マイクロDX

すべての企業がデジタルマーケティングを活用できる社会に SO Technologiesが開発する「集客ロボット」とは。

地方、中小・ベンチャー企業のデジタルマーケティング支援を加速させるべく、7月に誕生したSO Technologies株式会社。前半のインタビューでは、代表取締役を務める山家秀一氏に「人力を脱却しテクノロジーによってデジタルシフトを支援する」とのビジョンを伺った。後半では、具体的にどんな取り組みをしていくのかを紐解いていく。

マーケティングプロのノウハウをテクノロジーで実現する

ーデジタルシフトは、地方、中小・ベンチャー企業にとって、新しい消費者との出会いを創出し、ビジネスチャンスを広げるきっかけになるというお話を伺いました。SO Technologiesでは、企業にとって大命題である売上の維持・向上に貢献するため、「集客ロボット」の開発をしていくとのことでしたが、具体的にどんな取り組みをしていかれますか。

人の手間を削減し、自動的に効果的な集客ができるテクノロジーを開発していきます。取り組もうとしている領域は、大きく2つです。

一つは、ヤフーやGoogleなどのデジタル広告。デジタル広告は、クリエイティブを作って、管理画面にログインしてセッティングして、入金して…と、運用する上で手間が多く、慣れていない人には難しく感じるという現状があります。この手間を削減したい。

例えば、予算とプロモーションエリアなど数個の条件だけ指定すれば、出稿媒体と予算配分とクリエイティブの提案と効果シミュレーションが出てきて、OKすると広告が配信され効果改善のための最適化が勝手にされていく。一定期間経過したら成果がどうだったのかのレポートとさらなる改善提案が出てきて、OKするとまた動き出す、そんな形が理想ですね。

もう一つは、ソーシャルメディアです。FacebookやGoogle マイビジネスなどは、無料で使えるツールである分、わからないことがあった場合のサポート体制があまり充実していません。そのため、ユーザー同士のコミュニティを使うなどして、不明点を解決する仕組みになっています。

ソーシャルメディアツールは、自分で頑張ればできなくはないけれど、うまくやるのは難しい。全国の企業400万社のうち、399万社は自力ではやれない、できればやりたくないと感じていると思いますよ。マーケティング担当者など知見のある方がいなければ、現実的に難しいのです。

そこに対して、テクノロジーで支援していければと考えています。例えばFacebookにページをいい感じに作ってくれ、自動的に投稿してくれたりするツールを提供できるようにしたいですね。テクノロジーを導入することで、マーケティング担当者がいない企業にも、マーケティングのプロのノウハウを届けたいと思っています。

集客効果の高いローカルデジタルマーケティングを もっと簡単に

ーどのようなことから取り組まれていますか。

まず、ソーシャルメディア領域のサービスである、「Google マイビジネス」を使ったツールを開発し、提供しています。

日本国内の400万社のほとんどは、サービス業で、店舗を持っている企業です。店舗に来ることができる、限られた商圏の中で集客をしたい。つまり、ローカルマーケティングが重要なのです。Google マイビジネスはそれに適したサービスだと考え、これらを使ったツールをまず開発しました。

Google マイビジネスは、Googleの検索やマップ上に店舗情報を表示し、管理できるサービスです。これまで、店舗情報をまとめたポータルサイトはありましたが、飲食や美容、旅行など、限定された業種、業界だけでした。そんな中で、Google マイビジネスは業界、業種に関係なくどの店舗でも使えて、費用対効果に非常に優れている、ローカルマーケティングに特化したサービスです。

そもそも、このサービスは地方、中小・ベンチャー企業向けに作られています。GoogleもGoogle マップ上に載せる、地方の店舗情報を求めていたからです。通常、マーケティングツールはまずアメリカの大手企業に普及し、そこからアメリカの中小・ベンチャー企業に広まりまるのと同時に、日本の大手企業が使うようになります。最後にやっと日本の中小・ベンチャー企業に知られるようになるので、米大手から日本の中小に伝わるまでは、約6年以上のタイムラグがあると言われています。

しかし、Google マイビジネスはアメリカの中小・ベンチャー企業に広まり、そのまま直で日本の中小・ベンチャー企業に入ってきている。大手向けではないので、大手広告会社でもトレンドを追っているところはあまりありませんが、ローカルマーケティングにはとても有効で、無料から始めることができます。

とはいえ、効果的で使いやすい価格であっても、先ほどお話したように自力で導入するのは難しいと考えている企業が多いです。そのため、私たちは運用を引き受ける「ライクル GMB」というサービスを開発しました。

このサービスは、Google マイビジネスの登録、写真の追加やクチコミへの返信、メッセージ投稿などを代行するため運用の手間が省けます。加えて、我々が貯めているノウハウをもとに実行するので、より集客効果が出やすくなりますし、Googleの規約に違反してしまうリスクも無くなります。

