リーガルテックとは?注目される背景と実際のサービス例を紹介
2023/12/15
法的な問題をスムーズに解消するために普及が進んでいるリーガルテック。契約締結など法律に関わる業務にIT技術を活用して業務効率化を図るもので、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が進む現代において、需要も高まりつつあります。法的な規制があるなかで、多くの企業が導入しているとともに、個人でも利用できるリーガルテックも増えています。ここでは、リーガルテックの概要やサービス例を説明します。
Contents
- まずはリーガルテックについて知っておこう
- そもそもリーガルテックとは?
- リーガルテックが注目される背景
- 海外におけるリーガルテックの動向
- 日本におけるリーガルテックの動向
- 日本のリーガルテックの市場規模
- リーガルテックのカオスマップ
- リーガルテックの種類とは?
- 電子契約サービス
- 契約書・文書管理サービス
- 契約書のレビュー
- 登記や各種申請の支援
- 弁護士の紹介サービス
- eディスカバリ
- フォレンジック
- 集団訴訟のプラットフォーム
- 労務や人事の管理
- 国内で普及しているリーガルテックサービスを紹介
- クラウドサイン
- 弁護士ドットコム
- AI-CON(アイコン)
- ココナラ法律相談
- Hubble(ハブル)
- リーガルテックを導入した企業の成功事例
- 業務の属人化から脱却した事例
- 書類の作成・管理を効率化させた事例
- 契約書のレビュー品質を高めた事例
- リーガルテックを自社業務に活用してみよう
そこで今回は、リーガルテックの概要や種類、具体的なサービス例を詳しく説明します。
まずはリーガルテックについて知っておこう
以下では、リーガルテックの概要を詳しく説明します。
そもそもリーガルテックとは?
ITによって法律に関わるさまざまな部分の利便性が増すと期待されています。
リーガルテックが注目される背景
コロナウイルス感染症の流行を経て、企業のデジタル化と働き方の見直しの機運が一気にたかまりました。また、近年、日本では少子高齢化が深刻化しており、労働人口が年々減少していることが問題視されてきました。企業での長時間労働や休日出勤の慢性化が問題になっているところや、契約書の締結のために出社が必要でリモートワークが推進できないなどの課題を抱えられているところも多いようです。
限られた人員で生産性を高めるためには、事業運営の効率性をアップさせることが重要といえます。ITやAIなどの技術を活用して、人件費を削減しつつ業務効率化を目指す必要性が高まっていることが、リーガルテックが注目される大きな要因だといえます。
海外におけるリーガルテックの動向
主に、法務部門では対応しきれない専門性の高い問題の解消や、既存のリソースを効率的かつ戦略的に利用するためにリーガルテックを活用するケースが多く、必ずしもコストを削減するためにリーガルテックを利用しているわけではないのが特徴的です。
日本におけるリーガルテックの動向
ただし、リーガルテックが自由に導入できるようになることは、必ずしも望ましいとはいいきれません。不公正・不適正な法務サービスの提供につながりかねないためです。より良い司法制度を維持しつづけるためにも、利便性の面と公正なサービス提供の面のバランスを考えながらリーガルテックの導入を進めていく必要があると考えられます。
日本のリーガルテックの市場規模
また、2020年の段階で提供されているリーガルテックの種類として、電子署名や契約書の作成、契約締結や契約書類の管理、紛争解決などの目的を持ったものが多いのも特徴です。時代の変化や法律の改正などとともに、今後はより幅広い目的を持ったリーガルテックが普及していくと考えられます。
リーガルテックのカオスマップ
リーガルテックの種類とは?
