農家の重労働と環境負荷を削減するロボット「ミズニゴール」、実証実験の参加・レンタル提供の先行予約をCAMPFIREで受付開始

株式会社ハタケホットケは、農家の重労働と環境負荷を削減するロボット「ミズニゴール」の実証実験の参加及びレンタル提供の先行予約を、2022年4月2日よりCAMPFIREにて受付開始したと発表した。

全国で小規模農家が最も多く、後継者不足や耕作放棄地といった農業課題を抱える長野県にて実証実験を進め、今後は2023年春のGPS及びソーラー駆動の実装など「全自動化」を見据えて、開発を進める。本事業は、長野県のソーシャルビジネス創業支援事業に採択されている。
出典元:プレスリリース

■農家の人手不足・ジレンマを理由に、進まない減農薬栽培

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近年、消費者の健康意識が高まる一方で、自然農・減農薬の普及が進んでいない状況だという。その背景には、農家の高齢化や人手不足の深刻化が挙げられる。特に米作りにおいては、負担の大きい水田の除草作業は大きな課題のひとつになっている。生産者側も、自然に近い栽培の形でできた米が体に良いと分かっていても、コストや労力等の問題から、「除草剤・農薬を使わない」という選択に踏み切れない現状があるとのことだ。
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■重労働を自動化するアイガモロボ「ミズニゴール」で時間を80%節約

「ミズニゴール」は農家の重労働と環境負荷を削減するロボット。除草作業は、人力でチェーンがついた除草器具などを引くことで田んぼの水を濁らせ、稲の栄養を奪ってしまう雑草の光合成を遮る方法が一般的だ。炎天下に広大な水田の照り返しの中、田植え後の1~2カ月の間、約7日~10日おきに継続する必要がある重労働だ。アイガモ農法やトラクター型の除草機もあるが、餌代やマシン代のコスト負担が大きく、導入できる農家は限られているという。
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通常、1反(1000平米)を人力で濁らせるのに、少なくとも2時間程かかるが、「ミズニゴール」は、アイガモのように水田をラジコン操作で走り回り、1反あたり6分の1にあたる20分前後で完了できる設計だ。常に水を攪拌することで除草剤が不要になるだけでなく、酸素がいき渡り稲の根からも良く吸収され品質向上が期待されるとのことだ。

■製品特長

・優れた防水性・耐久性
グラスファイバー成形の本体により耐水性が高く、不安定な水田でも操作しやすい。

・壊れにくいシンプルな構造
本体の機構・構造をシンプル化することで壊れにくく扱いやすいデザインとした。

・軽量化で持ち運びにも対応
一般的な農機具は頑丈で壊れにくい反面、重量があり女性やお年寄りには取り扱いが大変なものが多くある。ミズニゴールの重量は約7kgで、一人でも持ち運びが容易だ。
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■小規模農家への提供を見据えて開発・実証実験参加を受付開始

農家数が10万戸以上と全国でも多い長野県。小規模零細農家が多く全国平均よりも高齢化が進んでおり、後継者問題や耕作放棄地も増えているという。また山間部が多い地形的理由からも、大規模集約化によるコスト削減が難しい状況だ。今回の実証実験への参加及びレンタル提供募集を開始するのは、第1段階の「ミズニゴール1.0」。ラジコン型バッテリー駆動で誰でも簡単に操作できる。2023年春にはさらに改良版のGPS型(全地球測位システム型)ソーラー駆動の全自動型ミズニゴールのリリースを計画しているという。
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除草ロボットは大手企業でも開発が進んでいるものの、数十万円~百万円以上するなど、小規模農家が季節利用に限られる設備投資として導入するにはハードルが高い状況だ。ミズニゴール1.0の実証実験ではレンタル提供(10万円/1シーズン)し、来春の正式リリースでは、実証実験の検証や農家のニーズに合わせて、販売・レンタルなどの選択肢を視野に展開する。

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