ユニコーン企業とは?定義や代表的なユニコーン企業と将来性をわかりやすく解説
2023/12/19
近年、CMやニュースなど身近なところで「ユニコーン企業」という言葉を耳にする機会が多くなりました。この記事では「ユニコーン企業」とはなにか、定義をわかりやすく解説しています。代表的なユニコーン企業や、日本にユニコーン企業が少ない理由についても紹介します。また、デカコーン企業やヘクトコーン企業、ゼブラ企業との違いや、国内外におけるユニコーン企業の代表的な例についても解説します。
Contents
ユニコーン企業とは
ユニコーン企業とはどのような定義なのか、デカコーン企業・ヘクトコーン企業・ゼブラ企業との違いについて解説します。
ユニコーン企業の定義
上記4つの条件を満たす企業は非常にまれなことから、神話上で伝説の一角獣(ユニコーン)にたとえられ、ユニコーン企業と呼ばれています。
ユニコーン企業はよくベンチャー企業と混同されますが、ベンチャー企業には明確な評価額や設立年数の定義がありません。
一般的にベンチャー企業は「革新的な技術やアイデアなどを軸にビジネスを開始した、設立からあまり年数が経っていない」企業のことを指します。
つまり、ベンチャー企業の中にユニコーン企業が含まれると考えるとわかりやすいでしょう。
ユニコーン企業は設立から10年以内という短期間で急成長した企業であり、大企業へと成長する可能性が高いことから投資家の注目を集めています。
たとえばGoogleやFacebook、TwitterやTikTok、国内だとフリマアプリのメルカリやクラウド会計ソフトのfreeeなどもかつてはユニコーン企業でした。
デカコーン企業・ヘクトコーン企業・ゼブラ企業との違い
ユニコーン企業・デカコーン企業・ヘクトコーン企業の違い
ユニコーン企業 | デカコーン企業 | ヘクトコーン企業 | |
評価額 | 10億ドル | 100億ドル | 1000億ドル |
該当企業数 | 1,214社 | 52社 | 3社 |
そこで、ユニコーン企業の名前にちなみ、設立10年以内の非上場企業のうち企業評価額100億ドル以上の企業を「デカ(10倍)コーン企業」、1,000億ドル以上の企業を「ヘクト(100倍)コーン企業」と呼ぶようになりました。該当する企業数は、デカコーン企業だとユニコーン企業の20分の1程度になります。ヘクトコーン企業にいたっては2023年12月時点でわずか3社しかありません。
ユニコーン企業とゼブラ企業の違い
企業の目的 | 自社の利益 | 社会貢献 | |
ユニコーン企業 | 市場のシェア | 独占 | 他社と共存 |
ゼブラ企業 | 事業の発展 | 急速に拡大 | 持続的に繁栄 |
それに対し、自社の利益だけでなく社会貢献や他社との共存性を両立させることを目指すのが「ゼブラ企業」です。自社の利益と社会貢献の相反する関係が両立していることから、シマウマの白黒模様に例えられてその名がつけられました。
ゼブラ企業は、自社の利益を追求して急速に事業を発展させるユニコーン企業の姿勢を疑問視する層から、アンチテーゼとして生まれた存在です。
競争によって勝ち市場を独占するのではなく、他の企業と協力・共存して持続的に繁栄していくこと、社会課題を企業の力で解決していくことを重視します。
なお、日本はもともと協調性を重んじる国柄であり、老舗企業のように持続的に繁栄している企業も海外に比べて多いため、ゼブラ企業が育ちやすいといわれています。
国内外のユニコーン企業の数
続いて2位は中国で174社、3位はインドの71社です。ユニコーン企業は全世界で1200社以上(2022年10月時点)ありますが、アメリカと中国だけで全体の約7割に到達します。
世界規模で見ると日本は15位にランクインしていますが、ユニコーン企業はわずか6社しかありません。
アメリカ:1位 | 648社 |
中国:2位 | 174社 |
インド:3位 | 71社 |
