東京海上日動と応用地質、防災IoTセンサと3D都市モデルを活用した防災サービスの開発を開始

東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)と応用地質株式会社は、防災IoTセンサが取得するデータ(浸水の高さ)と3D都市モデルを活用し、台風や集中豪雨などによる浸水被害を可視化する防災サービスの開発を開始すると発表した。3D都市モデルを用いることで、2次元の地図では伝えきれない臨場感を実現し、浸水対策や避難計画の実行につながる新たなソリューションの創出を目指す。

■開発の背景

東京海上日動と応用地質は、2021年6月に戦略パートナーとしての提携を開始し、スーパーシティ・スマートシティを想定した先進的な防災サービスの開発を検討してきた。今回、第一弾として、人工衛星データや浸水深解析に基づく「浸水エリア予測」と、冠水を検知する防災IoTセンサによる「実測データ」を組み合わせた「リアルタイム浸水情報」をもとに、アラートを発出して企業や自治体に防災・減災行動を促す新サービスの開発を開始することとしたという。また、国土交通省が整備を進める3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」などを活用し、防災IoTセンサと災害状況の可視化技術を融合したサービスの開発も進めるとのことだ。

■開発するサービスの概要

東京海上日動と応用地質は連携して、以下のサービス開発を進める。

①防災IoTセンサを活用した企業・自治体・住民向け防災・減災活動支援サービス
サービス開発にあたり、両社は2021年7月から、過去の浸水履歴やハザードマップの情報を元に福岡県久留米市内の水災リスクを分析し、リスクの高いエリアにある保険代理店に、冠水センサ「冠すいっち」(応用地質の防災IoTセンサ)を設置。企業や自治体、住民の災害対応における冠水センサの有効性の検証を実施してきた。
出典元:プレスリリース
2021年8月に発生した豪雨では、同市で8月14日4時46分までの1時間に72.0ミリという8月の観測史上最大の雨が観測された。冠水センサの設置場所では、同日3時29分に4cm以上の冠水を検知、4時41分には45cm以上に上昇、7時27分に冠水が解消(4cm未満)した事を検知。検証の結果、冠水センサから得られたデータが実際の浸水状況や浸水深と整合していること、事前に登録した関係者にアラート情報がリアルタイムで配信されたことが確認できたという。また、東京海上日動で既に活用している人工衛星データによる浸水エリアの特定や浸水深解析の精度向上にもつながることが確認できたとのことだ。

今後、防災IoTセンサや人工衛星などから得られるデータを災害発生時の初動対応に活用していくとともに、企業や自治体、地域住民の防災・減災活動を支援する新たなサービスの開発を進める。
出典元:プレスリリース
②3D都市空間・浸水被害シミュレーションの開発
防災IoTセンサで収集したデータ・気象データ・ハザードデータなどと3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」を組み合わせた「3D都市空間・浸水被害シミュレーションサービス」の開発を進める。従来は、これらのデータを2次元の地図上で表現する事が一般的だった。「3D都市空間・浸水被害シミュレーション」は、3次元で表現された都市空間上でシミュレーションを行うため、周辺の状況把握が容易になるとともに、災害をよりリアルに表現することができるという。本ツールを活用し、地域特性に応じた自然災害対応力向上支援(自治体向けサービス)や、拠点のリスクを可視化することによる事前防災対策・意思決定支援(企業向けサービス)などのサービスを開発していく予定とのことだ。
出典元:プレスリリース

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