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リーガルテックが広まっている背景とは?具体的なサービス例も紹介

法的な問題をスムーズに解消するために普及が進んでいるリーガルテック。法的な規制がある中で、多くの企業が導入しているとともに、個人でも利用できるリーガルテックも増えています。ここでは、リーガルテックの概要やサービス例を説明します。
煩雑になりがちな契約に関する業務や、トラブルが発生したときの弁護士への依頼など、法的な場面での対応は複雑になりやすいのが難点です。しかし、さまざまな業種にITが活用されているように、法律に関する分野でも「リーガルテック」が普及してきており、企業や個人が抱える課題がスムーズに解消できるようになりつつあります。

そこで今回は、リーガルテックの概要や種類、具体的なサービス例を詳しく説明します。

まずはリーガルテックについて知っておこう

リーガルテックについて理解を深めるために、まずはリーガルテックがどのようなものなのかを知っておきましょう。

以下では、リーガルテックの概要を詳しく説明します。

そもそもリーガルテックとは?

リーガルテックとは、法律(Legal)と技術(Technology)を組み合わせた言葉で、法律に関する業務や手続きなどにIT技術を組み合わせることで、新たな価値や仕組みを創出することをいいます。

ITによって法律に関わるさまざまな部分の利便性が増すと期待されています。

リーガルテックが注目される背景

近年、日本では少子高齢化が深刻化しており、労働人口が年々減少していることが問題視されています。企業では、長時間労働や休日出勤の慢性化が問題になっているところや、契約書の締結のために出社が必要でリモートワークが推進できないなどの課題を抱えられているところも多いようです。

限られた人員で生産性を高めるためには、事業運営の効率性をアップさせることが重要といえます。ITやAIなどの技術を活用して、人件費を削減しつつ業務効率化を目指す必要性が高まっていることが、リーガルテックが注目される大きな要因だといえます。

海外におけるリーガルテックの動向

リーガルテック先進国のアメリカやイギリスでは、リーガルテックを法律事務所ではなく「代替的法務サービス提供者」が企業に提供するところが増えているようです。

主に、法務部門では対応しきれない専門性の高い問題の解消や、既存のリソースを効率的かつ戦略的に利用するためにリーガルテックを活用するケースが多く、必ずしもコストを削減するためにリーガルテックを利用しているわけではないのが特徴的です。

日本におけるリーガルテックの動向

日本ではリーガルテックが規制される部分が多いため、スムーズに導入が進んでいるとはいえません。特に、弁護士法によって、弁護士以外が法律事務の取り扱いをするのを禁じていることは、リーガルテックの普及スピードを抑制している大きな要因だといえるでしょう。

ただし、リーガルテックが自由に導入できるようになることは、必ずしも望ましいとはいいきれません。不公正・不適正な法務サービスの提供につながりかねないためです。より良い司法制度を維持しつづけるためにも、利便性の面と公正なサービス提供の面のバランスを考えながらリーガルテックの導入を進めていく必要があると考えられます。

日本のリーガルテックの市場規模

法的な規制がある中でも、リーガルテックを提供する企業は増えつつあります。リーガルテックの市場規模は300億円にもなるとされており、関連する企業は30社を超えているようです。資金調達額も年々増加しているため、今後もリーガルテックに関するサービスは増えていくでしょう。

また、2020年の段階で提供されているリーガルテックの種類として、電子署名や契約書の作成、契約締結や契約書類の管理、紛争解決などの目的を持ったものが多いのも特徴です。時代の変化や法律の改正などとともに、今後はより幅広い目的を持ったリーガルテックが普及していくと考えられます。

リーガルテックの種類とは?

日本で導入が進んでいるリーガルテックは、次の9つに分類できます。

電子契約サービス
契約書・文書管理サービス
契約書のレビュー
登記や各種申請の支援
弁護士の紹介サービス
eディスカバリ
フォレンジック
集団訴訟のプラットフォーム
労務や人事の管理

これらの種類ごとにリーガルテックの特徴を知っておけば、法律の分野でテクノロジーがどのように活用されているのかをイメージしやすくなるでしょう。以下では、リーガルテックの種類を詳しく説明します。

電子契約サービス

電子契約サービスは、従来書面で作成・管理されていた契約書を、クラウド上で利用できるようにするサービスです。各種契約書クラウド上にアップロードするだけで、当事者同士が契約内容を確認できるのが特徴で、電子署名を施せば対面していなくても契約内容に同意できます。