こういった作業を完全に自動化したいと考えています。手間をかけることなく、簡単に、登録や運用を可能にしたいです。

また、ローカルマーケティングに適したツールとして、LINE公式アカウントの運用の効率化にも取り組んでいます。LINE公式アカウントは、企業や店舗のLINEアカウントを制作でき、店舗に来てくれたお客様に友達になってもらうことで、メッセージを配信できるサービスです。スタンプカードなどの機能も付いています。

商圏が限られている店舗ビジネスでは、一度来てくれた人にもう一度来てもらうことがとても重要です。LINE公式アカウントは新規の集客だけでなく、再訪を促す追客に効果のあるサービスだと考えています。

これまでダイレクトメールやスタンプカードなどの取り組みをしてこなかった店舗、インターネットを活用してこなかった店舗にとっては、本当に画期的だと思いますね。こちらも無料から始められるのですが、使いこなせていない企業が多いと考えていますので、より使いやすくより効果が出るツールを開発するつもりです。

2年後には、集客テクノロジーを当たり前に使える世界を

ー広告、ソーシャル、それぞれの領域で、各媒体をより使いやすくするツールを開発されていくのですね。

そうですね、GoogleマイビジネスやLINE公式アカウントだけでなく、FacebookやInstagramでも同じようなツールを作っていきたいです。加えて、エリアだけでなく、期間を区切って即時性を持って集客できる仕組みも作りたいですね。

既存の広告は、出し続ける前提でサービスや管理画面が作られています。もちろんずっと続けることは重要ですが、一方で一時的に急に集客が必要な場合もあります。例えば飲食店で仕入れた食材が余っているから、今週金曜だけお客が欲しいとか、美容院で急に雨が降ってきたから今すぐ2時間だけ集客したいとか。エリアだけでなく期間で区切って、やりたい期間にやりたい量だけ、すぐに集客できる仕組みも構築していきたいです。

最終的には、もっとも効果的な集客ができるよう、媒体を選んで集客してくれるようなロボットを作りたいと考えています。

一般的に、広告運用の最適化を担うテクノロジーは「アドテクノロジー」と言われ、もっと広く決済やページの制作まで含めたテクノロジーは「マーケティングテクノロジー」と言われています。我々がやろうとしていることは、アドテクノロジーでは狭く、マーケティングテクノロジーでは広すぎる。集客に特化した「集客テクノロジー」、つまり集客ロボットを作ることなんですよね。

正直、集客したい企業にとっては、LINEやGoogle マイビジネス、Facebookなど、媒体はどれでもいい。ただ集客に、効果があればいいんです。なので最終的には、指示さえ出せば媒体を選んで集客してくれるようなロボットを作りたいと思っています。

これらの未来を、2年後には実現させたいと思っています。その頃には、デジタルを使って、手間をかけず効果的な集客ができるようにし、どの企業でもデジタルマーケティングをやるのが当たり前の世界を作れればいいなと思います。

さらに先の将来では、デジタルだけではなく、リアルの集客ツールもまとめて使えるようにしたいですね。デジタル、リアルに関係なく、もっとも集客に繋がるものに予算配分できる、そんな世界を目指しています。

プロフィール

山家 秀一(Shuichi Yanbe)
1980年生まれ。グロービス経営大学院(MBA)修了。2005年に株式会社オプトに入社。コンテンツ・アフィリエイト部長、BPR部長を経て、ソウルドアウト株式会社設立時に取締役として参画。2019年7月より取締役 兼 SO Technologies株式会社代表取締役に就任。

人気記事

住友生命が「保険を売らない」フラッグシップ店を銀座の超一等地に出店した理由。住友生命社長 高田幸徳氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授対談

住友生命が「保険を売らない」フラッグシップ店を銀座の超一等地に出店した理由。住友生命社長 高田幸徳氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授対談

デジタルシフトが加速するなか、大きな変革を求められている保険業界。そんななか「リスク」に備えるだけではなく、リスクを「減らす」健康増進型保険“住友生命「Vitality」”を提供するなど、デジタルの力でいち早く事業変革を実践しているのが住友生命保険相互会社です。今回はそんな同社が8月24日に銀座にオープンさせたばかりの「住友生命『Vitality』プラザ 銀座Flagship店」を舞台に実施された、同社の社長高田幸徳氏と立教大学ビジネススクール田中道昭教授の対談の模様をレポート。前編では、高田社長自ら銀座Flagship店をご案内いただきながら、銀座の一等地に「保険を売らない」保険ショップをオープンさせた狙いや、Vitalityによって住友生命が実現したいビジョンについてお話を伺いました。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

デジタルシフトカンパニーへの変遷、中核企業だったオプト3分割の真の狙いとは。デジタルホールディングス 取締役 グループCOO 金澤大輔氏に立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る

