LINE@が終了し、新たにLINE公式アカウントに移行することになりました。すでに2019/04/18(金)から、LINE公式アカウントを開設することができるようになっています。
いずれ移行しなければいけないけれど、使い勝手がわからずにまだLINE@を使っているという方も多いかもしれません。そこで早速、LINE公式アカウントの管理画面を使用してみました。LINE@とどこが大きく変わったのかについて検証しています。
LINE公式アカウントの作り方
LINEの公式アカウントを使って、プロモーションしたい企業も多いでしょう。ユーザーとつながり、よりサービスや製品の魅力をダイレクトにPRすることができます。そんなLINE公式アカウントの作り方を解説します。
アカウント開設の手順
LINEの公式アカウントを解説したい人は、まずLINE for Businessのサイトにアクセスし、LINE公式アカウントの開設をいうメニューを選択します。続いて表示される画面で、個人のLINEアカウントか、メールアドレスを登録します。登録が完了すると、「LINE Official Account Manager」という管理画面にログインできるようになります。ログインしたら、管理画面からアカウントの基本情報を登録します。
ログイン方法
LINE for Businessのサイトから個人のLINEアカウントか、メールアドレスを登録すると、「LINE Official Account Manager」という管理画面にログインできるようになります。
プロフィール編集
LINE公式アカウントが開設できたら、企業や店舗に関する基本情報を登録できるようになります。プロフィール画像やステータスメッセージなど、どんなアカウントなのかユーザーに伝わるよう、詳細に設定していきましょう。
LINE公式アカウントの機能と使い方
LINE公式アカウントを作ったら、さっそく使ってみましょう。LINE公式アカウントの機能と使い方を解説します。
初回(挨拶)メッセージ機能の使い方
初回メッセージは、ユーザーがLINE公式アカウントに友だち追加すると、最初に送られてくるメッセージのことです。この文言はあらかじめ設定することができ、アカウントの印象を左右するため、非常に重要です。継続して読んでもらえるよう、挨拶文を工夫しましょう。
メッセージ(一斉送信)機能の使い方
LINE公式アカウントには、メッセージ機能があります。LINE公式アカウントで友だちになっているユーザーも対して、直接メッセージを送ることができる機能です。メッセージを新規作成するときは、メッセージ配信メニューからメッセージ作成をクリック。遷移したページから設定します。
テキスト・スタンプ・写真
メッセージ機能で、テキストだけではなく、スタンプや写真を送信する方法をご紹介します。まずLINEの公式アカウントにログインし、メッセージ配信というメニューを選択します。その後、メッセージのタイプを選択し、「+追加」からメッセージの種類を選択することで、テキストやスタンプ、写真などを送信することができます。
クーポン
LINE公式アカウントの「クーポン」は、アカウントを友だち追加してくれたユーザーに、自分たちの商品やサービスを告知する機能です。トーク画面やLINE VOOMで配信することができます。クーポンを受け取ったユーザーは、画面を提示することで、クーポンに記載された割引やプレゼントなどの特典を受け取ることができます。
リッチメッセージ
リッチメッセージとは、画像やテキストを1つにまとめて、視覚的な訴求をする機能です。通常のメッセージ配信よりも効果的なコミュニケーションを図ることが可能です。
リッチビデオメッセージ
リッチビデオメッセージは、自動再生される動画を配信する機能です。縦や横、正方形など、さまざまな動画に対応しており、リッチな動画表現が可能です。
カードタイプメッセージ
カードタイプメッセージとは、カルーセル形式と呼ばれる複数の画像を並べて、左右にスワイプさせて表示するメッセージです。
チャット(1:1トーク)の使い方
チャット(1:1トーク)は、ユーザーと1対1でコミュニケーションできる機能です。電話に出られないときでも、ユーザーからの連絡を受けられます。また、少人数で無理なく顧客対応ができるほか、好きなタイミングで連絡することができます。また、LINEチャットは外出中でも、スマホさえあれば手の空いている時間にユーザーからのメッセージを確認し、返信することができます。