電子契約サービスを利用すれば、印刷や押印、封入や郵送などの手間を省けるだけでなく、用紙代や印刷、郵送にかかる費用を削減することも可能です。保管スペースも必要なくなるので、オフィスをすっきりさせることもできます。また、電子契約書は印紙税法で課税文書に該当しないため、印紙税を納めることなく契約を締結できるのも魅力です。

契約書・文書管理サービス

電子契約サービスでは、契約の締結に関する部分を電子化できますが、データの保管は自分自身でおこなわなければなりません。

契約書・文書管理サービスを利用すれば、文書を保管できるだけでなく、修正記録やバージョン管理、期中業務管理やドラフト・レビュー時のデータ参照などの機能をつかえます。企業のニーズに沿った幅広い機能が利用できるため、契約書に関する業務をワンストップで実現できれば、より効率的にプロジェクトを進められるでしょう。

契約書のレビュー

契約書のレビューは、慎重におこなわなければ大きなトラブルにつながりかねない業務なので、法務担当者の負担を増やしやすい部分です。リテールテックを活用すれば、AIに契約書のレビューを任せることが可能。法律の専門家である弁護士の行動を学習したAIが、ひとつつひとつの条文を自動的にチェックしてくれるので、法務担当者の負担が大幅に軽減するでしょう。

また、文章内の抜けや漏れを的確に指摘してくれるだけでなく、修正例もあわせて提示してくれるので、効率的にレビュー作業を進められるのも良いところ。チェックすべきポイントを企業ごとに設定することもできるので、より企業に適した契約書を立ち上げられるでしょう。

登記や各種申請の支援

法人の登記や移転、商号変更などの場面でもさまざまな手続きが必要になるので、手間がかかってしまいがちです。リーガルテックを活用すれば、これらの手続きで必要になる書類を自動的に作成可能です。ガイドに従って必要事項を入力するだけでよいので、時間をかけずに書類を用意できます。

商標登録でこのようなサービスを活用すれば、インターネットを利用して手軽に商標を出願するとともに進捗もチェックできます。外国人のビザ取得に必要な書類を自動作成するツールも開発されているので、今後増えるであろう外国人労働者の受け入れもスムーズにできるでしょう。

弁護士の紹介サービス

弁護士にも専門分野や得意分野があるため、多種多様な依頼内容に適した弁護士を見つけるのは簡単ではありません。また、弁護士によって実績や考え方が異なることから、「依頼したけれども思ったような対応をしてもらえなかった」というケースもあるでしょう。

弁護士紹介サービスでは、地域や分野、相談したいトラブルの内容などの条件を設定することで、インターネット上で弁護士とマッチングしてもらえます。弁護士の特徴や料金を比較することもできるので、相談者に適した弁護士を見つけやすくなります。複数の弁護士に一括で見積もりを依頼したり、弁護士からの提案を参考にしたうえで依頼するかどうかを決めることもできるので、ミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

弁護士にとっても、弁護士紹介サービスを利用することで、自身が得意としている分野や実績をアピールし、見込みのある依頼者を効率的に見つけられるメリットがあります。

eディスカバリ

リーガルテックのサービスによっては、電子情報の開示手続き「eディスカバリ」に対応するものもあります。膨大になりがちな電子データをスムーズに収集・保全、特定・分析してくれるので、効率的に提出書類を作成できるのが魅力です。

また、パソコンやスマートフォン、ハードディスクやサーバーなど、幅広いデバイスや媒体に保管されている電子データの開示に対応しています。必要とするデータをさまざまな場所から手軽に集めることが可能です。

フォレンジック

訴訟や内部不正調査などを科学的な側面からアプローチするフォレンジックでは、電子情報の開示手続きと同様に、膨大な電子データを収集して分析する必要があります。しかし、フォレンジックにおいても、リーガルテックを活用することで効率的に情報収集・解析できるようになります。

幅広いデバイスや媒体に保管されているデータが対象なのはもちろんのこと、一度削除されたハードディスクを復元して情報を解析することもできるので、効果的に証拠を集めることが可能です。

