NTT、​NTTドコモ、ノキア、6Gに関する2つの技術開発に成功

ノキア、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、6Gへの道のりにおいて2つの重要な技術開発に成功したと発表した。

1点目は、人工知能(AI)と機械学習(ML)を無線インターフェースに実装し、実質的に6G無線に学習機能を搭載することで、2点目は、新しいサブテラヘルツの周波数帯域を利用して、ネットワークの通信容量を劇的に向上させることだ。

AIネイティブの無線インターフェイスとサブテラヘルツの周波数帯域は、いずれもノキア、ドコモ、NTTが将来の6Gネットワークのために取り組んでいる重要な研究テーマだ。これらの技術によって、新しい没入型メタバースとクロスリアリティ(XR)体験、および新世代のモバイルアプリケーションへの道が切り開かれることになるという。このパートナーシップにより、ドイツのシュツットガルトにあるノキアベル研究所では両方の技術が概念実証として具体化されている。ノキアは2023年2月27日~3月2日にバルセロナで開催されるMobile World Congressで6GのAIネイティブ無線インターフェースのデモを行う。

ノキアベル研究所、ドコモ、NTTの研究者は、送信機に搭載されたAIベースの機械学習の波形と、ディープラーニングを用いた受信機を組み合わせることで、さまざまなシナリオで効率的にデータを送信できる機械学習された無線インターフェースを設計・実装することに成功。このAI/機械学習ベースの実装により、信号のオーバーヘッドが大幅に削減され、スループットが最大30%向上したとのことだ。

さらに、AIネイティブの無線インターフェースにより、6Gネットワークはアプリケーション、デバイス、またはユーザーが要求する接続タイプに柔軟に対応できるようになる。例えば、工場内のネットワークを産業用センサー用に一度に最適化したり、ロボットシステムやビデオ監視用に再構成したりすることができる。パブリックネットワークでは、AIによって強化されたネットワークにより、高速で走行する緊急車両だけでなく、XRを使用している歩行者にも最適化された接続を提供することができる。

サブテラヘルツの帯域(100GHz以上)は、その伝播特性のために携帯電話で使用されたことはないが、ビームフォーミングなどの新しい技術により、これらの周波数帯域が将来の6Gネットワークに開放される可能性があるという。この高周波数帯域は、6Gのもう1つの重要な機能になり得る高精度の無線センシングに適しているとのことだ。このパートナーシップの概念実証では、ビームフォーミングを使用して144GHzのキャリア周波数と単一の256QAMストリーミングで25Gbpsの通信接続を実証することができた。サブテラヘルツの帯域にアクセスすると、6Gネットワークに膨大な通信データを取り込むことができる。サブテラヘルツの帯域は、通信容量を全体的に向上させるだけでなく、数ギガビットの平均通信速度を必要とする最も高帯域の将来のユースケースに対して6Gネットワークが対応できるようになる。

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