ブロックチェーンを活用して蒸留酒の樽を売買・保有・管理できるサービスが発表

レシカとジャパンインポートシステム(JIS)は、蒸留酒の樽管理サービス「UniCask」の運営のため合同で株式会社UniCaskを設立。「UniCask」は2021年春から利用開始予定と発表した。

■背景

近年、熟成に長い時間を要する蒸留酒の価値は右肩上がりで、多くの年代物の蒸留酒が高額で売買されている。実際に、2020年には日本の著名なウイスキーである「山崎 55年」がオークションにて8,500万円で落札されたり、蒸留酒を専門に取り扱う中国の種類メーカー「茅台(マオタイ)」 の株式時価総額が日本で最大の時価総額を誇るトヨタ自動車株式会社を超えるなど、蒸留酒やそれを取り扱う企業に非常に多くの注目が集まっている。

また、2010年では5兆円後半だった世界でのウイスキー年間売上も毎年約5%ずつ順調に成長しており、2020年は新型コロナウイルスの影響で減少に転じたものの、2023年には10兆円を超える見込みだという。

しかし、蒸留酒市場における成長とは裏腹に、蒸留酒を樽で保管したまま(年代物として価値を上昇させる状態)での売買や保有などは、知り合い同士や限られた地域などの小さなコミュニティのみでしか行われておらず、一般のコレクターや愛飲家では非常に難しく、実質的に不可能だった。また既存の書類によるアナログな管理方法では、蒸留所内での保管の管理や樽の所有者を確認するための処理が煩雑であるため、製造した蒸留酒の樽の保有者や売買の履歴を管理することが難しく、日本の蒸留所の樽を海外のコレクターや愛飲家が購入することもほぼ行われていなかったとのことだ。

■「UniCask」の特徴とブロックチェーン技術について

上記の課題を解決するために、蒸留酒が入った樽をスマホ一つで簡単に売買、保有、管理できる「UniCask」を開発した。「UniCask」を活用することで、煩雑だった樽の所有権の証明及び移転登記、オンラインでの売買履歴の管理などを容易に行うことができる。また本サービスの大きな特徴として、「UniCask」はシステムの一部にブロックチェーンの技術を利用することで、ユーザーに安心安全な取引を実現したとのことだ。
出典元:プレスリリース

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