集団訴訟のプラットフォーム

集団訴訟をおこなうためには、被害者を集めるとともに集団訴訟に精通した弁護士を探す手間が必要になります。

リーガルテックを活用すれば、インターネット上で被害者を集めると同時に、適切な弁護士とマッチングすることが可能です。遠方まで足を運んだりひとりひとりとこまめに連絡をとる手間を省けるので、プロジェクトを効率的に進められます。

労務や人事の管理

契約や訴訟の場面だけでなく、労務や人事においても法律にもとづいた管理をおこなわなければ大きな損害が生じる危険性があるため、業務は慎重に進めなければなりません。リーガルテックを活用すれば、労働基準法をはじめ、各種法律に則って従業員を効率的に管理できるようになります。

リーガルテックには、労働時間や残業管理、社会保険や労働保険の帳票作成、マイナンバーの管理などの手間のかかりやすい業務をクラウド上で手軽に管理できるツールもあります。これらをうまく活用すれば、労務リスクを抑えつつ効率的な人材管理ができるようになるでしょう。また、フォレンジック技術を用いて自社システム内に残ったデータを完全に削除できるものもあるため、より安全な情報管理を実現できると期待できます。

国内で普及しているリーガルテックサービスを紹介

リーガルテックが活用される場面をより具体的に理解するためには、実際に普及しているリーガルテックサービスを知っておくことが大切です。

以下では、国内で普及しているリーガルテックサービスを紹介します。

クラウドサイン

クラウドサインは、その名の通りクラウド上で契約書の締結をおこなうサービスです。契約書の準備から取引先への確認、契約書への押印などすべての手続きをクラウド上で完結させられるので、契約締結にかかる費用や手間を大幅に削減できます。

また、通信や保存ファイルが暗号化されているので、安全性の高い契約締結ができるのもメリットです。保存されたデータは毎日自動的にバックアップされるので、大切な契約情報を紛失から保護できます。電子契約書を利用している多くの企業が導入しているサービスでもあります。

弁護士ドットコム

弁護士ドットコムは、弁護士を無料で検索できるサービスや、依頼すべき弁護士を簡単に検索できるサービスなど、法的のトラブルを解決に結びつけるためのコンテンツが多数用意されています。都道府県ごとに依頼内容に応じた弁護士を検索できるので、スムーズに弁護士とマッチングできます。

また、悩みのジャンル別に、多くの人が弁護士に相談している内容を参照できるのも、弁護士ドットコムのメリットです。類似した悩みに対して弁護士がどのように回答しているのかを閲覧することもできるので、場合によっては弁護士に相談する前に悩みを解消できるかもしれません。

AI-CON(アイコン)

AI-CONは、AI(人工知能)とContract(契約書)を組み合わせてつくられた造語です。AIによって契約業務を自動化することにで、法的な知識がない人でも正確かつ費用を抑えて契約を締結できるサービスです。

AI-CONの大きな特徴は、契約書の内容を「法律条項」、「ビジネス条項」、「手続き条項」に分けて判定してくれること。条文ごとに有利になるのか不利になるのか、手続きが簡易か複雑かの判定をしてくれるので、企業にとって有利な契約書を手軽に作成できます。

ココナラ法律相談

ココナラ法律相談は、知識やスキル、経験などを個人間で売買する「ココナラ」から派生したサービスです。エリアや相談分野から弁護士を探せたり、無料で弁護士に法律相談ができます。

匿名で弁護士に相談もできるため、プライバシーを守りやすいのも魅力です。ほかのユーザーの相談内容や弁護士からのアドバイスを参考にすれば、弁護士に依頼する前に悩みを解消できるかもしれません。

Hubble(ハブル)

Hubbleは、契約書をはじめとして、さまざまな法務ドキュメント業務に対応したクラウド型のサービス。多くの企業が活用している「Microsoft Word」をそのまま利用して各種書類を作成できるので、システム移行によるストレスを抑えやすいのがメリットです。

また、契約締結までの交渉の過程を一元管理できるのもHubbleの魅力。契約締結後の情報管理も手軽におこなえるので、契約管理業務にかかる負担を大幅に軽減できるでしょう。

まとめ

ここでは、リーガルテックの概要や9つの種類、実際にさまざまな企業で導入されているリーガルテックサービス例を説明しました。

企業や個人によって解消したい課題はさまざまなので、リーガルテックを活用してどのように問題に対処していきたいのかを明確にしておくことが大切です。ここで説明した内容を参考にして、リーガルテックをうまく活用できるようにしておきましょう。

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