ホンダ、新事業創出プログラム「IGNITION」発のベンチャー企業「株式会社Ashirase」を設立

Hondaは、新事業創出プログラム「IGNITION(イグニッション)」発のベンチャー企業第1号となる「株式会社Ashirase(あしらせ)」を設立したと発表した。株式会社Ashiraseは、視覚障がい者の歩行をサポートするシューズイン型のナビゲーションシステム「あしらせ」を開発しており、2022年度中の発売を目指す。

「あしらせ」は靴の中に取り付ける立体型のモーションセンサー付き振動デバイスと、スマートフォンアプリで構成されたナビゲーションシステム。アプリで移動ルートを設定し、靴の中に取り付けたデバイスが振動してナビゲーションを行う。直進時は足の前方の振動子が振動、右左折地点が近づくと、右側あるいは左側の振動子が振動して知らせる。進行方向を直感的に理解できるため、ルートを常に気にする必要がなくなり、より安全に、気持ちに余裕を持って歩行することが可能になる。
出典元:プレスリリース
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■「あしらせ」の特長

・GNSS測位情報と、ユーザーの足元の動作データから、視覚障がい者向けの誘導情報を生成
・白杖を持つ手、周囲の音を聞く耳を邪魔せず、足への振動でナビゲーションを行う
・足の神経層に合わせた振動子の配置とし、振動を感じやすい
・本体には柔らかく、形状を保てる素材を採用し、靴の中に入れても違和感が少ない
出典元:プレスリリース

■視覚障がい者の歩行課題

ロービジョンを含めた日本の視覚障がい者数は、2007年時点で164万人と推定されており、2030年には200万人近くまで増加すると予測されているという。視覚障がい者は一人で外出する際、安全とルートの確認を繰り返し行っている。しかし、情報取得は限られた感覚機能で行うため、どうしても注意が行き届かずに「道に迷う」、「不安全に陥る」などの機能的課題が発生する場合がある。また、これらの課題により「視力に問題がなく、自由に歩いていた時のことを思い出して悔しい」(ロービジョン、中途失明者)、「道に迷った時、周囲の人に話しかけても無反応なことがあり、なぜ無反応なのか理由がわからず怖い」(全盲、中途失明者)といった心理的な課題にもつながっていることが、開発者によるヒアリングで見えてきたという。「あしらせ」は、「視覚障がい者がより安全に、気持ちに余裕が持てるナビゲーション」をコンセプトに、目的地までより安全に移動でき、自立に繋がるプロダクトを目指すとのことだ。

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