電子契約サービス
契約書・文書管理サービス
契約書のレビュー
登記や各種申請の支援
弁護士の紹介サービス
eディスカバリ
フォレンジック
集団訴訟のプラットフォーム
労務や人事の管理
これらの種類ごとにリーガルテックの特徴を知っておけば、法律の分野でテクノロジーがどのように活用されているのかをイメージしやすくなるでしょう。以下では、リーガルテックの種類を詳しく説明します。
電子契約サービス
電子契約サービスを利用すれば、印刷や押印、封入や郵送などの手間を省けるだけでなく、用紙代や印刷、郵送にかかる費用を削減することも可能です。保管スペースも必要なくなるので、オフィスをすっきりさせることもできます。また、電子契約書は印紙税法で課税文書に該当しないため、印紙税を納めることなく契約を締結できるのも魅力です。
契約書・文書管理サービス
契約書・文書管理サービスを利用すれば、文書を保管できるだけでなく、修正記録やバージョン管理、期中業務管理やドラフト・レビュー時のデータ参照などの機能をつかえます。企業のニーズに沿った幅広い機能が利用できるため、契約書に関する業務をワンストップで実現できれば、より効率的にプロジェクトを進められるでしょう。
契約書のレビュー
また、文章内の抜けや漏れを的確に指摘してくれるだけでなく、修正例もあわせて提示してくれるので、効率的にレビュー作業を進められるのも良いところ。チェックすべきポイントを企業ごとに設定することもできるので、より企業に適した契約書を立ち上げられるでしょう。
登記や各種申請の支援
商標登録でこのようなサービスを活用すれば、インターネットを利用して手軽に商標を出願するとともに進捗もチェックできます。外国人のビザ取得に必要な書類を自動作成するツールも開発されているので、今後増えるであろう外国人労働者の受け入れもスムーズにできるでしょう。
弁護士の紹介サービス
弁護士紹介サービスでは、地域や分野、相談したいトラブルの内容などの条件を設定することで、インターネット上で弁護士とマッチングしてもらえます。弁護士の特徴や料金を比較することもできるので、相談者に適した弁護士を見つけやすくなります。複数の弁護士に一括で見積もりを依頼したり、弁護士からの提案を参考にしたうえで依頼するかどうかを決めることもできるので、ミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。
弁護士にとっても、弁護士紹介サービスを利用することで、自身が得意としている分野や実績をアピールし、見込みのある依頼者を効率的に見つけられるメリットがあります。
eディスカバリ
また、パソコンやスマートフォン、ハードディスクやサーバーなど、幅広いデバイスや媒体に保管されている電子データの開示に対応しています。必要とするデータをさまざまな場所から手軽に集めることが可能です。
フォレンジック
幅広いデバイスや媒体に保管されているデータが対象なのはもちろんのこと、一度削除されたハードディスクを復元して情報を解析することもできるので、効果的に証拠を集めることが可能です。
集団訴訟のプラットフォーム
リーガルテックを活用すれば、インターネット上で被害者を集めると同時に、適切な弁護士とマッチングすることが可能です。遠方まで足を運んだりひとりひとりとこまめに連絡をとる手間を省けるので、プロジェクトを効率的に進められます。
労務や人事の管理
リーガルテックには、労働時間や残業管理、社会保険や労働保険の帳票作成、マイナンバーの管理などの手間のかかりやすい業務をクラウド上で手軽に管理できるツールもあります。これらをうまく活用すれば、労務リスクを抑えつつ効率的な人材管理ができるようになるでしょう。また、フォレンジック技術を用いて自社システム内に残ったデータを完全に削除できるものもあるため、より安全な情報管理を実現できると期待できます。
国内で普及しているリーガルテックサービスを紹介
以下では、国内で普及しているリーガルテックサービスを紹介します。
クラウドサイン
また、通信や保存ファイルが暗号化されているので、安全性の高い契約締結ができるのもメリットです。保存されたデータは毎日自動的にバックアップされるので、大切な契約情報を紛失から保護できます。電子契約書を利用している多くの企業が導入しているサービスでもあります。
弁護士ドットコム
また、悩みのジャンル別に、多くの人が弁護士に相談している内容を参照できるのも、弁護士ドットコムのメリットです。類似した悩みに対して弁護士がどのように回答しているのかを閲覧することもできるので、場合によっては弁護士に相談する前に悩みを解消できるかもしれません。
AI-CON(アイコン)
AI-CONの大きな特徴は、契約書の内容を「法律条項」、「ビジネス条項」、「手続き条項」に分けて判定してくれること。条文ごとに有利になるのか不利になるのか、手続きが簡易か複雑かの判定をしてくれるので、企業にとって有利な契約書を手軽に作成できます。
ココナラ法律相談
匿名で弁護士に相談もできるため、プライバシーを守りやすいのも魅力です。ほかのユーザーの相談内容や弁護士からのアドバイスを参考にすれば、弁護士に依頼する前に悩みを解消できるかもしれません。
Hubble(ハブル)
また、契約締結までの交渉の過程を一元管理できるのもHubbleの魅力。契約締結後の情報管理も手軽におこなえるので、契約管理業務にかかる負担を大幅に軽減できるでしょう。
リーガルテックを導入した企業の成功事例
業務の属人化から脱却した事例
書類の作成・管理を効率化させた事例
契約書のレビュー品質を高めた事例
リーガルテックを自社業務に活用してみよう
企業や個人によって解消したい課題はさまざまなので、リーガルテックを活用してどのように問題に対処していきたいのかを明確にしておくことが大切です。ここで説明した内容を参考にして、リーガルテックをうまく活用できるようにしておきましょう。