「デジタルツイン 業界カオスマップ」の2022年版が公開

Symmetry Dimensions Inc.は、「デジタルツイン 業界カオスマップ」の2022年版を発表した。

デジタルツインとは、物理空間に存在する場所や事象をIoTデバイスなどを用いてデータ化し、デジタル空間上に再現することで、分析・予測等を可能にする技術だ。
出典元:プレスリリース
コンピュータアーキテクチャテクノロジー・各種システム・ビジネスプロセス等の国際標準化団体であるOMG(Object Management Group)により設立されたDigital Twin Consortium、Middlesex University Londonに拠点を置くLondon Digital Twin Research Center、EUでのDUET(Digital Urban Europian Twin)など、世界中でコンソーシアムやコミュニティが立ち上がったことで、各国で進められるデジタルツインの技術を用いた実証実験、サービス活用の知見が共有され、2020年頃から注目が高まったデジタルツインの技術は、今まで活用の多かった製造業、建設業のみならず、ヘルスケア領域など新しい分野での企業の増加が見られるという。

また、第5世代移動通信システム(5G)の普及、5Gに比べ100倍速いネットワーク速度を供給すると期待されている第6世代移動通信システム(6G)が今後出てくることにより、様々な種類のデータがよりリアルタイムに近い形で取得、利用可能になることで、広範囲、高精度でのデジタルツイン構築が可能になり、より幅広い業界でデジタルツインの技術が活用されることが予想されるとのことだ。

日本における、2022年6月に閣議決定された「デジタル田園都市国家構想」、イギリスの「Digital Twin Hub(National Digital Twin Program)」、シンガポールの「Smart Nation Singapore」など、スマートシティ実現に向けた官民連携の取り組みが活発化している。こうした背景から、スマートシティ実現の技術的インフラとしてデジタルツインに注目が集まり、「都市のデジタルツイン」構築に向けた、3D都市モデルの整備が世界中で進んでいる。国内では国土交通省が推進する「Project PLATEAU」、海外では、韓国ソウル市の「S-MAP」や、EUの「DUET」など、3D都市モデルの整備と並行して、都市の様々なデータの重畳、可視化を可能にする3D Webビューワーの整備が加速しており、都市課題の可視化、解決方法検討への活用が進んでいる。

世界中で取り組みが進む「都市のデジタルツイン」は、デジタルツインを構築するため、都市情報のデータ化、収集、整備を行う「デジタライズ」と、都市データを組み合わせ、可視化を行うことでデジタルツインを構築し、活用、応用方法の模索を行う「ビジュアライズ」の取り組みが活発化している。

これらは今後も継続して取り組みが進む一方、世界中でデジタルツイン技術を用いたユースケース実証が進み、デジタルツインという技術への理解が深まったことで、今後、具体的な社会課題の解決を行うための「社会実装」フェーズに移行することが予想されるという。

「社会実装」のフェーズでは、都市データを組み合わせて可視化し、デジタルツインを構築するだけではなく、各課題ごとのサービス化・アプリケーション化が進むことで、デジタルツインの技術を用いて検出された課題やシミュレーション結果を、よりシームレスにユーザーが受け取ることができるようになり、業務での活用が促進される。

また、デジタルツインは3次元での可視化、活用が大きく注目を集めるが、天気予報のようにデジタルツインの技術が用いられているが、エンドユーザーが必ずしも3次元表現を必要としない領域においては、バックエンドにデジタルツイン技術を用いたサービス開発が進んでいくことで、デジタルツインは、インフラのように生活を支える基盤となるとのことだ。

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