渋谷区でトイレの設備・満空情報を可視化するトイレマップサービスが開始

株式会社バカンは、2022年11月1日より、生活インフラであるトイレの位置や設備、満空情報をマップ上に表示させる取り組みを渋谷区で開始すると発表した。

■取り組み概要

本取り組みは、誰もが手元のスマートフォンなどから手軽に地上でトイレの位置や満空・設備情報を見られるサービス「トイレマップ」を作成することで、トイレに困らない社会の実現を目的としている。東京都がもつパブリックな施設や渋谷区の商業施設のトイレ設備データと、同社が設置するセンサーから取得されるデータや利用者が入力するデータなどを組み合わせることで、誰もが利用できる「トイレマップ」となっている。マップ内では、庁舎といった自治体施設や民間施設を含む、区内105施設1,221個室のトイレ情報を確認できる。本取り組みは、「東京データプラットフォーム ケーススタディ事業」の一環であり、実証実験を2022年11月1日(火)から2023年1月9日(月)まで行う。

■トイレマップの仕組みについて

バリアフリートイレなど満空情報のニーズが高い場所については、トイレ向け空き情報可視化IoTサービス「VACAN Throne(以下、Throne)」を活用することで、リアルタイムの混雑情報を検知し発信する。また利用ユーザー自身でも、トイレの設備情報などをフィードバックできる仕組みを構築することで、自治体・企業・住民がサービスの改善、向上に参加し、継続的にアップデートできる仕様となっている。ユーザー参加型にすることで設備情報の正確性の維持を図ると共に、公共トイレの自分ごと化を促し、他の利用者への思いやりによる快適なトイレ環境の実現といった効果も期待されるという。トイレマップの構築により、車椅子利用者がバリアフリートイレを探したり、子どもを持つ人がおむつ台のあるトイレを探すといったことが可能となるとのことだ。
出典元:プレスリリース

■取り組みの背景

多くのトイレは行ってみるまで設備などが確認できず、「入ってみたらおむつ台がなかった」「手すりがなく利用が難しい」といった問題が起こりやすいのが現状だという。また移動コストが大きい人の使用も多いバリアフリートイレについても、事前に満空がわからず「行ってみたら使えなかった」状況が生じ、利用者が負担を強いられるケースも少なくないとのことだ。また日本では過敏性腸症候群の有病率が10~20%と推定されており、それらの人にとっても外出ストレスの軽減の観点で、設備や満空といったトイレ情報の事前把握は重要となっているという。国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)でも、目標6「誰もが平等にトイレを利用できる環境の整備」や目標11「住み続けられるまちづくりを」といった項目で、トイレをはじめとした都市のバリアフリー化の推進が求められている中で、渋谷区をモデルケースとしてトイレマップの普及を推進することで、あらゆる人にとって過ごしやすい都市環境の実現を目指すとのことだ。

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