三菱ふそうトラック・バス 、EV活用を支援するアプリ「eTruck Ready App」を提供開始

物流業界が電動化に向けて動き出す中、物流事業者間では日々の配送業務における電気トラックの実用性や活用の可能性を正確に把握するニーズが高まっている。MFTBCの「eTruck Ready App」は、顧客が所有するディーゼルトラックの実際の走行データを収集し、そのルートを「eCanter」で走行した場合を可視化したマップを提供する。このアプリによって、EVの導入を検討している顧客が電気トラックの性能や利点をより理解することが期待されるとのことだ。

シミュレーションを行うためには、「eTruck Ready App」をインストールしたモバイル端末を検証対象のトラック内に置く必要がある。アプリは車両位置、速度、加速度、高度などのデータを走行中に収集し、その情報をクラウド上の「eTruck Ready System」に送信。算出されたシミュレーション結果は、専用ウェブサイトを通じてフリート管理者が確認できる。これにより、「eCanter」が1回の充電で通常の走行ルートをどの程度カバーできるのかについて詳細な分析が可能だ。さらに、架装、外気温、積載量、アイドリング時間などを設定することで、より正確なシミュレーションが可能だという。

「eTruck Ready App」への登録と使用開始は2つの手順で完了する。
１）トラックの管理者はまず、「eTruck Ready App」の専用ウェブサイトにて会社名や所在地などの基本情報を登録し、アカウントを作成。アカウント登録が完了すると、フリート番号とPINコードが指定される。
２）「eTruck Ready App」を検証に利用する予定のモバイル端末にインストールした後、フリート番号とPINコードを使用しログインを終えれば、ルート記録を開始することができる。インターネットに接続している間は走行中のルートは記録され、後ほど分析することができる。

「eTruck Ready App」は、車両の電動化に向けた総合的なアプローチのひとつとして、MFTBCの親会社であるダイムラートラック社が開発した。ダイムラートラック社は、2020年より、メルセデス・ベンツブランドの大型電気トラック「eアクトロス」の潜在的な顧客に対して、アプリを利用したコンサルティングを提供。「eTruck Ready App」が今回「eCanter」に対応したことに伴い、本アプリから得られる知見が、顧客が自信を持って車両の電動化を進めるための判断材料になることを期待しているとのことだ。