テレワークのメリットデメリットとは?導入した企業の事例も紹介
2024/3/11
2020年の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言や働き方改革の台頭以降、テレワークの導入を検討する企業が増えています。
一見、コミュニケーションに影響がでそうなテレワーク。企業にとってどのような利点があるのでしょうか。デメリットも合わせてご紹介いたします。
Contents
- 企業にとってのテレワークのメリット6つ
- 企業のメリット1|採用の拡大や離職防止につながる
- 企業のメリット2|業務効率の改善が期待できる
- 企業のメリット3|固定費を削減できる
- 企業のメリット4|災害などの非常時にも事業継続ができる
- 企業のメリット5|顧客のアプローチ先を増やすことができる
- 企業のメリット6|企業のブランドイメージの向上に繋がる
- 社員にとってのテレワークのメリット4つ
- 社員のメリット1|通勤時間を削減できる
- 社員のメリット2|業務効率を向上させることができる
- 社員のメリット3|WLBの実現ができる
- 社員のメリット4|自己管理能力を強化できる
- 企業におけるテレワークのデメリット6つと課題を解消する方法
- デメリット1 l ICTを活用できる職種に限られる
- デメリット2 l 社員の勤務状況の把握が難しい
- デメリット3 l 社員のマネジメントや評価が困難になる
- デメリット4 l 社内情報の漏洩リスクがある
- デメリット5 l コミュニケーション機会が減少する
- デメリット6 l 人によっては自己管理が難しくなる
- テレワークのメリットを高めるツール3選
- テレワークおすすめツールその1 | Web会議・テレビ会議ツール
- テレワークおすすめツールその2 | 社内SNSツール
- テレワークおすすめツールその3 | 勤怠管理ツール
- テレワークを導入した企業の成功事例
- 生産性と福利厚生の改善に成功した事例
- 労働環境の改善に成功した事例
- テレワーク導入に成功した海外企業の事例
- テレワークのメリットを活かした職場づくりを考えよう
企業にとってのテレワークのメリット6つ
国土交通省の行った調査から令和1~2年のテレワーク増加数を調査してみました。
令和1年の雇用型従業員(男性)のテレワーク率は19.8%
令和2年の雇用型従業員(男性)のテレワーク率は29.3%と、9.5%増加
令和1年の雇用型従業員(男性)のテレワーク率は8.9%
令和2年の雇用型従業員(男性)のテレワーク率は15.5%と、6.0%増加の結果になりました。
市況を見ると、ますますテレワーカーが増加しているのがわかります。
ひとつめに、企業にとってのテレワークのメリットを6つ紹介します。
企業のメリット1|採用の拡大や離職防止につながる
Indeed Japanが行った求職者の意識調査によると、求職者の74.0%が仕事選びに際して勤務条件を重要視しているという結果が出ています。また、「柔軟な働き方」「テレワーク」の検索数が6年間で8倍に急増しているそうです。このように、求職者にとって「企業で働く際の働きやすさ」は、仕事を探す際に非常に重要であることが明らかになっています。
(出典元:https://press.indeed.com/jp/press/flexibleworkingstyle/)
そして、採用の拡大だけでなく、離職防止にもつながります。厚生労働省の調査によると、離職した女性の退職理由で一番多いのは「出産・育児のため」です。女性だけでなく、少子高齢化が進む日本では介護などの理由による男性の退職も増えています
。
テレワークを導入し、社員一人ひとりが働く場所を自由に決定することができるようになると、育児・介護が理由で退職せざるを得なかった社員の離職を防ぐことができます。
企業のメリット2|業務効率の改善が期待できる
これまで書類でやり取りをしていたことで、印刷や書類整理などに時間がかかり、作業が滞ることがありました。ペーパーレス化によって、これまでよりもスムーズに仕事を進められるようになるほか、書類などの保管場所や紙代の削減などにより、コスト削減にもつながります。
企業のメリット3|固定費を削減できる
先ほどの保管場所の削減とも関連していますが、テレワークを導入すると、今までよりもオフィスの床面積を削減することが可能です。
このように、テレワークを導入すると賃料の削減ができるのです。また、オフィスの賃料だけではなく電気代や通信費、社員の通勤交通費なども削減するといった効果も期待できます。
