マーケティング

ラクスルグループ新事業。最短20分の定量調査サービス「ノビシロ」は、リサーチの常識を変えるのか

印刷業界を変革したラクスル株式会社が、自社でテレビCMを活用して認知を高めてきた成功体験をもとに、2020年より展開しているサービス「ノバセル」。データに基づいてテレビCMの出稿媒体や広告クリエイティブを変えて最適化していく「運用型テレビCM」サービスは、テレビCM出稿の常識を変えてきました。
そのノバセルが提供を開始した新たなサービスが、最短20分で100名の顧客の声を集め、即経営判断に活かすことができる定量調査サービス「ノビシロ」です。今回は、ノバセル株式会社 代表取締役社長である田部氏に、ノビシロの起ち上げ背景やマーケティングにもたらす変化、ビジョンへのロードマップについてお話を伺いました。

ざっくりまとめ

- 最短20分で定量調査できるノビシロをローンチ。会議中に調査を取り、結果を議論に反映して結論を出すことも可能に。

- ノビシロは、クイックリサーチの市場を開拓するプロダクト。経営やマーケティングにインパクトを与え、どう変化をもたらすことができるかを考えながら、事業開発をしている。

- 人でなければできない価値を最大化するためにも、マーケティングの民主化をさらに推し進めていく。

マーケティングの民主化によって、属人的な判断を排除した決断が可能に

——今春、ノビシロというサービスを起ち上げられましたが、サービスの概要とその背景について教えてください。

ノビシロは、今年4月からサービス提供を始めた、最短20分で費用2万円から100名の顧客マーケティングができる定量調査サービスです。私たちは2018年にノバセルを起ち上げ、「テレビCM効果をDXによって可視化する」をテーマに事業を進めてきました。はじめてCMを出稿するという顧客が多く、ユーザーの声を聞いて判断したい、ターゲットをどのように設定したらよいか分からない、という課題感を抱えていらっしゃる企業がほとんどです。

今、8割以上の企業がマーケティング戦略に問題を抱えているといわれますが、そのうちの2~3割しか対策を実行できていません。ノバセルでは、さまざまな手法とサービスでこの部分をサポートしてきましたが、テレビCMとは切り離した特定の手法だけを活用したいというニーズも顧客から出てきていました。例えばコンサルティング業務を切り分けるという選択肢もありましたが、ラクスルは特定のサービスをプラットフォーム化することこそが事業軸。その中でノバセルも「マーケティングの民主化」をビジョンとして掲げているため、戦略立案業務をどのように伴走させればよいかが課題感でした。ノビシロのようなサービスによって、マーケティング業務の一部を自動化することで顧客はもちろん、自社にとってもメリットがあるのではと考え、開発をスタートしました。

——従来の定量調査サービスでは、リサーチの設計からレポート作成まで何日もかかっていました。それを考えると「最短20分」というのは驚異的なスピードですよね。

これは提携先の協力もあって実現できた時間、価格です。BtoBにおける満足度を高めるポイントは、なんといってもスピード/納期と対応力、そして手に取りやすい価格であることです。

最短20分という時間にこだわったことにも理由があります。もし会議中に調査をかけた場合、最短で20分後には結果が使えるため、その会議の議論に反映して結論が出せるだろう、という絵を描いたからです。マーケティングに関わらずいえることですが、組織内でのさまざまな結論は、上司の勘といった属人的な判断に委ねられることも少なくありません。弊社では、顧客不在の場で決裁を進めるのはあまりよくない、というカルチャーがあります。その原則に基づき、「会議中に浮かんだ事柄について、その時間内で定量データを出せれば、よい結論が導き出せるのではないか」と考えたのです。

——なるほど。2万円からという価格帯なら、企業規模を問わずに「使ってみよう」と感じやすいですね。

中小企業でもニーズがあるのではないかと考えていますし、そうありたいと思っています。

クイックリサーチ市場を開拓することで、マーケティングや経営を変革していく

——既存事業、ノバセルの状況はいかがでしょうか?

2018年のスタート時から、順調に成長し続けています。当初は「はじめてのテレビCMならノバセル」と打ち出したことで話題になりましたが、近年で競合が増え、私たちにしかできなかったことが減ってきたと感じています。独自性を磨いていかなければいけないというのが現在のフェーズです。「ノバセルトレンド」によって全テレビCMの検索効果を可視化するプロダクトもリリースしました。これはノバセルにしか実現できていないプロダクトです。ノビシロをリリースしたのも、同様の事業戦略があったからです。

弊社のサービスを導入し、効果を可視化した顧客からは、今まで見ることができなかったデータや、競合のデータなども見られるようになった点を評価されています。従来は潜在化していたデータを可視化することで、戦略の立て方の幅が広がっているのです。

ノビシロは、クイックリサーチの市場をこれからつくっていくプロダクトです。新たな市場を拓くことで、経営やマーケティングにどんな変化をもたらし、インパクトを与えられるかを考えながら、事業開発に向き合っています。

——ラクスルが事業をスタートしてから、マーケティングを取り巻く状況はどのように変化していると思われますか?

