DNP、マンガに特化した「AI翻訳システム」を開発
2021/9/8
大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、AI翻訳サービスを展開するMantra株式会社と共同で、マンガを多言語で制作するDNP独自のシステム「DNPマンガオンラインエディトリアルシステム MOES(モエス)」に搭載する、独自のAI翻訳エンジンを開発したと発表した。これにより、翻訳者が全て手作業で行ってきたマンガの翻訳を、高いレベルでAIがサポートする。DNPは、本システムの2021年度中の実用化を目指している。
■開発背景
■「DNPマンガオンラインエディトリアルシステムMOES」とAI翻訳機能について
・DTPソフトを使わずに、画面上に表示されるマンガのレイアウトの吹き出しの中に、翻訳した文章を直接入力する。確認や修正も同様にレイアウトを見ながら行えるため、文章の入れ間違いなどを防止する。
・時差のある地域で作業する翻訳者や翻訳チェック者等の間での、データ授受や業務の進捗管理が容易となり、大幅な作業負荷軽減や作業時間の短縮を実現する。
・MOESでの翻訳作業は従来、翻訳者が全て手作業で行っていたが、今回開発した機能によりあらかじめ自動翻訳された文章が入力された状態から、翻訳の確認や修正を行う運用が可能となった。翻訳会社による評価テストでは、AI翻訳の導入によって翻訳に関する作業時間が、翻訳が難しいとされるジャンルにおいても、従来と比較して30%以上削減されるという結果を得たという。
・なおDNPは、自動翻訳後に翻訳者による微調整やネイティブチェッカーによる校正作業の工程を設けることで、表現のニュアンスなど翻訳精度が損なわれないように努める。