自動応答(キーワード応答)機能の使い方
自動応答(キーワード応答)機能は、ユーザーからトークで話しかけられると、自動で送信されるメッセージを登録できるというものです。特定のキーワードを設定し、メッセージを返信する「キーワード応答機能」も設定することができます。ホーム画面の設定メニューにある「応答モード」でBotを選択すると、利用できるようになります。
リッチメニューの使い方
LINE公式アカウントの「リッチメニュー」は、トーク画面の下部に表示されるメニューで、ユーザーの興味を引くような画像・動画とリンクを設定することで、クーポンサイトやECサイトに誘導ができるというメニューです。同様の機能に「リッチメッセージ」がありますが、リッチメッセージが送信時にポップアップなどで通知されるのに対して、リッチメニューではトーク画面内に常設され、更新してもユーザーには通知されないという違いがあります。
リッチメニューを作成したい場合は、LINE Official Account Managerから、「リッチメニュー」を選び、「新規作成」をクリックします。新規作成画面が表示されるので、タイトルや表示期間、メニューバーのテキスト、メニューのデフォルト表示など、基本設定を行います。
その後、コンテンツ設定から、掲載する内容を設定していきます。テンプレートから表示したいレイアウトを選び、背景画面をアップロードします。画像をタップしたときのアクションを設定することも可能です。最後に加増を作成すると完了です。
タイムライン(LINE VOOM)投稿の使い方
LINEのバージョン11.20.0以降に「タイムライン」という機能から変更になったサービスが「LINE VOOM」です。投稿した内容が、フォロワーの「フォロー中」というタブに表示されるという機能です。プロフィールから投稿する場合は、ホームタブから自分のアイコンをクリックします。下部に表示される「LINE VOOM投稿」を選択します。そこから投稿内容を作成しますが、カメラを立ち上げて撮影したり、撮影済みの画像を選択して、写真や画像を作成することができます。
また、LINE VOOMからも投稿でき、その場合は、VOOMのフォロー中から右下部に表示される「+」を選択します。投稿ボタンから投稿内容を制作でき、カメラや、友達と一緒に共通の話題を投稿する「リレー」などが選択できます。その後、投稿を選んだら、公開範囲の設定も行います。基本設定は全体公開ですが、公開リストを作成し、投稿を閲覧できるフォロワーを限定することもできます。
ショップカードの使い方
「ショップカード」は、店舗への来店や商品を購入するともらえるポイントをLINE上で発行できる機能です。紙に印刷されたクーポンでは取り出すのが面倒で紛失することもあります。ショップカードならスマホのLINEアプリ経由でポイントを付与できるため、便利です。ポイントカードを作成して、スタンプを押していく形式でポイントサービスを実施しているショップもありますが、印刷のコストもかかります。ショップカードなら、コストを削減し、さらにキャンペーンと連動させたり、利用状況を管理画面から分析することも可能です。
クーポン・抽選機能の使い方
LINE公式アカウントでは「クーポン」機能が利用できます。フォロワーに対して、クーポンを配布できる機能で、集客や販促ツールとして活用できます。友だち追加されたときに配布したり、ブロックされないよう定期的に配布したり、あるいは新商品リリースタイミングやイベント実施時に配布すると効果的です。
クーポンは、管理画面のサイドメニューにある「クーポン」から設定ができます。作成を選択すると、クーポン名や有効期間、表示したい画像を設定することができます。また抽選という項目もあり、これを使うと、「あたり」が出た人だけにクーポンが送信される仕掛けにすることもできます。クーポンにゲーム的要素が加わり、クリックされやすくなる可能性が高まります。なお当選確率も1〜99%まで自由に設定でき、当選者数の上限も決めることができます。
リサーチ機能の使い方
「リサーチ」は、投票やアンケートを実施し、ユーザーの意見や好みを集計することができるページが制作・配信できる機能です。質問の形式にはデフォルトで設定されている任意の項目について質問できる「質問設定」と、自由に設問を設定できる「自由形式」があります。サービスの満足度をアンケート形式で質問したり、人気メニューの投票を行ったりと、サービス向上やプロモーションとして活用できます。
