集英社、ブロックチェーン証明書発行サービスを活用し「マンガアート」の世界販売を開始
2021/3/1
スタートバーン株式会社が提供するアートのためのブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」が、株式会社集英社の開始するマンガアートの世界販売事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」(以下、SMAH)に導入されると発表した。作品の価値を決めるあらゆる情報をブロックチェーン証明書に記録し、マンガ作品のアートとしての新たな価値を担保する。
スタートバーンは、アート作品のためのICタグ付きブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」を提供している。アート作品の価値に関わる情報や来歴を永続的に記録することで、作家の手元を離れた後も、その真正性を担保し続けることのできるサービスだ。既に複数のアートギャラリーやオークションハウス、作品販売サービスなどで導入されているという。
今回Startbahn Cert.は、SMAHで導入されることが決定した。SMAHで販売されるマンガアート作品にブロックチェーン証明書「Cert.」が発行される。作家や版元の情報をはじめ、二次流通以降の来歴も永続的に記録されることで、マンガ作品のアートとしての価値が次の世代へ引き継がれていくとのことだ。
■これまでにない品質で「マンガアート」へ昇華
マンガの原画は、週刊や月刊というサイクルで描かれるため、退色や劣化の起きやすい染料系のインクが多く使われている。これに対して集英社では、2008年からカラー原画の高精度スキャンを開始し、描いた当時の色彩や質感を保てるよう原画をデータ化アーカイブしてきた。SMAHでは、それらのデジタルアーカイブと耐光性のあるインクを用いて、一般の商業印刷では再現できなかった色彩やディテールを表現する。また、美術館や博物館での収蔵に使われるコットン100%の紙にプリント。原画の持つ力を最大限に感じられる作品へと昇華させる。最良の印刷技術とマテリアルで表現される、これまでにないクオリティのマンガアート作品。その品質を維持するため、各プリント作品のエディションは20枚までに限定されるとのことだ。
■「アート」としての価値をブロックチェーンで担保
購入された作品には、Cert.が貼付された証明書が同梱される。作品の購入者は、Cert.をスマートフォン等で読み込むことで、作家や作品の基本情報、作品の来歴、作品の流通や利用に関するルールセットなどを、簡単に閲覧することができる。
SMAHから直接作品を受け取る購入者はもちろん、将来的に手にする人も、安心して作品の魅力を楽しむことができる。またマンガ作家をサポートする集英社は、安心して作品の価値向上に努めることができるとのことだ。