イギリス:4位 | 49社 |
ドイツ:5位 | 29社 |
日本:15位 | 6社 |
近年の増加数
海外ではユニコーン企業を増やす動きがあり、非上場企業への投資規制緩和を行なったり支援策を打ち出したりなど、国規模でスタートアップ企業への投資額が増加している状況です。
一方、国内でも経済産業省によりユニコーン企業創出を支援するプログラム「J-Startup」が開始されました。
2018年6月からベンチャー企業の資金調達支援やイベントへの出展支援などを行なっており、2021年3月末時点でユニコーン企業もしくは評価額1000億円の上場ベンチャー企業を合計28社生み出すことに成功しています。
今後は2025年度までに50社まで増やす見込みです。
また、短期間で急成長するユニコーン企業になるにはベンチャーキャピタルによる資金調達が必要となります。
ITやネット環境の普及により以前より資金調達がしやすく、低コストで起業できるようになったのもユニコーン企業増加の一因といえます。
代表的なユニコーン企業
SpaceX(アメリカ)
民間での宇宙旅行実現を目的に、宇宙船の開発やロケット打ち上げなど宇宙開発・宇宙輸送に関する事業を行なっています。
2021年9月には、民間初となる有人宇宙船の打ち上げにも成功しました。
SHEIN(中国)
SHEINのファッションは、安価でありながらデザインが豊富でほかの人と被りにくいのが特徴です。
その評価額はなんと、ファッションの人気ブランドにしてライバル企業であるZARAとH&Mを足した評価額よりも高くなっています。
バイトダンス(ByteDance)(中国)
主なユーザーは、10~20代と若年層が多く、その影響もあり、最近では若年層を中心に認知度や好感度を上げたいと考える企業やブランドの活用事例も増えてきています。
また、バイトダンスは、評価額が「アリペイ」を運営するアリババ系列の「アント・グループ)」を上回り、世界最大のユニコーン企業となりました。
スマートニュース(日本)
2019年には日本郵政キャピタルを中心に総額31億円もの資金調達を成功させ、累計調達額122億円を達成しユニコーン企業の仲間入りを果たしました。
国内だけでなく米国にも進出しており、国内外ともにユーザー数を急速に伸ばしています。
現在SmartNewsアプリのユーザー数は日米合算で2,000万人以上、ダウンロード数は全世界累計で5,000万回以上です。
日本でユニコーン企業数が少ない背景
ユニコーン企業は非上場であることが条件ですが、日本ではベンチャーキャピタルの投資額が少ないため、非上場のまま資金調達することが海外ほど容易ではありません。
多くの国内企業は上場し投資家に株を購入してもらいます。そのため、非上場のまま実績を伸ばす企業自体が非常にまれな存在です。
また、単純に海外に比べると若い起業家が少ない上、法人設立の条件が厳しく起業が難しいのも一因といえます。
ユニコーン企業に投資はできるのか?
ユニコーン企業に投資するには、個人投資の範囲だと株式投資型クラウドファンディングが一般的です。
株式投資型クラウドファンディングは非上場のベンチャー企業に対して投資する方法で、個人投資家から少額ずつ資金を集めて非上場株を購入します。
国内の有名な株式投資型クラウドファンディングには「FUNDINNO」や「イークラウド」などがあり、数万円程度からベンチャー企業への投資が可能です。
まとめ
条件を満たす企業が非常に少ないことからユニコーン企業と呼ばれています。
しかし、近年は国海外問わずスタートアップ企業への支援策が豊富に打ち出されているため、順調に企業数が増えています。
ユニコーン企業は、Google、Twitter、TikTokのように、将来的には誰もが知る世界的大企業に成長する可能性を秘めています。
日本でも、株式投資型クラウドファンディングを利用すれば投資できるので、ユニコーン企業の成長性に期待する方は検討してみましょう。