京都大学とasken、糖尿病の栄養食事指導を補助するアプリを共同開発
■本アプリ開発の背景
近年、糖尿病治療は多様化し、糖尿病患者におけるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)・血圧・脂質の目標達成割合は改善傾向にあるが、肥満の程度を表すBMI(ビーエムアイ)については必ずしもそうではないという。国内外の大規模研究の結果からも、目標のHbA1cを達成するために積極的に薬剤を使用する際、体重を適正に保つことはとても難しいことがわかるとのことだ。これは、糖尿病の治療において、薬剤のみでは成し得ない「体重適正化」が、食事療法の効果的な実施にかかっていることを意味しているとのことだ。
■本アプリの特徴
食事療法では、病院管理栄養士が患者一人一人、日々異なる「いつ、何を、どれだけ食べているか」ということを正確に評価し栄養食事指導を行うが、これは、患者にとって、日々の食事記録の負担が大きいと長続きすることが難しくなるという。また、一人一人異なる食事記録を評価する管理栄養士の、指導前の準備時間の負荷も大きくなり、一人の管理栄養士が対応できる患者の人数にも限界があるとのことだ。
そこで、同社は「あすけん」で培った技術を本アプリに活用。例えば、患者がスマートフォンで毎日の食事を写真撮影するだけで食事記録ができれば、手間がかかるために長続きすることが難しい日々の食事記録が継続しやすくなる。「あすけん」の食事記録は、食材の重さを量って記録する食事記録法と高い相関があり、病院管理栄養士の指導の根拠となる食事評価をより確かなものにし、栄養指導の準備時間を短縮することが期待されるという。
これに加えて本アプリでは、糖尿病の治療の現場における医師と管理栄養士それぞれの専門性や、その間の連携を考慮して開発したプログラムを備えており、医療機関の管理栄養士による栄養食事指導とともに使用することで、様々な状況にあわせて個別化された指導を患者の日常生活に届けられると期待されるとのことだ。