北海道電力と東芝ESS、IoT・AI技術を活用した火力発電所の運用高度化の取り組みを開始

北海道電力株式会社と東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝ESS)は、IoT・AI技術を活用した設備の不具合・性能低下の早期検知を目的とする火力発電所の運用高度化の取り組みを開始したと発表した。

この取り組みは、北海道電力の火力発電所である石狩湾新港発電所1号機(定格出力:56.94万kW、使用燃料:LNG)および苫東厚真発電所4号機(定格出力:70万kW、使用燃料:石炭)を対象としたものだ。

本取り組みは、東芝ESSのプラント監視ソフトウェア「EtaPRO(エタプロ)」を活用しており、発電所の各設備に設置されているセンサーから得られる運転データをもとに、IoT・AI技術により算出された本来あるべき運転状態(期待値)と現在の運転状態(実測値)を比較することで、主要設備の不具合や性能低下の兆候を検知するものだ。

従来、設備の不具合や性能低下の検知は、あらかじめ設定したしきい値に基づくアラート判定や約2年に1回実施する性能試験等により行っていたが、本システムにより微細な運転状態の変化をリアルタイムにとらえることができるようになるため、これまでよりも早い段階で検知が可能となり、発電支障の未然防止・効率的な運転に寄与するとのことだ。
出典元:プレスリリース
出典元:プレスリリース
本取り組みの開始に向けて、2020年10月から両社共同で検証を行い、北海道電力が火力発電所の運転データの提供、東芝ESSがシステムの構築を担った。また、EtaPROを石狩湾新港発電所1号機および苫東厚真発電所4号機に導入するにあたっては、東芝ESSのクラウド上にシステムを組み込むことで、システムの運用管理とメンテナンスの効率化を実現しているという。なお、クラウドを活用したシステム運用管理にあたり北海道電力と東芝ESSは、定額・長期サービス契約を締結しているとのことだ。

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