技術伝承をDXする「DS-CR」、AIを活用し熟練エンジニアが隣にいるようなナレッジ共有を実現する機能を導入へ

株式会社図研は、同社の「DS-CR」が、グループ会社である図研プリサイトが提供するAI搭載ナレッジマネジメント支援システム「Knowledge Explorer」と連携し、技術伝承、ナレッジ活用のやり様を変革するプラットフォームとしてバーションアップしたと発表した。

■開発背景

新型コロナウイルス感染拡大が加速させた働き方の変化は、製造業において従来から課題となっていた「技術伝承」や「知識共有」の難しさをさらに顕在化させているという。製造業各社には、これまで培ってきた膨大な情報や貴重なノウハウが蓄積されているが、それが日常業務や次の製品開発のために十分に活用できる状態ではないといったケースが多くある。特に若手のエンジニアにとって、リモート環境では、熟練エンジニアの近くでOJT(On the Job Training)を通して知識やノウハウを体得していくことが難しいため、企業として技術を伝えていくという点でより深刻な問題になっているとのことだ。

■サービス概要

エレクトロニクス製品開発に最適化された製品データマネジメントシステム(PDM)である図研の「DS-CR」は、設計データのみならず、部品情報、関連ドキュメントなど様々なエンジニアリングの情報が格納されており、強力な全文検索機能「Power Search Engine」によって、エンジニアが業務の中で必要な情報を漏れなく探し出し参照することが可能だ。

図研は、今回「DS-CR」の最新バージョンにおいて、グループ会社である図研プリサイトが提供するAI搭載ナレッジマネジメント支援システム「Knowledge Explorer」を連携させ、「Power Search Engine」で「DS-CR」内の設計情報だけでなく、社内の共有サーバやインターネット上の情報まで拡張して検索できる環境を実現。また「Knowledge Explorer」に搭載された学習済AI(人工知能)が、「DS-CR」内の設計資料を解析することにより、社内外から類似資料などの関連ドキュメントを導出することも可能になったという。

これにより、例えば設計変更や不具合発生時に、「DS-CR」で設計変更情報を起案すると、AIが内容を解析して関連する設計仕様書や過去の不具合事例などを提示するので、設計者が気づいていなかった検討事項の発見や影響範囲の早期特定にもつながる。さらに、仕様書などの文書作成時にAIが参照を推奨する情報をプッシュ通知(検索行為を経ずシステムが情報を提示)するため、経験の浅いエンジニアにありがちな「そもそも何を探したらいいかわからない」「誰に聞いたら良いのかわからない」「どこに必要な情報があるのかわからない」といった自力では探し出せない状況でも、最適なナレッジの発掘・共有を促す。よって、自ら知見を広げ、「腕利き」のエンジニアに必要なノウハウを取得することが可能になるとのことだ。

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