市場調査レポート「産業用サイバーセキュリティの世界市場」が販売開始
2022/3/18
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「産業用サイバーセキュリティの世界市場:セキュリティタイプ(ネットワーク、エンドポイント、アプリケーション、クラウド、ワイヤレス)、提供(製品、サービス)、エンドユーザー、地域別 - 2027年までの予測」(MarketsandMarkets)の販売を2022年3月17日より開始したと発表した。
・新型コロナウイルスの産業用サイバーセキュリティ市場に対する影響
2020年のはじめに、新型コロナウイルスパンデミックは世界経済全体を襲い、個人と組織にかつてない混乱と変化をもたらした。このパンデミックにより、職場の閉鎖、出張の制限、従業員に対する在宅勤務の選択肢が生まれ、企業の運営に課題が生じた。2020年から2021年度の前半3四半期は、産業用サイバーセキュリティ市場の成長は低く、その後、2020年から2021年度後半に回復が見られたが、市場の成長率は1桁にとどまる見込みだという。その後、2022~2027年度の同市場はCAGR11.6%で成長すると予測されているとのことだ。
・牽引要因:産業用制御システムへのIoT統合
IoTは、複雑なタスクの実行に大きな利便性をもたらし、何百万人もの生活を簡素化した。また、クラウドやデータセンターでデータを管理、保存、処理する新しい方法を現代の産業に提供している。IoT技術の採用により、産業組織は、施設で生成される大量のデータから、より有意義な情報を抽出することができるようになった。2021年の世界のIoT接続数は138億であり、この数は2027年までに390億に達すると予想されているという。スマートデバイスは、顧客、企業、通信サービス事業者の相互作用のあり方を一変させ、さまざまなビジネスプロセスの自動化と俊敏性を可能にした。世界中でスマートフォンが普及したことで、複数のプラットフォームを使用する相互接続されたデバイスの数が増加した。これらのデバイスは、Zigbee、Bluetooth、3G、4G、そして今後登場する5Gなどの無線セルラーネットワークや非セルラーネットワークを通じて互いに接続されている。これらの接続デバイスは、標準作業手順(SOP)の逸脱を理解するため、データの継続的な追跡に役立っている。
・抑制要因:脅威レベルの過小評価と脅威の性質に対する誤解
産業用制御システムは継続的に進化しており、産業従事者が運用環境を理解し分析するのに役立つ、相互接続されたデバイスを含んでいる。しかし、それは同時に、システムをサイバー攻撃の危険にさらすことにもなる。オートメーションシステムに対する標的型攻撃は比較的まれであり、安全対策に過度に依存しているため、産業企業のオーナーとそのスタッフは、ICS環境に起こりうる脅威を過小評価している傾向があるという。
同様に、過去数年の間に、攻撃的なサイバー能力に追いつくために、セキュリティ技術は広範囲に発展してきた。セキュリティシステムを分析・設計するために、開発者は常に攻撃者の先を行こうとするが、セキュリティ製品や関連技術は一般的に過去の脅威を分析して設計されており、運用技術(OT)の詳細までを含んでいない。そのため、産業用制御システムは、合成的な攻撃から保護するように設計されているという。その結果、セキュリティ製品やソフトウェアソリューションは、潜在的な脅威や将来の攻撃の性質をイメージしたり考慮したりすることなく、また、日々の脅威の状況を徹底的に分析・精査することなく設計される。こうして、現実の脅威は過小評価されているとのことだ。