ノーコードAIチャットボット「KUZEN」、岡山市で市民サービスを自動化する実証実験を実施

【AIチャットボット活用のイメージ】

近年、少子高齢化や生産年齢人口の減少を背景に、業務効率化や生産性向上を目的としたDX（デジタルトランスフォーメーション）が各業界において急速に進行している。また、このようなDXの流れは、民間企業だけではなく、地方自治体や官公庁などの領域にも浸透しつつあり、定型的な作業を中心に最新のテクノロジーを利用した自動化が行われている。

岡山市では、例年3月から4月の引っ越しシーズンにおいて、住民異動届などで窓口が混雑し、多くの市民を長時間待たせる状態となっていたという。市職員においても、窓口応対を優先するために、電話などの問い合わせに十分対応できていない状況が続いていたことから、これらの改善が喫緊の課題となっていた。こうした背景を受け、定型化している問い合わせ業務の自動化を試み、職員の負担軽減や市民の利便性向上のため、AIチャットボットの試行導入を実施。AIチャットボットの活用によって、問い合わせに対する受け答えの自動化だけでなく、24時間対応が可能になるため、夜間や休日に問い合わせニーズのある市民の利便性に大きく貢献することが可能となるという。

今回のフリートライアル期間では、AIチャットボット経由の問い合わせが1ヶ月間で956件あり、これは1日あたり約29件の問い合わせにAIチャットボットが対応したことを示している。また、夜間や休日などの問い合わせが全体の約55％を占めており、AIチャットボットが市民サービスの利便性向上に寄与していることが分かったという。このフリートライアルでは、引っ越しシーズンに多い住民異動届や住民票、戸籍謄本などの問い合わせを中心に、約130種類の回答パターンを用意することで、できるだけ多くの問い合わせ処理をAIチャットボット上で完結できるような仕組みで運用を行った。

岡山市は、フリートライアルの結果を受け、今後、AIチャットボットの本格的な運用の検討を行い、利便性の高い市民サービスの実現と業務効率化を目指すとのことだ。