分析機能の使い方
分析は、友だち追加数やブロック数といった運用しているLINE公式アカウントのデータを確認することができる機能です。分析機能内の「友だち」からは、友だちの追加数のほか、属性情報やユーザーが友だち追加やブロックした経路を確認することができます。そのほか、メッセージ配信に関する統計、チャットで使用したメッセージ数など、さまざまな分析を行うことが可能です。どのような投稿をすれば、効果的なのか、数値を見ながら、マーケティング戦略を練ることができるようになる機能です。
LINE公式アカウントの費用
LINE公式アカウントには3つの料金プランがあります。月額無料のフリープランでは、無料メッセージが1000通までという制限があり、追加でメッセージを使用することができません。二つ目がライトプランでこちらは月額5000円で利用できます。無料メッセージ通数は15000通で、追加メッセージは5円で利用できます。そして、3つ目がスタンダードプランで、月額利用料は15000円で、45000通まで無料で利用できます。追加メッセージの料金は従量制になっており、配信するメッセージが増えるほど、配信単価が下がっていく仕組みになっています。
またLINE公式アカウントが開設されると、英数字でランダムに羅列された「ベーシックID」が付与されます。このIDを入力すると、LINE内でアカウントを検索できますが、月額100円で希望の文字列のIDを取得できるプレミアムIDというサービスもあります。
友だち登録を増やす7つの方法
LINE公式アカウントを取得したら、友だち登録者を増やすことで、より集客・プロモーションの効果が高まります。どのように友だち登録を増やせば良いのか、代表的な施策をご紹介します。
店頭POPやチラシを作る
LINEの公式アカウントを開設したことを、周知することが友だち登録増への第一歩です。来店してくれたお客様の目に触れるよう、店頭にPOPを設置したり、チラシを作成し、配布するという方法があります。POPやチラシを自作してしまえば、費用もあまりかかりません。
レシートや商品パッケージにQRコードを印刷する
レシートや商品のパッケージに、LINEの公式アカウントのQRコードを印刷すると、より目に触れる機会が増やせます。店舗の外でも友だち登録ができるようになるため、登録しやすくなります。
SNSを利用する
TwitterやFacebook、InstagramといったSNSを運用しているショップや企業も多いでしょう。こうしたSNSはファンを増やす施策として有効です。SNSにLINE公式アカウントがあることを定期的に告知することで、友だち登録が増える可能性があります。
ウェブサイトやメルマガを利用する
ウェブサイトを閲覧した人に、LINE公式アカウントがあることを周知するため、ウェブサイトの見やすい位置にLINE公式アカウントを表示しておくことも効果的です。もしメルマガなど会員に定期的に告知ができるツールを使っていれば、そこでLINE公式アカウントの存在をアピールしても良いでしょう。
友だち登録キャンペーンを企画する
友だち登録することでプレゼントやクーポンがもらえるようなキャンペーンを企画することで、友だち登録をする機会を増やすことも大切です。
友だち登録後にクーポンを配信する
LINEの友だちに登録しても、興味が薄れてしまうと、ブロックされてしまうこともあります。それではせっかくのプロモーションの機会を失ってしまいます。そのため、ブロックされないよう長期的にメッセージ配信をすることが大切です。そこで、友だち登録された直後にクーポンを配信し、来店を促したり、商品の購入につなげる施策を行うことも重要になります。
友だち追加広告(CPF)を利用する
「友だち追加広告」は、LINE広告の広告配信機能のひとつ「LINE広告(友だち追加)」を管理画面から簡単に配信できるサービスです。店頭やSNSでの告知と異なり、これまでLINE公式アカウントの存在を知らなかった層にもアナウンスできる可能性もあります。ただ、広告の出稿料が発生します。
LINE公式アカウントの活用事例
LINE公式アカウントを活用し、さまざまなプロモーションや集客の施策を行なっている企業の事例をいくつかご紹介します。参考にしてみてはいかがでしょうか?
