Web3.0(Web3)とは?基礎知識や注目されている理由をわかりやすく解説
2022/9/6
近い将来、Web3.0(Web3)の時代が到来すると言われています。ブームに先駆けて、Web3.0(Web3)への理解を深めてみてはいかがでしょうか。この記事では、Web3.0(Web3)の基礎知識や注目されている理由を初心者向けにわかりやすく解説します。
Contents
- web3.0(web3)とは?
- 英国人のギャビン・ウッド氏が提唱
- web3.0(web3)までのインターネットの歴史
- 1990年代(Web1.0)
- 2000年代~2021年(Web2.0)
- web3.0(web3)に必須なブロックチェーン技術
- web3.0(web3)の特徴
- 1.仲介組織を介さず通信できる
- 2. セキュリティが向上する
- 3. 真のグローバル市場が確立される
- web3.0(web3)領域のトレンド技術
- DeFi
- メタバース
- NFT
- SocialToken
- Web3.0(Web3)の現状の課題
- トラブルは自己責任で処理する
- 一般社会の普及に時間を要する
- web3.0(web3)の今後の動向に注目
web3.0(web3)は、もはや当たり前になったと言えるインターネット環境に変革をもたらす可能性があります。この記事では、web3.0(web3)の基礎知識や注目されている理由をわかりやすく解説します。
これまでのインターネットの歴史もあわせて解説するので、この記事を読めばweb3.0(web3)の理解を深められるでしょう。ぜひ参考にしてください。
web3.0(web3)とは?
「分散型インターネットの時代」の皮切りとなり、今や大きな注目を集めています。
何か情報を調べたり発信する、動画コンテンツを視聴したり配信する場合、GoogleやInstagram、YouTubeなどのプラットフォームを利用するのが一般的です。
このようにプラットフォームの管理者が中心に存在している中央集権型のサービスでは、管理者が定めたルールに反してしまうとアカウントが凍結されたり、サービスを利用できなくなる可能性もあります。
一方、web3.0(web3)は「分散型インターネット」とも呼ばれています。
管理者が存在しなくても、ブロックチェーン技術を活用してユーザー同士でデータを管理したり、個人間でのコンテンツの提供、デジタルデータの販売、送金などが可能です。
英国人のギャビン・ウッド氏が提唱
ギャビン・ウッド氏は、分散型インターネットインフラストラクチャとテクノロジーにフォーカスした「Web3Foundation」と呼ばれる非営利組織を立ち上げました。
組織では、ブロックチェーンテクノロジーに特化したPolkadotネットワークの開発がおこなわれています。
web3.0(web3)までのインターネットの歴史
1990年代(Web1.0)
日本でインターネットが普及し始めたのが1990年代です。プロバイダがインターネット接続サービスを開始したのが1992年になります。
その後、1990年代後半にかけてインターネットの普及率が急激にアップしました。この頃のインターネット環境を支えたのが「Web1.0」です。
この頃は、情報発信者はごく一部の人だけで、個人が自由に発信したりすることはありませんでした。
一般ユーザーは情報を受信することがメインで、Webサイトもテキスト中心のサイトが主流でした。
2000年代~2021年(Web2.0)
日本初のネット銀行が登場したのも2000年に入ってからです。
また、SNSの普及により、インターネットは「見る」だけでなく「発信する」「交流する」といったことが可能になりました。
この頃から、GoogleやAmazonなどの「プラットフォーマー」と呼ばれる企業がインターネット環境に大きな影響を与えるようになったため、Web2.0の時代は「プラットフォーム経済」とも言われています。
たとえば、こうした特定企業に個人情報が集中してしまうことで、その企業がサーバー攻撃を受けた際に一気に個人情報が流出してしまう恐れがあります。
他にも、YouTubeでたくさんの登録者がいるクリエイターの場合、YouTubeの規約に反してしまうとアカウントが凍結されたり、サービスが終了してしまうと、今までの登録者を一気に失ってしまう危険性もあるのです。
web3.0(web3)に必須なブロックチェーン技術
ブロックチェーン技術を用いることで複数人でデータを分散して管理できるため、情報を改ざんされる心配がありません。
また、個人間での取引が可能なため、特定の企業に個人情報が集中するのを避けられます。
ブロックチェーンの技術は暗号資産やNFTなどの取引や管理だけでなく、医師の診療記録や薬剤師による服薬指導実績をブロックチェーン管理するといった取り組みも実施されています。
web3.0(web3)の特徴
1.仲介組織を介さず通信できる
これはP2Pと呼ばれるシステムを利用することで、特定のサーバーを経由しなくても、ネットワークに繋がった端末同士で自由にデータ通信が可能です。
2. セキュリティが向上する
Web2.0では管理者がデータを一元管理しているのが一般的です。そのため、サイバー攻撃の標的になると管理しているデータが一斉に流失してしまう恐れがあります。
また、通常はサービスを利用する際に個人情報を登録したり、IDとパスワードの入力を求められたりしますが、web3.0(web3)のサービスを利用する場合、このような個人情報の登録が必要なくなります。
3. 真のグローバル市場が確立される
たとえばAmazonの場合、公式サイトのURLは国ごとに異なります。
一方、web3.0(web3)では、世界中のどこに居ても同じURLでサービスが利用可能です。
また、「DApps」と呼ばれる世界中の誰もがアクセス可能な分散型アプリケーションがweb3.0(web3)で注目されています。
DAppsではオークション向けのプラットフォームやゲームなどさまざまなアプリケーションが開発されています。
さらに、DAppsの特性を活かした仮想通貨のアプリケーションも登場しており、国境を越えてグローバルな取引も可能です。
web3.0(web3)領域のトレンド技術
web3.0(web3)領域のおもなトレンド技術は、次の通りです。
