「都市をデジタル化する」Project「PLATEAU」、3D都市モデルを活用したユースケースを発表
2021/3/9
国土交通省が推進する3D都市モデルの整備事業Project “PLATEAU”では、ブラウザで3D都市モデルが見られるPLATEAU VIEWやユースケースなどを掲載したティザーサイトを公開中。民間事業者とともに開発したユースケースや新サービスを随時発表している。2021年2月19日からは、社会地理学・市民参加の研究者である東京大学 特任講師 瀬戸寿一氏と、CityGMLの仕様策定にも携わった株式会社日立製作所 石丸伸裕氏の対談も掲載している。
Contents
■Project PLATEAUとは
■3D都市モデル
■PLATEAUの活用例
社会課題解決
・洪水浸水想定区域図の3D化
これまで平面図で示されていた東京23区の洪水浸水想定区域図に高さ情報を加え、3D都市モデルと重ね合わせるプロジェクト。危険区域3Dで表示されることで一目で理解しやすくなり、より有用な「ハザードマップ」の作成に寄与する。
鳥取市市街地をモデル地域に、時系列の浸水シミュレーションデータを3D都市モデルに重ね合わせ、洪水による浸水の広がりにあわせて道路等が徐々に使えなくなっていく様子の可視化を行う。避難経路の検討や防災意識の向上、実際の避難行動に役立つことが期待される。
大丸有エリアではスマートシティプロジェクトとして都市のリアルタイムデータを収集することでデータに基づいた意思決定を行う「エリアマネジメントのDXモデル」の構築を目指している。その実現に必要なセンサー設置場所のシミュレーションを3D都市モデル上で行う。
レーザーセンサー等で取得した人流データを3D都市モデルに重ね合わせ混雑状況を可視化する。市民や観光客が安心・快適に使用できるまちづくりや回遊/滞留行動促進のためのエリアマネジメントだけでなく、ニューノーマルへの対応として混雑緩和のための情報発信にも活用できる。
・物流ドローンのフライトシミュレーション
高層ビルが立ち並ぶ都市部における安全かつ効率的なドローン航行の実現に向け、3D都市モデルを活用したフライトシミュレーションを実施。従来は飛行ルート上の建物等の障害物を現地調査で確認しているが、シミュレーションにより現地調査等の工程を効率化できるか検証する。
大規模な建設工事では、多数の工事車両等が現場付近を走行することで交通渋滞などが課題となる。3D都市モデルを活用して工事車両が通行可能なルートをシミュレートするほか、地域住民の生活圏や騒音の発生なども配慮したシミュレートを行うことで、最適な工事車両ルートを導き出す。
3D都市モデルを用いて新宿三丁目エリアの百貨店とその周辺をバーチャル空間で再現。アバターを用いて「まちあるき」やユーザー同士のコミュニケーション、イベント参加等様々なコンテンツの体験を可能にする。