デジタルシフトカンパニーへの変遷、中核企業だったオプト3分割の真の狙いとは。デジタルホールディングス 取締役 グループCOO 金澤大輔氏に立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る

2020年7月にオプトホールディングから社名を変更したデジタルホールディングス。従来のインターネット広告代理事業に代わり、企業のデジタルシフトを支援する事業を中核に据え、日本社会の挑戦の先陣を切り、社会のデジタルシフトを牽引する存在となっていくことを掲げています。 デジタルマーケティングの先進国アメリカでは個人情報を保護する法整備が進み、Web上でのクッキーの使用に大きな制限がかけられた結果、ウォルマートのような膨大な顧客データを持つ企業が自らメディア化する流れが生まれています。そんな中、日本の広告産業はどう変化していくのか。また企業のデジタルシフト事業を中核に据えたデジタルホールディングスはどう変化していて、変革の先にどんな未来を見据えているのか。元株式会社オプトの代表取締役社長CEOにして、現在は株式会社デジタルホールディングス 取締役 グループCOOを務める金澤大輔氏をゲストに迎え、立教大学ビジネススクール田中道昭教授がお話を伺います。

大手ゲーム会社も注目!今後のNFT市場をゲームが牽引する理由。

大手ゲーム会社も注目!今後のNFT市場をゲームが牽引する理由。

今年に入り、突如として注目度の高まった「NFT(非代替性トークン)」というキーワード。アート業界のバズワードとして認識している人も多いかもしれません。ところが実は、NFTはゲーム業界の未来、IP(知財)コンテンツの未来を考える上でも欠かせないキーワードであることをご存知でしょうか。そこで今回お話を伺ったのが、世界No.1を記録したNFTを活用しているブロックチェーンゲーム『My Crypto Heroes』(現在の運営はMCH社)を開発したdouble jump.tokyo株式会社の代表取締役 上野 広伸氏です。この新たなテクノロジーは、ゲームの世界にどのような変化をもたらすのでしょうか。そのポテンシャルに迫ります。

【保存版】全企業の経営者・DX推進者に贈る、デジタルシフトを成功に導く10箇条

【保存版】全企業の経営者・DX推進者に贈る、デジタルシフトを成功に導く10箇条

新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、デジタル化が遅れていると言われ続けていた日本でも「デジタルシフト」「DX」という言葉を聞かない日はありません。しかし、その重要度や緊急度に対して、正しく認識できていない企業・経営者はまだ多いというのが現状です。 アメリカのコンサルティングファーム「イノサイト」によると、S&P500を構成する企業の平均寿命は年々低下してきており、2027年にはわずか12年になると予想されています。自動車に保険、ヘルスケアから不動産まで、GAFAをはじめとする巨大テック企業の影響を受けない業界は、今や皆無と言っても過言ではありません。あらゆる業種・業界が飲み込まれる「デジタル産業革命」待ったなしの現在、具体的にどのような手順、心構えでデジタルシフトに臨むべきなのか? 事業ドメインをデジタルシフト事業へと変更し、多くの産業・企業のDXを支援している株式会社デジタルホールディングス 代表取締役会長の鉢嶺 登氏は、「中途半端にDXに着手する企業は大抵失敗する」と語ります。

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

Clubhouseをはじめ、新勢力が次々と参入し、拡大を見せる音声コンテンツ市場。その中で、民放開始から70年の歴史に「大変革」を巻き起こしているのが“ラジオ”です。放送エリアの壁を取り払う、リアルタイムでなくても番組を聴けるようにするといった機能で、ラジオをデジタル時代に即したサービスに生まれ変わらせたのは、PCやスマートフォンなどで番組を配信する『radiko(ラジコ)』。今回は、株式会社radiko 代表取締役社長の青木 貴博氏に、現在までのデジタルシフトの歩みと将来の展望について、お話を伺いました。

人×デジタルの力でウェルビーイングに寄り添える生命保険会社へ。住友生命社長 高田幸徳氏×立教大学ビジネススクール 田中道昭教授対談

人×デジタルの力でウェルビーイングに寄り添える生命保険会社へ。住友生命社長 高田幸徳氏×立教大学ビジネススクール 田中道昭教授対談

デジタルシフトが加速するなか、大きな変革を求められている保険業界。そんななか「リスク」に備えるだけではなく、リスクを「減らす」健康増進型保険“住友生命「Vitality」”を提供するなど、デジタルの力でいち早く事業変革を実践しているのが住友生命保険相互会社です。今回はそんな同社が8月に銀座にオープンさせたばかりの「住友生命『Vitality』プラザ 銀座Flagship店」を舞台に実施された、同社の社長高田幸徳氏と立教大学ビジネススクール田中道昭教授の対談の模様をレポート。後編では、4月1日の就任から半年を経た高田社長の所感をはじめ、同社が掲げる新たな事業戦略、高齢化社会においてVitalityが果たす役割、生命保険業界の未来などについてお話を伺いました。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。