●DeFi
●メタバース
●NFT
●SocialToken
それでは、各項目を詳しく解説します。
DeFi
大きな特徴として、銀行や証券会社、仮想通貨取引所などの中央管理者が存在しなくても、金融資産の取引が可能です。
たとえば、国内の仮想通貨取引所を利用すると「入出金に時間がかかる」「手数料が比較的高い」などのデメリットがあります。
これは、国内の仮想通貨取引所が中央集権的な仕組みになっているからです。
しかし、DeFiはブロックチェーンの技術を用いて取引記録をユーザー同士が管理するため、中央管理者を介す必要がありません。
そのため、入出金にかかる時間が短く、手数料も安くなります。
また、海外の金融商品に投資する場合、日本の金融機関で口座を開設し、さらに日本円を投資先の国の通貨に交換する必要があります。
DeFiでは、自身の通貨を管理する「ウォレット」をスマホ1台で開設でき、すぐに海外の金融商品に投資することが可能です。
DeFiとは|概要やメリット・銀行との違いをわかりやすく解説
メタバース
メタバースの定義を一言で表すのは難しいですが、VRゴーグルをかけて、バーチャル空間でコミュニケーションをしたり、ゲームをしたりしているところをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
2021年10月Facebook社がMetaへ社名を変更し、メタバース事業に積極的に投資していくとマーク・ザッカーバーグが発表したことで、メタバースという言葉を広く知るきっかけとなりました。
バーチャル空間というとゲームのイメージが強いかもしれませんが、バーチャル空間上の美術館でデジタルアート作品を展示したり、アーティストがライブをしたり、アパレルブランドがショップを展開していたりなど、経済圏としても急速に成長しています。
今後、VRゴーグルが軽量化されたり、通信技術が高速化されたりなど、現状の課題がクリアになることで、メタバース上で1日のほとんどを過ごし、そこで生計を立てている人も出てくると言われています。
メタバースとは? 特徴や注目のサービスについても分かりやすく解説
NFT
これまでは、デジタルデータ作品は複製、改ざんが簡単にできていました。しかし、ブロックチェーンの技術を活用することで、デジタルデータであっても複製ではない本物であることが証明できます。
実際の商品にもシリアルナンバーを記載することで、世界に100個しかないうちの1個であることを証明することができますが、それのデジタル版だとイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
また、ブロックチェーン上では過去の取引データの記録がすべて残ります。そのため、過去に有名人が所有していたことがわかり、価値が上がるなんてこともあります。
また、毎回の取引で発生した利益の数%を制作者に還元するというルールを設定することも可能です。
これにより、作品の価値が上がることで、制作者にも利益が還元される仕組みを作ることができるのです。
NFTとはなにか?基礎知識や注目されている理由をわかりやすく紹介
SocialToken
トークンを所有することで、そのコミュニティの限定イベントに参加できたり、イベント企画に参加できたりするなどの特典を得ることができます。
国内の事例として、Jリーグの湘南ベルマーレでは、国内のプロスポーツチームとしてファン向けのSocialTokenを初導入しました。湘南ベルマーレのSocialTokenを購入すると、次のような権利を保有できます。
●サポーター投票企画の参加権
●限定イベントの抽選応募の権利
●オリジナルグッズの抽選応募の権利
また、プロバスケットボールチームの仙台89ERSは、限定イベントやオリジナルグッズへの抽選応募の権利以外に、トークン発行型ファンディングも導入しました。
トークン発行型ファンディングで集まった費用は、子供向けに行われるプロ仕様体験試合やチームの運営資金に充てられています。
Web3.0(Web3)の現状の課題
また、万が一、データ流出などのトラブルが発生しても個人で対処しなければなりません。セキュリティの高いデータ管理の方法やトラブル時の一定の対応方法を把握していないと、使いこなすのは難しいと言えます。
web3.0(web3)は、まだ法整備が進んでおらず、これからルールなどが設けられていくことになります。
ルールが設けられることで安全に利用できる反面、規制によって、Web3.0本来の恩恵を受けづらくなってしまう可能性も考えられるでしょう。
トラブルは自己責任で処理する
現在主流となっているWeb2.0のインターネットは、誰でも気軽に利用できる点が魅力です。ショッピングやサービスを利用する際はIDとパスワードを入力しますが、忘れてしまっても運営側に問い合わせれば再登録や再発行で対処できます。
web3.0(web3)はIDやパスワードが不要になりますが、データを個人で管理する必要があります。決済情報を第三者に盗まれて被害を受けても、救済を求めるところがありません。
一般社会の普及に時間を要する
アメリカのベンチャーキャピタル会社であるアンドリーセン・ホロウィッツは、2022年1月22日にweb3.0(web3)が社会に利益をもたらすための10原則を発表しました。10原則はWeb3.0を普及させる各国政府が実行すべき指針をまとめたものですが、規制の調整や監視体制の構築に伴う法整備が間に合っていない状況です。
そんな中、日本国内の民間企業でもWeb3.0を盛り上げようとする動きがあるのは事実です。これからの社会がweb3.0(web3)を活用してどう変わっていくのか、今後の動向に目が離せません。
web3.0(web3)の今後の動向に注目
インターネットは時代の流れとともに進化していく一方で、さまざまなリスクや問題点が懸念されています。
web3.0(web3)は、Web2.0のリスクや問題点を解決できる新しい技術として今後の普及が期待されています。
web3.0(web3)を活用したサービス展開は、これからの時代を形作り、世界全体の経済を大きく変える可能性を秘めているのです。
今後、私たちの生活にどのように関わってくるのか、更なる技術の進化に期待が集まります。