東芝、NTT東日本ら、ゲリラ豪雨発生時の高精度かつリアルタイムな降雨・浸水予測による水害対策の有効性に関する実証実験を開始

NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)と、日本工営株式会社、株式会社東芝、東日本電信電話株式会社 埼玉西支店(以下、NTT東日本の4社は共同で、近年多発するゲリラ豪雨による突発的な水害への対策として、高精度かつリアルタイムな降雨・浸水予測データを活用した、自治体職員の災害対応業務の有効性に関する実証実験について、埼玉県ふじみ野市が協力し、2022年8月19日から開始すると発表した。

■実証実験の背景と目的

近年、線状降水帯やゲリラ豪雨による洪水や浸水被害といった「水」による災害が全国各地で多発し、ハザードマップの想定を超えるケースもあるなど被害が激甚化している。特にゲリラ豪雨は突発的に発生するため正確な予測が難しく、河川や内水の氾濫、道路の冠水、建物への浸水など、想定される水害への対応準備にあたる自治体職員にとっては、極めて短時間のうちに被害を想定し、対策の判断や関係者への指示、住民の避難行動を促す情報伝達を行わなければならず、大きな負担となっているという。このような水害時における課題を解決するため、NTT-AT・日本工営・東芝・NTT東日本で共同して、ゲリラ豪雨の早期予測と浸水シミュレーション、さらに動的ハザードマップの提供・配信で構成される一体型サービスを提供する。これを全国に先駆けてふじみ野市で一定期間運用し、精度の高い予測情報に基づく的確・迅速な災害対応の判断と実行、および被害の軽減の観点で、システムの有効性を検証する。

■実証実験の概要

(1)内容・方法:
本実証実験では、次の①~④それぞれの仕組みを初めて連動させ、1つのシステムとして実際の災害対応業務において活用することが特長だ。
①最新技術によるゲリラ豪雨の高精度な早期予測
実用型・高機能気象レーダMP-PAWRと国土交通省のレーダネットワーク(XRAIN)を活用し、改良版VIL-NCにより局地的豪雨の兆候と雨量を発生30分前に高精度に予測する。
②高解像度リアルタイム浸水シミュレーション
複数の降雨観測データにより精度を高めた予測情報を活用し、対象エリアの浸水予測シミュレーションをリアルタイムに行い、時系列でアニメーション表示することで、自治体職員の各種判断を支援する。
③刻々と変化する動的ハザードマップの提供
浸水予測シミュレーション結果に基づいて、数時間先までの浸水による危険度がわかる動的な浸水ハザードマップを提供する。
④タイムリーな情報配信
危険が迫る地域の利用者のスマートフォンアプリに、浸水予想区域・浸水深情報を動的ハザードマップ情報として届ける。自治体職員・関係者の体制準備や対応指示などの実行、避難情報の発令判断の支援につなげる。
出典元:プレスリリース
(2)実施場所:
ふじみ野市 市役所庁舎ほか市内各所
(協力)総務部危機管理防災課、都市政策部上下水道課・道路課
(3)実施期間:2022年8月19日から2022年12月28日まで

■各社の役割

NTT-AT:
本実証に関するコーディネート、実証実験システム整備主管、動的ハザードマップ・情報配信基の提供

日本工営:
浸水シミュレーション技術に基づくリアルタイム浸水予測情報の提供

東芝:
高精度降雨気象レーダによるゲリラ豪雨の30分前予測情報の提供

NTT東日本:
ふじみ野市との連係窓口として、「防災のDX」による課題解決の推進

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