セブン‐イレブン・ジャパン、断水・浸水状況把握にむけた実証実験を2022年より一部エリアで開始

「セブンVIEW」は「Googleマップ」上に、停電等の全店舗の状況、同社の各エリア拠点である地区事務所や工場、配送トラック、サプライチェーンの状況、さらに、あらゆる災害、交通、気象、避難などの情報を一元的かつ自動的に集約できるシステムだ。開発当時、台風・地震などの自然災害が多数発生しており、より詳細な地域状況の「見える化」の必要性を感じ、本システムの構築に至ったとのことだ。

本年は新たに、店舗の状況等を加盟店オーナーの端末から共有できる「オーナーコミュニケーションアプリ」の導入や、店舗設備を活用した断水状況の把握・予測、佐賀県内の一部店舗に設置した冠水センサによる浸水状況の把握・予測の実証実験も進めているとのことだ。

＜基本情報＞
・災害発生時の店舗情報等を集約
対象店舗：全国のセブン‐イレブン
停電・回線障害・災害休業など災害時の店舗状況や配送トラックの状況を見える化。

・公共情報の画面表示
地震・台風や火山・暴風雨・大雨・洪水・暴風・大雨・波浪・高潮・河川洪水など、公共情報（Lアラート）が発令されているエリアを色分けし、見える化。該当エリアにおける店舗状況が確認できる仕組み。

＜本年からの新たな取り組み＞
・オーナーコミュニケーションアプリ（2022年1月～）
災害発生時、加盟店より同社本部に対し、店舗状況を共有するためのアプリ。オーナー等の通信端末で、自宅や避難先でも入力可能で、迅速な状況把握や対応策の検討に役立てる。

加盟店が入力できる内容
・店舗の営業状況（休業とその要因）
・停電状況
・商品の納品について（停電等による受入可否）

災害訓練を実施
有事の際にも滞りなくオーナーコミュニケーションアプリを使えるよう、加盟店オーナーが協力し、2022年3月に全国で災害訓練を実施した。

・店舗設備を活用した断水把握・予測の実証実験（2022年4月～）
店舗に設置されているセブンカフェマシンにおいて、コーヒー抽出時に使用する水の補充状況によって断水状況を把握。複数店舗での警報を確認した場合にエリアでの断水情報として検知することで、精度の高い断水予測につながる（全国の一部店舗約4500店で実験中（2022年9月末時点））。

・浸水把握・予測の実証実験（2022年7月～）
実証実験期間：2022年7月より約1年間を想定
実施店舗：佐賀県内のセブン‐イレブン3店舗
実施内容：店舗敷地内に冠水センサを設置し、浸水情報を把握。その情報を「セブンVIEW」に連携することで、店舗浸水被害に対する事前準備と減災を目的としている。