JAXA認定の宇宙ベンチャー「天地人」が衛星データの国際的コンテストで優勝、衛星データやAIを活用し持続可能な農業の発展に寄与するソリューションを共同開発

JAXA認定の宇宙ベンチャー株式会社天地人は、EC(欧州委員会)とESA(欧州宇宙機関)が衛星データを利用したビジネスアイディアを募る国際的なコンテストCopernicus Mastersの中で、ヨーロッパ最大の農業機関であるBaywaと実施した「BayWa Smart Farming Challenge 2021」でアジアのスタートアップで初めて優勝したと発表した。ESAとBayWa社と共にAIや衛星データを活用し、持続的な農業を推進するソリューション開発を行う。

ビジネスアイディアチャレンジ「Copernicus Masters BayWa Smart Farming Challenge 2021」でアジアのスタートアップで初めて優勝した天地人は、欧州宇宙機関のESAとグローバルにビジネスを展開するドイツ企業のBayWa社と協業する機会を得て、衛星データやAIを活用しながら農業の効率化・持続可能な農業の発展に寄与するソリューションを協働で開発する。

コペルニクスとは、ESAが中心となって実施している地球観測データの利用を推進するプログラムだ。無償のデータや情報を提供することで、さまざま分野での革新的なソリューションの開発を促進している。BayWa社は農業組合を祖業とし、現在では農業に関わらず、建設、エネルギーなど様々な事業を50カ国以上で展開する企業だ。イノベーションやデジタル化も積極的に推進してきたリーディングカンパニーでもあるという。

世界の人口が年々増加しているのに伴い、農産物の需要も年々増加し、同時に環境に配慮した持続可能な農業も求められている。そんな中、BayWaは生産性向上と持続可能性向上を同時に実現するためのソリューションを開発するため、衛星データと他のデータソースを革新的かつ商業的に実行可能な方法で組み合わせることで、次の3つの課題を解決するソリューションを募集した。
・牧草管理
・農業および園芸における初期の作物病害の推定
・園芸における収量予測

天地人は、「衛星データとAIを使って土地の利用を最適化するソリューション」の提案を行った。審査では、4つの基準(①革新性、②衛星データ活用サービスを実際に使用するエンドユーザーにとっての付加価値の有無、③技術的な実現可能性、④市場での実行可能性)に沿って評価された。今回の優勝によって、特典としてBayWa社との協働機会のほか、衛星データ活用のビジネスアイディアコンテスト「Copernicus Masters」の総合優勝者候補のファイナリストとして出場する権利が得られるという。

今後、この機会を活用してソリューション開発とグローバルでの販売の強化を目指し、気候変動に対応した農業や土地の特徴にあった農業の実践、CO2排出量削減に向けての取り組みなどを後押しするとのことだ。

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