企業のメリット4|災害などの非常時にも事業継続ができる
テレワークを導入すると、交通網麻痺や計画停電などが発生したときでも、自宅やカフェから業務に従事することが可能となります。そのため、テレワークを導入していない企業に比べて非常時でも事業継続と早期復旧を期待することができます。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、より一層BCP対策の重要性が高まっています。BCP対策の一環としてテレワークを導入する企業も増えているのです。
企業のメリット5|顧客のアプローチ先を増やすことができる
顧客との接触機会を増やすことができる理由の一つが「移動時間の削減」です。
HubSpot Japan株式会社が2019年に実施した「日本の営業に関する意識・実態調査」によると、営業に関する業務の中で無駄だと感じるものとして「日々の商談の移動時間」を挙げた営業担当が24%いることが分かりました。
(出典元:https://www.hubspot.jp/hubfs/PressRelease_HubSpot_20210208.pdf)
1日に20日稼働する営業担当が、1日1時間の移動時間を商談の時間に充てることができれば、1か月で20時間もの時間を確保することができます。その20時間を顧客との商談時間に充てることができれば、顧客先を増やすことにつながります。
また、テレワークを用いて営業活動を行うことにより、特定の地域にしか営業所を持たない企業でも、全国・海外への営業活動が可能になります。このように、テレワークを有効的に取り入れることができれば、利益拡大につなげることができます。
企業のメリット6|企業のブランドイメージの向上に繋がる
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の動きにより、一時期はテレワークの導入を進める企業が増えました。しかし、国内でテレワークを継続的に導入した企業はまだまだ多くはありません。
信用調査会社の東京商工リサーチが全企業14,356社に行った「コロナ禍が企業活動に与える影響などまとめた調査」によると、約4分の1の企業が「テレワークの実施を現在は取りやめた」と回答したそうです。
一方で、テレワークの導入を求める社員は増加しており、テレワークを継続的に導入していると「先進的な取り組みをしている企業・社員を大切にしている企業」としてブランドイメージの向上に繋がることが考えられます。
社員にとってのテレワークのメリット4つ
次に、社員にとってのテレワークのメリットを4つ紹介します。
社員のメリット1|通勤時間を削減できる
1日の通勤時間は人によって様々ですが、都内で働く人の中には毎日満員電車に乗り、往復で2時間以上かけて通勤している人も少なくありません。毎日の通勤時間を削減することができれば、満員電車のストレスから開放されるだけでなく、通勤時間に充てていた時間を、家事や業務、自己啓発など別の時間に充てることが可能になります。
実際に、テレワーク導入のメリットとして「通勤時間」の削減を挙げる社員は多くいます。通勤時間を削減できることだけではなく、満員電車に乗るストレスから開放されることは大きなメリットと言えるでしょう。
社員のメリット2|業務効率を向上させることができる
また、テレワークを導入すれば、ミーティングはオンラインで行われ、それぞれの拠点で業務に従事することにより、雑談が減ったり、ミーティングの目的が明確化されやすく、必要最低限のコミュニケーション留まり、長い時間行っていたミーティングもコンパクトに抑えられたりする傾向にあるようです。
社員のメリット3|WLBの実現ができる
テレワークが導入され、通勤時間をはじめとした業務時間を削減できることや、働く場所を自ら選び、業務に従事することができるため、その分、今まで以上に家族との時間を取ることができたり、スキルアップのための資格取得の勉強に時間を費やしたりすることができるようになります。また、家族と過ごす時間や趣味の時間が増えると、心身ともに健康な状態を維持することにもつながると言われています。
社員のメリット4|自己管理能力を強化できる
そのため、人によっては怠けてしまったり、逆に働きすぎてしまったりという問題も出てくるでしょう。しかし、会社の評価制度さえテレワークに適した評価制度にしていれば、社員はタスクや時間管理などを自身でコントロールしたうえで成果を上げることが求められることになります。その結果、社員自身の自己管理能力の強化につながります。テレワークを導入することによって、企業だけでなく、社員にとっても以上のようなメリットが考えられます。
