神奈川県予防医学協会、腎臓病検診業務のDXで年間作業時間を500時間以上削減・労働生産性を12%向上
2021/3/29
株式会社日立システムズは、各種検診や健康診断などの総合健康支援活動を通じて神奈川県民の疾病予防や健康の保持増進に貢献している公益財団法人 神奈川県予防医学協会に対して「業務効率化支援サービス」を提供し、腎臓病検診(尿検査)に係る業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現を支援したと発表した。
■背景
■詳細
① RPA適合度の見極めや想定効果算定に向けて、トライアルを実施してから本格導入できること
② RPAの適用だけにとどまらず、協会の業務内容を深く理解した業務改善提案であったこと
③ 協会職員に向けたRPA活用教育など、現場主導の業務改革をサポートする提案内容であったこと
今回の取り組みでは、まずトライアルとして尿検査結果報告書作成業務の一部を対象に、RPAロボットの動作確認と有効性を検証した。その結果、有効性が確認できたため、業務手順書とヒアリング内容を基に、業務プロセスの改善案やRPAによる業務自動化案を提示した。具体的には、神奈川県予防医学協会では、これまでは光学メディアや紙などに記載された受診者名簿を尿検体と一緒に受け取っており、名簿のOCR読み取り業務やファイル様式の変換業務が多数発生していたことから、日立システムズは、名簿をWebサイトからデータ形式で受け取る方法の追加を提案。その際には、新たな業務となる受診者名簿を取得するWebサイトの入力フォームの設計を支援するとともに、これまで同様となる光学メディアや紙などの提出においても、RPAで自動化する部分と人手で作業する部分の切り分けを行い、名簿取得や様式変換、印刷業務などのRPAで自動化する部分については日立システムズが設計し、RPAの導入までを行った。
これらにより、尿検査の結果報告書作成業務の人手による作業時間を年間500時間以上削減しただけでなく、作業ミスの防止など品質向上も実現。また、担当者1人当たりの事務処理件数は、前年度比で581件増加し、労働生産性が12%向上する効果が得られたという。本年度はコロナ禍の影響により、尿検査の結果報告書作成業務のために確保できたパートタイム労働者が月当たり10人程度少なく、人員不足による懸念があったが、4日間という所定の期間で遅延することなく対応することができたとのことだ。
さらに日立システムズは、神奈川県予防医学協会が今後も他の検診業務を対象として継続的に現場主導の業務改革を行っていくことを支援するため、RPAに関するハンズオン研修やオンサイトでの技術支援サービスも提供し、さらなるRPA活用に向けた下地づくりを神奈川県予防医学協会とともに実施した。
RPAの活用による業務改善イメージ図