SaaSとは?PaaS、IaaSとの違いやメリットデメリットを解説
2022/2/6
近年よく耳にするようになったSaaSですが、何を意味するのかわからないという人は多いです。今後普及するであろうSaaSがどのようなものであるか、PaaSやIaaSとの違い、SaaSの具体例やメリットデメリットについて、詳しく説明します。
Contents
- そもそもSaaS(サース・サーズ)とは?
- クラウド上で提供されるソフトウェア
- インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできる
- 複数人が同時に編集・管理できる
- PaaS(パース)とSaaSの違いとは?
- IaaS(イァース・アイアース)とSaaSの違いとは?
- 目的に応じてSaaS、PaaS、IaaSを使い分けることが大切
- SaaSの具体例とは?
- Dropbox
- Gmail
- Chatwork
- Office365
- Salesforce
- freee
- SaaSのメリットとは?
- サービスを導入するまでの期間が短い
- コストを抑えてサービスを導入できる
- デバイスのストレージを気にしなくてよい
- 従業員の増減に対応しやすい
- 運営の手間がかかりにくい
- SaaSのデメリットとは?
- ソフトウェアのカスタマイズ性が低い
- データ移行や連携が難しい
- 不正アクセスのリスクがある
- サービスが停止すると利用できなくなる
- ランニングコストが負担になる場合がある
- SaaSの特徴を理解したうえでサービスを利用しよう
そこで今回は、SaaSがどのようなことを言うのか、PaaSやIaaSとの違い、SaaSの具体例やメリットデメリットについて、詳しく説明します。
そもそもSaaS(サース・サーズ)とは?
ここでは、SaaSの意味や特徴について詳しく説明します。
クラウド上で提供されるソフトウェア
これまでは、パッケージソフトなどを購入してからパソコンにインストール・セットアップするなど、サービス利用を開始するまでに費用や時間が多くかかっていました。しかし、SaaSではソフトウェアサービスをクラウド上で利用できることから、誰もがソフトウェアサービスをスムーズに利用できるようになっています。IoT機器の普及や5G通信技術の発展に伴い、今後はさらにSaaSを利用するユーザーが増えていくと予想されています。
インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできる
また、最近は持ち運べるタイプのWi-Fiが普及しているだけでなく、カフェや新幹線など、移動中や移動先で品質の高いインターネット通信を利用できるようになっています。場合によっては日本だけでなく海外からもSaaSを利用することでサービスを利用できることから、海外旅行や海外転勤で作業場所を海外に移したとしても、クラウドにアクセスさえできれば日本にいるときと同様にサービスを利用し続けられます。
複数人が同時に編集・管理できる
また、作業の進捗やメッセージのやり取りもクラウド上のソフトウェアを通して確認・伝達できるので、わざわざほかのツールを使って情報伝達する必要がなくなります。それによってコミュニケーションエラーや作業者同士の認識の違いを減らして、より確実に作業を遂行できるようになるのです。
PaaS(パース)とSaaSの違いとは?
PaaSはソフトウェアではなくプラットフォームです。ソフトウェアなどのプログラムが稼働するために必要なデータベースやプログラム環境といった実行環境が、クラウド上で提供されています。プログラムさえあればソフトウェアを稼働させられるため、必要なプログラムを用意できるのであればスムーズに利用できるでしょう。
しかし、プログラムの実行環境やデータベースに制限が設けられているため、自由にプラットフォームを開発したいという人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。インフラ開発の手間を省きながら適度にプラットフォームをカスタマイズしていきたい場合に利用するのがおすすめです。
IaaS(イァース・アイアース)とSaaSの違いとは?
IaaSは、これまで紹介したクラウド上のサービスの中で最もカスタマイズ性が高いもの。わざわざハードウェアを導入することなく仮想上のマシンやサーバーといったインフラを利用できるので、コストを抑えてITインフラを整備したいという人たちに利用されています。
ただし、カスタマイズの自由度が高いぶん、利用者にはハードウェアやOS、ネットワーク系の幅広い知識が求められます。それと同時にセキュリティ対策も自分自身で考えなければならないので、誰もが導入できるサービスというわけではありません。
目的に応じてSaaS、PaaS、IaaSを使い分けることが大切
SaaSにある程度利用したい機能がそろっていたとしても、実際に利用したい機能とズレがある場合は、PaaSである程度自由にソフトウェアを構築するとよいでしょう。開発環境も充実しているので、時間をかけずに必要なソフトウェアへと組み替えていくことが可能です。PaaSの制限を超えて、より自由度の高いサービスを提供できる環境をクラウド上に構築したい場合は、IaaSがおすすめ。大規模なサービスを提供するための拡張性の高さも持っているため、より柔軟な開発ができます。
まずはどのような目的でクラウドサービスを使いたいのかをはっきりさせて、それに応じてSaaS、PaaS、IaaSをうまく使い分けられるようにしておきましょう。
SaaSの具体例とは?
●Dropbox
●Gmail
すでに利用したことのあるサービスもあるかもしれませんが、これらがどのようなサービスであり、なぜ人気を集めているのかを知っておくことは大切です。ここからは、SaaSの具体例について詳しく説明します。
Dropbox
他者とのデータ共有や削除したファイルの復元、複数端末からの同時アクセスといったSaaSならではのメリットを存分に活かせるので、世界中で利用者数が多いのも魅力。SlackやChatworkといったチャットサービスや各種メールサービスなど、20種類以上のサービスと連携させることもできるため、普段利用しているツールをより便利に活用できます。
Gmail
また、メールをローカルストレージに保存する必要もないので、デバイスの容量を気にすることなく快適にサービスを利用し続けられるのも魅力。端末が違ってもログインさえできればどこからでもメールサービスにアクセスできるので、普段利用しているデバイスが手元になくてもメールの送受信ができます。迷惑メールのフィルタリングやメールのキーワード検索機能などが充実しているのも、利用者が多い理由となっています。
ユーザーとしても必要な情報を短時間に手軽に集められることや、匿名でもサービスを利用できるというプライバシー面の安心感もあることから、今後もユーザー数が伸び続けるのではないかと言われています。
Chatwork
Office365
Salesforce
freee
SaaSのメリットとは?