企業におけるテレワークのデメリット6つと課題を解消する方法
デメリット1 l ICTを活用できる職種に限られる
システムエンジニアやプログラマー、事務職などであれば比較的在宅になっても業務に従事することが可能ですが、生産現場などで業務に従事する社員や接客業の社員、警察官や消防士などの公務員にはテレワークを導入することができません。
このように企業でテレワークを導入する際、テレワークの導入ができるのはチャットツールや管理ツールなどICTを活用できる職種のみであるため、従業員格差が生じることが考えられます。このような格差に対し、企業としてフォローをする必要が生まれてくるかもしれません。
デメリット2 l 社員の勤務状況の把握が難しい
テレワークは場所を選ばず業務に従事することができる一方、目の届かない場所で業務に従事することになるので、上司や同僚にとっては勤務状況の把握がしにくくなるという課題があります。
また、先ほど、テレワークを導入すると社員が自己管理能力を強化できるとお伝えしましたが、自己管理ができない社員にとっては、ワークライフバランスを実現できるテレワークがかえって長時間労働を助長することにもなってしまいます。
実際に日本労働組合総連合会の調査によると、テレワークをした人の半数超にあたる51・5%が通常勤務よりも長時間労働になったと答えていることが分かりました。
このような課題の対策として、企業は適正な労務管理ツールの導入をする必要があると思われます。
デメリット3 l 社員のマネジメントや評価が困難になる
デメリット4 l 社内情報の漏洩リスクがある
テレワークを導入すると、オフィス以外の、カフェやコワーキングスペース、サテライトオフィスなどでの業務が可能になります。
自宅であれば基本的には問題になるケースは少ないですが、オフィス以外の場所で仕事をすることにより、モバイル機器の置き忘れや覗き見、ウイルス攻撃などによる社内情報漏洩のリスクが生まれます。
また、オフィス外での仕事が当たり前になることで、紙の資料などを持ち出すなど、今まで以上に個人が容易にアクセス出来るサーバーに情報を置いていることが考えられます。
このようなリスクにはGPS機能を使用するなど、今まで以上にしっかりとしたセキュリティソフトを会社として活用することが望ましいでしょう。
デメリット5 l コミュニケーション機会が減少する
人が直接対面してお互いに顔を見ながら会話をしているときは、相手がしゃべった内容だけでなく、相手の仕草や表情、声色などからも情報を読み取っています。
しかし、テレワークの導入により基本的に文字でのやり取りとなってしまうため、対面でのコミュニケーションと比べて、相手から得られる情報が少なくなってしまいます。社員間での信頼関係が築きにくくなったり、マネジメントや社員育成が複雑化したりという問題も起きています。
タイムリーにやりとりが行えるチャットツールの導入や、顔を見て打ち合わせができるWEB会議ツールの導入、定期的なミーティングの場を設定するなどの対策が求められます。
デメリット6 l 人によっては自己管理が難しくなる
テレワークのメリットを高めるツール3選
テレワークおすすめツールその1 | Web会議・テレビ会議ツール
テレワークおすすめツールその2 | 社内SNSツール
テレワークおすすめツールその3 | 勤怠管理ツール
テレワークを導入した企業の成功事例
生産性と福利厚生の改善に成功した事例
大同生命保険もICTを活用することで、長時間労働が防止できているそうです。在宅勤務用PCやタブレットには自動シャットダウン機能が搭載されており、もし稼働を延長したいときには上司の承認が必要な仕組みになっています。その結果、残業時間が約24%減少したという報告があります。
日本マイクロソフト株式会社は、就業規則にテレワーク勤務制度を導入し、全社員・全業務を対象にいつでもテレワークが選択できる環境を整えています。また、オフィス以外で働くことが当たり前になったことで、社員の満足度が向上したと言います。
労働環境の改善に成功した事例
テレワーク導入に成功した海外企業の事例
テレワークのメリットを活かした職場づくりを考えよう
テレワークを導入すると、固定費を削減できたり企業のブランドイメージの向上につながったりするなど、企業にとっても従業員にとっても社会にとっても様々なメリットがあります。ぜひ、テレワークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。