「画像生成AIの利用状況と著作権に関する意識調査」が実施

ナイル株式会社は、同社が運営するスマートフォンユーザー向けアプリ情報メディア「Appliv」で、全国男女6,592人を対象に、2023年6月14日~6月25日の期間で、画像生成AIの利用状況と著作権に関する意識調査を実施したと発表した。

■調査背景

現在、ChatGPTをはじめとする生成AIに注目が集まるなか、画像生成AIと著作権に関する議論が進められている。2023年5月30日、文化庁は「AIと著作権の関係等について」という資料を公表し、その見解を示した。Applivでは、画像生成AIと著作権に関する意識調査を実施。イラストレーター(プロ・アマ含む)とそうではない人との間では、考え方にどのような違いがあるかに着目し、画像生成AIの利用経験や著作権、商用利用に対する意見とその理由について、結果を発表したとのことだ。
出典元:プレスリリース
10代~60代の男女6,592人に、画像生成AIへの興味・関心度を調べたところ、「頻繁に使っている」が4.3%、「興味があり試しに使ったことがある」が9.1%、使ったことがある割合は13.4%だった。「興味があり調べたりしているが使ったことはない(17.7%)」「興味はあるが、知らなかった(12.0%)」を合わせると、画像生成AIに興味があると回答した人は全体の43.1%を占めている。
出典元:プレスリリース
続いて、プロ・アマを含むイラストレーター331名と一般回答者328名に、画像生成AIを利用する目的を聞いた。その結果、「仕事のため」と回答した割合は、イラストレーターが54.1%、一般回答者が21.3%だった。また、「一度も利用したことがない」割合はイラストレーターが5.4%、一般回答者は24.7%となった。
出典元:プレスリリース
AIによって生成された画像を利用する際に、著作権を意識するかどうか聞いたところ、「常に意識する」と回答したのは、イラストレーターが46.8%、一般回答者が43.0%だった。「たまに意識する」と回答した人も含めると、イラストレーターの86.7%が著作権を意識していることがわかった。
出典元:プレスリリース
AIが作成した画像をめぐる著作権の問題について知っているかどうかを聞いた結果、両者ともに約9割が「知っている」と回答した。そのうち、「自分で調べた」と回答した人の割合は、イラストレーターが44.7%に対し、一般回答者は25.3%と20ポイント近く差があった。
出典元:プレスリリース
画像生成AIの商用利用に対して意見を聞くと、イラストレーターは「賛成」が30.5%、「やや賛成」が39.3%となっており、69.8%が賛成意見を示した。一般回答者においても、賛成意見は61.6%と全体の半数を超えている。しかし、「賛成」と回答した割合は17.4%と、イラストレーター(30.5%)を下回っている。また、反対意見を示した割合を見てみると、イラストレーターが23.5%に対し、一般回答者は29.2%だった。
出典元:プレスリリース
商用利用に賛成と回答した人の理由を調べた結果、最も回答が多かったのは「多様な表現を可能にし、芸術やデザインの新たな領域を開くと思う」だった。2番目に多かったのは「新たなビジネスの可能性を広げ、経済的な利益をもたらすと思う」、続いて「生産性を高め、時間や人的リソースの節約に繋がると思う」となっている。
出典元:プレスリリース
反対と回答した人の理由を見てみると、イラストレーターの回答で最も多かったのは「創作者の仕事を奪い、経済的な悪影響を及ぼす可能性があると思う(34.6%)」だった。続いて、「オリジナルの作品を軽視し、人間の創造性や技術を過小評価していると思う(33.3%)」、「著作権者の権利を侵害する可能性があると思う(20.5%)」となっている。一般回答者では、「著作権者の権利を侵害する可能性があると思う(33.3%)」が最も多く、「オリジナルの作品を軽視し、人間の創造性や技術を過小評価していると思う(21.9%)」、「創作者の仕事を奪い、経済的な悪影響を及ぼす可能性があると思う(18.8%)」と続いた。

調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年6月14日~2023年6月25日
調査対象:全国の10代~60代男女
サンプル数:6,592人(うち、イラストレーター331人、一般回答者328人を抽出)
性別
男性:3,291人
女性:3,301人
年齢
15~19歳:1,100人
20~29歳:1,101人
30~39歳:1,100人
40~49歳:1,100人
50~59歳:1,091人
60~69歳:1,100人

Article Tags

Special Features

連載特集
See More