飲食/吉野家
吉野家ではLINEの公式アカウントと「友だち」になることで、期間限定で新商品の情報が知れたり、お得なクーポンを受け取ることが可能です。またLINEからテイクアウトの注文ができるサービスも実装しています。期間限定でLINEから予約すると、テイクアウトの料金が割引されるキャンペーンも実施しています。
アパレル/ユニクロ
ユニクロのLINE公式アカウントでは、オンラインストアに接続し、会員のバーコードを表示することができます。このバーコードをユニクロの店舗で提示すると、過去の購入履歴をチェックしたり、抽選に参加してクーポンをゲットできる施策を行なっています。また新製品の情報やセール情報も定期的に更新されるため、他の広告よりも「友だち」追加されると、より目に触れる機会が増えます。
教育/生涯学習のユーキャン
ユーキャンでは通信講座のマーケティングに活用しています。LINE公式アカウントのメッセージ機能のセグメント配信、カードタイプメッセージのほか、リターゲティング配信などを活用することで、ユーザーに合わせたメッセージ配信を行なっています。その結果、顧客を獲得するための単価が大きく抑制できるようになったと言います。
宅配/ヤマト運輸
ヤマト運輸では、LINEを導入することで、配達前に配達の連絡が届くように設定しています。そのため、受け取り人が、不在を避けて、配信希望日時を変更できるようになっています。また自宅にいなくても不在通知を受け取れるため、再配達の手続きが改善し、顧客満足度も向上しているといいます。さらに、再配達の手続きが便利になることで、従来までかかっていた再配達受付に関するコストが削減されています。
LINE@とLINE公式アカウントの違いは?
LINE公式アカウントは基本的に大きな操作の違いなどはなく、LINE@からの移行もスムーズに行うことができ、すぐに運用することができるでしょう。もちろん便利な新しい機能や改変された点などもあります。
LINE@にはない新しい機能について説明していきます。
チャットでタグ付けが可能に
LINE@でも以前からチャットができていました。1対1のトークも活用していたことでしょう。LINE公式アカウントでももちろんチャット機能は引き継がれて、今まで通り使用することができます。
大きく変わった点は、タグをつけられるようになったことです。ユーザーひとりひとりに任意のタグをつけて、タグをつけたユーザーのチャットだけを表示することができます。
たとえば、顧客や新規の人との区分けをしたり、未返信のものや対応が必要な人などタグをつけておくことで、やらなければいけないことや、顧客からの連絡と問い合わせを分けるなど、チャットルームをわかりやすく整理することができます。
しかし、タグはつけられますが、セグメントはできないので注意しましょう。
BOTモードの切り替えができる
Messaging APIは、外部ツールとLINE公式アカウントをひも付けする設定や、情報の確認を行うことができます。このmessaging APIを利用することで、BOTモードの切り替えがいつでも楽に行えるようになりました。
設定のMessaging APIのところから、応答モードでBOTかチャットを選びましょう。選択するだけですぐに切り替えることができます。今までのLINE@では、一度Messaging APIをオンにすると、そのまま使うしかありませんでした。LINE公式アカウントでは、いつでもbotをオン・オフ簡単に切り替えできるようになっています。
ただ、BOTをオンにしている間は、チャットの機能が使えなくなるので気をつけましょう。
従量課金メッセージを把握できる
従量課金メッセージの詳細がわかるようになりました。設定のところから利用と請求を開くと、ダッシュボード、月額プラン、プレミアムID、お支払い履歴、お支払い方法といった項目があり、従量配信の利用や金額などの詳細を確認できるようになっています。その他にも配信メッセージの数を把握したり、配信条件の設定変更をしたりすることもできます。
LINE@から移行する方法
LINE公式アカウントは、LINE@(ラインアット)という以前からあるサービスから統合された新しいサービスです。2019年4月から移行の案内がはじまり、2020年1月14日にLINE@(ラインアット)のサービスは終了しました。その後、継続してLINE@を利用していたユーザーも、強制的にLINE公式アカウントに切り替わっています。LINE@で使っていた機能の大半は、そのまま利用できるため運用に支障が出ることはありません。
LINE公式アカウントを使いこなして集客を成功させよう
LINE公式アカウントは従来のLINE@の使いやすさはそのままで、さらにマーケティングに活用できるようなチャットの分類やタグ付けなど、便利な機能が追加されています。さまざまな機能を使いこなして、集客やプロモーションに活用してみましょう。