AI教習システムを活用した自動車学校「AI教習所岡山校」が開校

地域の交通教育を支える自動車学校業界は、指導員の高齢化や採用難による人材不足に直面しており、指導員の負担増加、高齢者講習の受入難など社会課題が顕在化している。例えば、75歳以上の高齢運転者の免許更新手続きには認知機能検査や高齢者講習を受ける必要があるが、指導員不足により対応できず、平均待ち日数が2カ月半にも及ぶ県もあるという。また、長期的に見ても、一般社団法人全日本指定自動車教習所協会連合会の第12次長期ビジョン研究会の報告書によると、2033年には生徒数の減少により需要は15％減少するが、指導員の成り手がおらず、供給は35％も減少すると予測されているとのことだ。

このため、ミナミホールディングス株式会社では、グループ会社を通して、​AI教習システムを開発した。指導員が同乗しなくても1人で練習できる教習車を開発することが、指導員不足に対する一つの解決策になると考えたという。また、株式会社岡山ももたろう自動車学校の協力を得て、岡山ももたろう自動車学校の教習コースで、AI教習車を活用した自動車学校（届出自動車教習所）を岡山県岡山市にて開校することとなったとのことだ。

車を実際に運転する技能教習は、AI教習車を活用して「ひとり」で練習する。最先端の自動運転技術を活用したAI教習車が、運転の上達と安全をサポートする。

道路交通法などを学ぶ学科教習は、楽しく、わかりやすく勉強できる「DON!DON!ドライブ」アプリで行う。わざわざ自動車学校まで行く必要はなく、自宅や学校など好きな場所で好きな時間に勉強することができる。

AI教習車は、AIと自動運転技術を用いて、教習所コース内における車両位置、車両状態、周辺環境及びドライバーの確認行動をリアルタイムに把握することで、ドライバーの危険運転行動の検知、及び事前に収集した教師経路と実際にドライバーが運転した走行経路の差分などに基づく運転技能評価で、指導員の同乗を必要とせず、指導員と同程度の精度でドライバーを評価することが可能だ。また、運転席のタブレットで受講者自身が講習メニューを選択し、走行後は自身の運転を映像で振り返ることにより、運転技能の向上を図る。指導員の同乗なしでも安全に受講ができるよう、一定の条件で作動する自動補助ブレーキが実装されている。