コロナ禍で変動する街の動きをリアルタイムで地図上に可視化 人口変動データの配信サービスをNTTデータが開始

株式会社NTTデータは、2021年1月15日より、多様な位置情報コンテンツのビジネス活用を可能にするBizXaaSMaPにて、「モバイル空間統計人口分布統計(リアルタイム版)」を日本全国1時間のリードタイムで配信するサービスの提供を開始すると発表した。

本サービスでは、コロナ禍で変動する人々の動きと属性情報(性・年代・居住地)をリアルタイムに把握することが可能。店舗周辺の人口変動データを用いて来店数予測を行うことで、小売・流通企業ではより精度の高い発注・在庫管理を実現し、飲食店などの仕込み量の調整や、閉店間際の割引率の最適化も可能にする。また、地図上で指定した範囲の人口データを集計・分析できる機能などを、API連携によって柔軟に既存システムへ追加することができる。今後NTTデータでは、地理情報や気象データ等と組み合わせることで、サービスの拡充も進め、新しい社会に適応した仕組みづくりを目指すとのことだ。顧客業務の変化を支援することで、2024年までに累計10億円の売り上げを目指す。

■背景

コロナ禍の中、人々の行動は変容し、経済活動にも影響が生じている。特に消費行動は、日々変化する人出・混雑状況に大きく左右されており、従来の需要予測や来客予測などの情報をそのまま活用することは難しくなっている。リモートワーク中心の働き方が定着したことで、店舗や施設周辺の状況を直接把握することも困難になった。そのため、企業はこのようなニューノーマル時代に適応した仕組みづくりが求められている。また一方で、リアルタイムの人口データをビジネスに導入するには、データの活用方法や既存システムとの連携においても課題があった。NTTデータは、これらの課題を解決し、リアルタイム人口データを加味した分析予測や施設周辺の状況把握などを可能にした新しい社会の仕組みづくりを推進するため、BizXaaS MaPの配信基盤から「モバイル空間統計 人口分布統計(リアルタイム版)」のデータを提供することとしたとのことだ。

■概要

本サービスは、リアルタイム人口データを地図情報システム「BizXaaS MaP」の配信基盤を通して提供する。これにより、1時間前の街の動きをシステム上で視覚的に確認でき、多様な位置情報コンテンツとの重ね合わせや、既存システムとの連携で、より高精度の需要・来客予測を実現することが可能になる。

■活用イメージ

・小売・流通企業:
従来は過去の売上・来客数と統計データを基にしていた需要・来客数予測を、リアルタイムの店舗周辺データを用いることで、人々の行動変容による人口変動を即座に捉え、発注・在庫管理・シフト管理の精度向上を実現。

・飲食店:
フードロス削減が意識される昨今、リアルタイムの街の人出を把握することで、仕込み量の調整や、閉店間際の割引率の最適化が可能となり、廃棄食材を削減。

・製造業・卸売業:
街の人出状況をリアルタイムに把握することで、生産量・流通量の最適化を実現。

・メーカー/卸などの各種営業:
リモートワークが主流となる中、営業先の店舗・施設周辺状況を確認することで、在宅環境でも営業先の状況把握が可能。周辺の人口情報を踏まえて品揃えや販促施策を提案するなど、一歩進んだ営業活動を実現。

・自治体・公共交通機関・イベント:
リアルタイム人口データと利用者数などのデータを組み合わせて表示することで、感染予防に配慮した情報公開に活用可能。
出典元:プレスリリース

■サービスの特長

リアルタイム配信
これまでデータの表示に1カ月程度のリードタイムがあった人口データを、1時間のリードタイムで配信し、リアルタイムの人口分布や属性情報(性・年代・居住地)を500mメッシュ単位で把握できる。属性情報も確認できるため、いつ・どこに・どのような人が・どこから来ているか把握可能だ。これらの情報を1時間や1日毎の単位で自動的に推移し表示するため、街の動きを視覚的に捉え、新たな気づきを得ることができる。

コンテンツ重畳による高精度分析
「BizXaaS MaP」の技術を利用し、リアルタイム人口データの表示に加えて、多様な位置情報コンテンツや統計データ、売上・顧客情報などのデータを重ね合わせることが可能。ビジネス環境の変化に適応するための、より高精度の需要・来客予測や、他社と差別化した独自戦略の検討が可能だ。

既存システムとの柔軟な連携
既存システムへのAPI連携など、ニーズに合わせて柔軟な導入が可能。地図上に指定した範囲内の人口データを集計する機能などを用意しており、本機能はAPI連携によって既存システムに追加することができる。そのため、地域メッシュに基づいたデータ集計だけでなく、商圏や到達圏に合わせて独自に範囲を設定して集計・分析をすることも可能だ。

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