会社(以下、会津バス)、Via Mobility Japan株式会社(以下、Via Japan)、は、2020年10月27日より、会津若松市内で医療用内視鏡および周辺機器の開発・製造を行っている会津オリンパス株式会社の従業員を対象とした通勤客向けに「ダイナミックルーティング」サービスを開始すると発表した。

本事業は、国土交通省の令和元年度「新モビリティサービス推進事業(新型輸送サービス導入支援事業)」の採択を受けており、AIを利用した中型バスでの「ダイナミックルーティング」は日本初となるという(同社調べ)。

「ダイナミックルーティング」は、利用希望者が専用アプリ「My Ride」や会員用サイトから利用予約登録(希望乗車・降車場所と利用時間の選択)を行うと、その予約状況に合わせてAI(人工知能)が車両のルートやスケジュール(ダイヤ)を計算して、効率的な配車・運行を行うサービス。今回のダイナミックルーティングは、全世界約120都市でサービスを提供し世界有数の実績を持つTransitTech(トランジットテック) のパイオニアVia Transportation, Inc、及びその日本法人であるVia Japanがシステムを開発した。

本システムでは、バーチャルバス停(VBS/標柱を置かない乗降場所)を多数設定し、予約のリクエストごとに10,000通り以上の組み合わせを数秒間で計算する複雑なアルゴリズムをもとに、予約者の乗車希望場所と目的地(降車場所)、乗降希望時間帯に対して、最適な車両とルーティングを設定する。また、乗客に対しては最も効率的な停留所を指定して乗降をさせる。

【専用アプリ「My Ride」の画面イメージ】
出典元:プレスリリース
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今回の「ダイナミックルーティング」により、利用者は次のメリットを享受することができる。
・多数あるVBSを利用することで、既存バス停よりも自宅に近い場所で乗降ができる。
・利用者はアプリ画面で、乗車するバス停(既存又はVBS)までのルートや、乗車する車両の現在位置・到着予想時刻、車両情報(ナンバープレート等)を確認できる。
・乗車後は、車両のリアルタイムの位置と目的地への予定到着時刻が表示される。

会津バスは、従来の定時定路線型に加えて「ダイナミックルーティング」システムを導入することで、地域住民と観光客等のそれぞれの利用要望に合わせた効果的な路線バスサービスを提供できるようになる。本サービスの成果をふまえて、関係者(自治体・病院・学校・企業等)と協議を行いながら会津地域の路線バスにおいて利用対象者とエリアを拡大させていき、持続的な公共交通の構築を目指す。

Via Japanでは、高い信頼性を持つ自社のダイナミックルーティングによって、交通空白地帯の解消や高齢者の免許返納後の交通手段提供、学校統廃合を支えるスクールバスなど、様々な交通課題の解決が可能になると考えているという。他地域においても、交通機関、自治体や企業と連携しながら交通課題の解決を支援していくとのことだ。

【運行内容】
運行開始:2020年10月27日(火)
運行エリア:会津若松市内(下記地図参照)
乗降場所:456箇所(既存バス停309、バーチャルバス停147)
車両数:当面は2台で運行
利用対象者:会津オリンパス従業員のバス通勤者(30名から開始し、順次拡大予定)
運行時間帯:出勤(7~8時台)、退勤(18~20時台)
※同時間帯には定時定路線便も運行しており、利用者は「ダイナミックルーティング」便と両方を選択可能。

【運行エリア図:定時定路線ルート(青線)とVBSの分布範囲(赤面)】
出典元:プレスリリース

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