「モバイルアプリトレンド2021:APAC版」がリリース
2021/8/18
モバイルマーケティング分析プラットフォームであるadjust(アジャスト)株式会社は、最新の「モバイルアプリトレンド 2021:APAC版」をリリースしたと発表した。
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本レポートでは、APACにおけるゲーム(ハイパーカジュアル・その他のゲーム)、フィンテック、Eコマースの3カテゴリーに焦点を当て、アプリ市場の成長とトレンドについて解説している。
以下は、国別・カテゴリー別に見た調査結果のポイント。
■日本のモバイルアプリ市場トレンド
日本は2020年、APACにおいてインストール数が最も増加した国で、32%増となった。また2020年の日本のセッション数は前年比101%増と激増し、2021年上半期もさらに16%増加している。
・フィンテック
2020年に、多くのユーザーがモバイルバンキング・決済に移行し、その結果APACのフィンテックアプリが大幅に成長し、その傾向は2021年も持続している。日本も例外ではなく、インストール数の伸びは他のAPAC諸国と比較すると緩やかだが、セッション数は爆発的に増え、2020年に前年比104%増となった。この勢いは2021年に入っても衰えず、引き続き43%増を保っており、このカテゴリーの継続率の高さ(2020年第4四半期、インストール後30日目7.14%)が反映されている。
・Eコマース
日本のEコマース市場は2020年から2021年にかけて大きく成長した。インストール数の成長率はAPAC平均(27%、8%)より高く、2020年は31%、2021年上半期は9%となった。セッション数も大きく成長しており、2020年にセッション数が前年比51%増となり、2021年は17%増となっている。
・ハイパーカジュアルゲーム
2020年、全APAC市場でセッション数が急激に増加し、日本は前年比99%増となった。ただ、2021年になって成長は鈍化し、このジャンルのアプリの継続率の低さ(2020年第4四半期、インストール後30日目1.69%)が反映されたかたちとなった。
・ハイパーカジュアルゲームを除くその他のゲーム
このカテゴリーにおいても日本で成長を見せており、インストール数は2020年はそれほどでもないが、2021年には41%、セッション数は2020年に42%増加している。
■eCPIとペイドインストールの傾向
ハイパーカジュアルゲームの実質インストール単価(eCPI)は2020年第4四半期から2021年第1四半期、0.20米ドルと調査対象カテゴリー中最も低くなった。それとは対照的に、ペイドインストールのオーガニックインストールに対する割合は調査対象カテゴリー内で最も高く、2020年第1四半期は2.93だった。
さらに、本調査のデータによると、ユーザーのアプリ内滞在時間、1日あたりのセッション数、セッション1回あたりのアプリ滞在時間がすべて増加したことが分かった。これは、2020年全体を通して継続率が一貫して高かったことに裏付けられており、2020年第4四半期のインストール後30日目の平均継続率が5.68%という高い数字からも明らかだという。
iOS 14.5以降のユーザー獲得に対する業界のアプローチが変化し、Android 12のリリースも控えていることから、アプリ内でのユーザー行動に関する詳細なデータを収集することが、ますます重要になっている。開発者とマーケターは、このデータを活用してABテストを行うことで、ユーザーがアプリに何を期待しているかを理解し、そのニーズに合ったアプリ内エクスペリエンスを最適化する方法を検討することができる。
調査方法
「モバイルアプリトレンド 2021:APAC版」は、Adjustが計測する上位910のAPAC拠点のアプリおよび合計データの組み合わせを基に、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムを対象に調査を行った。調査期間は2019年1月1日〜2021年5月31日、対象カテゴリーはフィンテック、ゲーム(ハイパーカジュアルゲーム・その他のゲーム)、Eコマースの3カテゴリー。