ガートナージャパン、DXとデータ/アナリティクスの取り組みに関する調査結果を発表
2021/6/28
ガートナー ジャパン株式会社(以下、ガートナー)は、デジタル・トランスフォーメーション(DX)とデータ/アナリティクス(D&A)の取り組みに関する調査結果を発表した。
■世界では、D&Aリーダーの大半がDXに深く関与
図1. 世界でDXに取り組んでいる組織の割合とD&Aリーダーの関与
■日本でもDXは進展しているものの、D&Aの専任組織の設置は増えず
図2. 日本の大企業におけるDXとデータ利活用の取り組み状況
アナリストでディレクターの一志達也氏は次のように述べている。「今回の調査や顧客との対話などから、日本と世界では、DXやD&Aの取り組みを担う責任者・役割の定義に違いがある現状が見て取れます。世界では大企業を中心にCDOが増加しており、CDOのリーダーシップの下、D&Aの取り組みを進めています。一方、日本の企業ではD&Aの取り組みの責任を担うCDOはいまだほとんど存在していません。日本は大企業を中心に専門組織の設置など、DXへの取り組みが積極的に行われており、データ利活用をその一環と捉えて最高デジタル責任者の下で取り組んでいるケースが多く見受けられます」
ガートナーは、「2023年までに、CDOを持たない企業の最高デジタル責任者の半数は、成功するためには事実上のデータ責任者になる必要があると考えるようになる」との仮説を立てている。さらに、一志氏は次のように述べている。「DXの推進にはD&Aが不可欠ですが、その2つを混同すべきではなく、D&AがDXの一部であると捉えるのは誤解です。世界と日本の状況を比較すると、責任者の明確化と組織的な関与に違いが見られます。DXやD&Aの取り組みを推進する際は、IT部門やビジネス部門の区別なく取り組むことが重要です。技術やインフラだけでは成果を得られないため、DXやデータ利活用の取り組みには、ビジネス部門を中心とした関係者の理解と協力が不可欠です。そのために必要な人材の確保やガバナンスの整備に加えて、データ・リテラシーの向上や組織文化の構築も考慮して取り組むことが求められます。つまり、技術やインフラとは無関係な要素に焦点を合わせて優先的に取り組まなければならないのです。組織のリーダーは、DXとデータの利活用にバランス良く取り組むことで相乗効果を高められるよう、資源の配分などを行うべきです」