●コストを抑えてサービスを導入できる
●デバイスのストレージを気にしなくてよい
●従業員の増減に対応しやすい
●運営の手間がかかりにくい
SaaSには、上記の5つのメリットがあります。SaaSのメリットを最大限に活かすことで、毎日の生活や事業運営をよりスムーズにできるでしょう。ここからは、SaaSのメリットについて詳しく説明します。
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サービスを導入するまでの期間が短い
SaaSはクラウド上のソフトウェアサービスをそのまま利用できるので、わざわざシステムを開発したりパソコンなどのデバイスにインストールしてセットアップする必要がありません。サービスを利用開始しようと思ったら最短即日から利用開始できるので、手続きに時間をかける負担が少ないのもよいところです。
コストを抑えてサービスを導入できる
ソフトウェアを利用するためにわざわざパッケージソフトを購入する必要がないので、大幅にコストを抑えてサービスを利用開始できます。また、システムを開発するために人件費や外注費をかけなくてもよいことも、コストを抑えられる理由です。サービスによっては無料で利用できるものも多いため、場合によっては利用料金がかからないケースもあります。
デバイスのストレージを気にしなくてよい
従来のようにデバイスにデータを保存していると、保存できるデータ量はデバイスに搭載しているHDDなどの保存媒体の容量に依存してしまいます。SaaSではオンライン上にデータを保存できるので、デバイスのデータ容量を圧迫する心配がありません。
もちろん、利用するソフトウェアによってはクラウド上に保存できる容量に限度があったり、容量を拡張するために追加費用がかかるケースもあります。しかし、よく利用するデータの種類によってはコストを抑えてクラウド上のストレージを利用できるでしょう。
また、クラウド上のストレージのIDやパスワード、権限といった「鍵」を他者と共有することで、複数人が別々のデバイスから同じストレージにアクセスできるのもSaaSのメリット。インターネット環境さえあれば場所を選ばずにデータを共有できるので、今まで以上に快適かつ効率的な暮らしを実現できるようになっています。
従業員の増減に対応しやすい
企業によっては、一定の時期になると従業員が大幅に増減するところもあります。SaaSを利用していれば、サービス利用者のアカウントを追加・削除するだけで簡単に対応できます。利用者数に応じて料金を支払うパッケージタイプのソフトウェアよりも費用や手間を抑えやすいので、従業員の出入りが多い企業や部署であるほど、SaaSを利用するメリットは大きいと言えるでしょう。
運営の手間がかかりにくい
SaaSでは、サービスを提供している側がシステムの運用をすべて行ってくれます。システムのバージョンアップやセキュリティ対策の更新などの手間がかからないので、ランニングコストを抑えながら常に最新のソフトウェアを利用できます。
SaaSのデメリットとは?
●不正アクセスのリスクがある
●サービスが停止すると利用できなくなる
SaaSには、メリットもあればデメリットもあります。注意点を理解しながらソフトウェアを利用することで、安全な暮らしを維持しやすくなります。ここからは、SaaSのデメリットについて詳しく説明します。
ソフトウェアのカスタマイズ性が低い
SaaSはすでに構築済みのソフトウェアをクラウド上で利用するようになっていることがほとんどです。そのため、提供されているサービスの範囲内で事業運営や日常生活に取り入れなければなりません。
場合によっては、事業の運営方針をサービスに合わせて変更しなければならないケースも…。変更の程度や頻度によっては社内に混乱を生じさせる危険性があるので、サービスを導入してからどのように運用していくのかをあらかじめ考えておく必要があります。
データ移行や連携が難しい
不正アクセスのリスクがある
SaaSはクラウド上で提供されるソフトウェアなので、インターネット上のサービスである以上不正アクセスのリスクは常に伴います。企業や学校といった施設内のローカルネットワークであれば、外部と通信できないようにすることでセキュリティを維持しやすいですが、SaaSを利用するためにはどうしても外部と通信しなければなりません。
もちろんセキュリティ機能の整ったサービスを導入することが大切ですが、クラウド上で送受信するデータの内容によっては、SaaSを利用しない方がよいと判断しなければならないケースもあるでしょう。導入するサービスをどのように使うのか、不正アクセスがあった場合にどのように対処するのかも事前に考えておきましょう。
サービスが停止すると利用できなくなる
利用するサービスによっては、不具合が生じてアクセスできなくなることもありえます。不具合が復旧すれば再度利用開始できるようになりますが、もし復旧できなかった場合は利用データが全て消えてしまう危険性があるのです。
バックアップを取得できるタイプのものもありますが、データ量によっては膨大な量をバックアップしなければならず、ローカルストレージを圧迫したりバックアップに時間がかかることも考えられます。
なるべく安定したサービスを提供しているSaaSを選ぶことが大切ですが、万が一サービスが停止したことを想定した利用方法を検討することも重要になります。
ランニングコストが負担になる場合がある
SaaSの特徴を理解したうえでサービスを利用しよう
ここで説明した内容を参考にして、SaaSの特徴を理解したうえでサービスを利用できるようにしておきましょう。