Ubieと武田薬品、希少疾患の早期発見を目指し協業を開始

Ubie株式会社と武田薬品工業株式会社は、Ubieが提供する生活者の適切な受診行動をサポートする「AI受診相談ユビー」と、医師の業務効率化を支援する「AI問診ユビー」において、希少疾患「遺伝性血管性浮腫(HAE)」に関する連携を開始したと発表した。

Ubieは生活者向けのスマートフォンやPCから質問に回答することで、自身の症状とそれに適した受診先を調べられるサービス「AI受診相談ユビー」と医療機関向けの紙の問診票の代わりにタブレットを活用した問診サービス「AI問診ユビー」を提供している。

HAEは腹部、顔面、足、性器、手、喉など、身体のさまざまな場所に繰り返し浮腫発作を引き起こす希少な遺伝性疾患。喉に発生した場合は気道がふさがり呼吸困難を起こし、窒息死する危険もあるという。HAEは世界中で5万人にひとりが罹患していると推定されているとのことだ。日本には2,000人から3,000人の患者が存在すると推定されているが、疾患に対する日本での認知度の低さから、診断されている患者は約450名に留まっており、未診断の患者が多くいると考えられているという。また、日本では初めての発作が起きてから確定診断までに平均13.8年かかるといわれており、米国の平均10年、欧州の平均8.5年の報告と比較すると、大きな開きがあるのが現状とのことだ。

今回両社は、「AI受診相談ユビー」と「AI問診ユビー」で、HAEに関する連携を開始した。

「AI受診相談ユビー」においては、HAEを含めた血管性浮腫に関連する症状の回答がされた場合、血管性浮腫の情報とともに武田薬品のHAEの情報サイト「腫れ・腹痛ナビ」へのリンクが表示され、HAEに関するさまざまな情報を取得できる。「AI問診ユビー」においては、患者が来院時の問診でHAEを含めた血管性浮腫に関連する症状を回答すると、医師が問診を確認する画面において、HAEを含めた血管性浮腫に関する詳細な情報が表示され、適切な診療のサポートに役立つという。

Ubieは、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに、医療のプロセスを俯瞰した「ペイシェント・ジャーニー」全体に接点を持つソリューションを開発・提供し、生活者・医療関係者を包括的にサポートするサービス構築を目指している。また、武田薬品は、治療薬の創出にとどまらず、希少疾患を取り巻くエコシステムの形成・改善を通じて、患者とその家族に価値提供できる優れたパートナーとなることが重要であると考えており、他企業とのパートナーシップを用いて、さまざまな希少疾患の患者の健康に貢献していきたいと考えているという。

今回の取り組みは、このような両社の思いが一致したもので、Ubieの月間80万人が利用する「AI受診相談ユビー」、全国300以上の医療機関に導入している「AI問診ユビー」と、武田薬品が持つHAE領域に関する知見との協働による互いの強みを活かした取り組みであり、HAEの早期発見につながることが期待されるとのことだ。

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