ラクスルがスタートした2014年から比べると、大きく変わってきていると思います。2014年というのは、ラクスルがはじめてテレビCMをつくった年で、私たちのような企業はとにかく認知を獲得していこうという状況でした。市場をけん引するなかで、マスマーケティングを活用していかなければいけない状況だったのです。

しかし直近では景気悪化の影響もあり、マスマーケティングでけん引するというよりも、マーケティングの民主化によって効果を確かめながら、施策を打ち出していこうという方向に変化しています。その前提となるのが、プランニングと広告効果の民主化・可視化です。「効果がなかったらやめよう」という決断ができるかどうかが、重要視されています。そもそも景気が悪くなると費用対効果への注目は高まるので、この動きはある程度想定されている変化だと思います。

——民主化されたマーケティングを有効に活用していける企業には、どんな特徴がありますか?

顧客の声を理解して、求めているものを提供すること、そしてそういうメッセージを打ち出していくことができる企業ですね。やりたいけどできていない企業も多いですが、そこがしっかりできている企業は非常にうまくいっているケースが多いと思います。あとは、テクノロジーの進化で“見える化”も進んでいますが、見えたものをどう活用するか。アウトプットしたことの効果測定がしっかりできている企業は強いと思いますね。

ただ、それをやったことがない、できない企業に対してはコンサルティング支援を通じて、マーケティングによって事業成長するお手伝いをしたいとも考えています。

“人”でなければできない領域を拡げるために、解像度を上げる

——ノバセル社はそもそもラクスルの一事業としてスタートし、昨年分社化されました。それはなぜでしょうか?

非常にシンプルな話で、分社化することで意志決定のスピードをさらに速めたかったからです。競合関係が激しくなっていくなかで、とにかくスピーディに事業を回していくことが大切だと考えています。

——「マーケティングの民主化」というビジョンに対し、今後のロードマップはどのように描いていますか?

これまでとやることは変わらず、プランニングと広告効果の可視化に注力してはいますが、テレビCMはきちんと続けていきたい軸の一つです。オンライン広告でも動画が主流になっていくと思いますし、人々がCMを見る媒体は多様化しています。それでも“テレビ”というデバイスは残り続けると思っています。

プロダクトに関していうと、ノバセルとノビシロは違うものであることを、あえて打ち出したいと狙っていますが、ノビシロに関しては年内に100社の導入を目指します。顧客アンケートを取りながら、きめ細やかにアップデート・調整をかけていくことが大事でしょうね。顧客理解あってこそマーケティングができる、というのはラクスルグループのカルチャーです。

——ラクスルをはじめ、御社グループでは、アナログな業界にデジタルを活用する事業を得意とされています。既存のやり方を根底から見直し、最適化を図る動きが根付いていますよね。

ラクスル全体でいえば、大きく分けて印刷・広告・物流・情報システムのプロダクトサービスを持っていますが、決してインターネット開発企業ではありません。流行りの業界に飛びつくよりも、古くからある業界に入ってテクノロジーを進歩させていくことが大事。そのためには、結局のところ一次情報が大切になってくるんです。

「限られた人にしか分からない市場を知りにいく」ために、どの事業もはじめは属人的に入っていきます。そして、その現場にいる人にしか見えない課題・外からだからこそ見える課題は何なのかを探ることを「解像度を上げる」といい、社内に根付かせています。ノバセルを起ち上げた際は、アナリティクスをどう設計するかが肝でした。テレビCMのブラックボックスを知るために、それこそ私自身が24時間体制でテレビに張り付いて、ラクスルのCM効果を確認していました(笑)。その後、仕組みとしてテクノロジーに紐付ける作業をしてきたわけです。それがもはや当たり前のカルチャーです。

——デジタルで課題を解決していくなかで、人にしか伸ばせない価値とはなんでしょうか?

クリエイティブ作業を全て自動化することはできないし、人が考えた方がよいよねという業務はたくさんあるものの、そこには必ず“作業”が発生しています。“作業”は自動化できる業務であり、自動化・効率化が実現すれば「人にしかできない業務」に集中することができて、従来以上の力を発揮できるはずです。自動化できること、人にしかできないことをきちんと分析し、人がやるべき業務にリソースを集中させることを私たちは大切にしています。

「これまで手書きで発行していた領収書が自動発行できるようになり、その分の時間を顧客満足度向上に充てられた」というように、属人的だった仕事が効率化することでエンパワーメントする部分があったならば、それこそが人にしか伸ばせない価値ではないでしょうか。
田部 正樹
ノバセル株式会社 代表取締役社長

1980年生まれ。大学卒業後、丸井グループに入社。主に広報・宣伝活動などに従事。2007年テイクアンドギヴ・ニーズ入社。営業企画、事業戦略、マーケティングを担当し、事業戦略室長、マーケティング部長などを歴任。2014年8月にラクスルに入社。マーケティング部長を経て、2016年10月から現職に就任。ラクスルの成長を約50億かけて事業成長を実現してきたマーケティングノウハウを詰め込んだ新規事業「ノバセル」を2018年に立ち上げ急成長を牽引。2021年12月ノバセル株式会社の代表取締役社長に就任。

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