プラットフォーマー研究

過疎地を救う? お手伝い×旅のプラットフォーム「おてつたび」による関係人口の増加

地域活性化や地方創生という言葉が聞かれ始めて久しい昨今。UIJターン移住者に向けて補助を行っても、少子高齢化などの課題改善が難しい地域もあります。そんな多くの自治体が抱える課題に「旅」という側面からアプローチをするのが、プラットフォーム「おてつたび」です。「お手伝いをして賃金を得ながら旅がしたい」と考える方と、「人手不足を解消しながら地域の魅力を伝えたい」と考える地域の方々をプラットフォーム上でマッチングすることで、地域の課題解決や活性化に貢献しています。
今回は、おてつたびを運営する、株式会社おてつたびの代表取締役 CEOである永岡 里菜氏に、お手伝いをしながら旅をすることが地方や人々に与える価値、今後おてつたびが地方創生に対して担う役割についてお話を伺いました。

ざっくりまとめ

- 日本の過疎化地域は深刻な人手不足に悩んでいる。

- 受け入れ先のおてつたびの利用は、人手不足の解消だけではなく新たな課題や魅力の発見につながる。

- お手伝いに行く側は、賃金以外の付加価値として「地域ならではの魅力ある体験」をすることが可能。

- 地域に対する「関係人口」を増やすことで、人を取り合うのではなくシェアする。

- おてつたびが旅の選択肢として当たり前になるような未来を目指していく。

地方が抱える少子高齢化・過疎化の課題解決になるサービスを

——永岡さんが、おてつたびを立ち上げた経緯を教えてください。

私は東京から公共交通機関で6時間ほどもかかる、三重県尾鷲市(おわせし)の出身です。少子高齢化が進み、有名な観光地もないことから、なかなか人が訪れないという地元尾鷲市の現状に「足を運んでくれさえすれば魅力を分かってもらえるのに」と、もどかしい気持ちを抱えていました。

また、前職では農林水産省とともに、地域活性化や食育を通じた地産地消を推進する企業に勤めていたのですが、そのときに、私の地元である尾鷲市と同じように「日本にはまだまだ人に知られていない、魅力にあふれた地域がたくさんある」ということに気がつきました。そのような「それ、どこ?」と言われてしまうような地域の魅力を知ってもらいたい、地域存続の未来をつくりたいと考え始めたのがサービス立ち上げのきっかけです。少子高齢化や過疎化の課題解決など地域の方々の助けになり、同時に足を運んでくれる方々にもメリットがあるものを、とさまざまな案を考えた結果、生まれたのがおてつたびです。

——少子高齢化や過疎化に悩む地域は、どのような問題を抱えているのでしょうか?

人手が足りない、確保できないというのが一番の問題ですね。現在、おてつたびを利用してくれているおてつたび先(受け入れ先)は農業などの第一次産業が4割、宿泊などの観光業が4割、酒造やお祭りの補助などその他が2割です。そのような地域に根ざした産業は、その地域の方々の繁忙期が被ってしまっていて、特に少子高齢化が進んでいる地域では人手の確保ができないのです。

また、Iターンなどで新規就農した方はコネクションがなく、地元の方にお手伝いのお願いをすることすらできず、人手が足りない状態になってしまうというパターンもあります。人手確保ができないと、産業の成長はストップしてしまいます。

——人手不足で産業の成長がストップする、とは具体的にどのような状況でしょうか?

農業であれば農地の拡大ができない、宿泊であれば空室があるのに予約を受け付けられない、など、本来は産業を拡大する余地があるのに人手が足りないことで現状維持に留まってしまうような状況です。材料はそろっているのに、人手が足りないことが理由でできないのは非常にもったいないですよね。

SNS発信のアドバイス、デジタル周りのサポートをする例も

——おてつたび先の一番大きいメリットは、やはり人手不足の解消でしょうか?

まずは、人手不足の解消を大前提にしています。地域の方々が本当に困っていることをしっかり解決してこそ、持続可能な地域活性化ができると考えているためです。おてつたびは、通年雇用が難しい季節変動性の高い産業と相性がよく、募集に対してもすぐに人を集められるところにメリットを感じていただいています。

一方で、「人手不足だけ解消できればよい」と考えているおてつたび先の方々がいないというのも特徴の一つですね。自分たちが抱えている課題を把握し、私たちのビジョンに共感してくださっている方がほとんどです。人手不足を解消することは、人と人が出会えるチャンスでもあるということを、理解してくださっている地域の方々が多いですね。

——おてつびと(参加者)として利用している方々に、年齢層などの特徴はありますか?

おてつびとの半数は大学生、つまりZ世代の方です。もう半数の年齢層はさまざまで、転職が決まっていて有休消化中の方、転職先や移住先を探している方もいます。ボランティア休暇中の会社員の方もいますね。都会の組織や現代社会に疲れた方が、心と体を癒す目的で利用されているケースもあるようです。

——少子高齢化が進む地域では、若い世代のおてつびとが来てくれることによるメリットも多そうですね。

そうですね。実際、自分たちにはない視点の意見が欲しい、デジタル周りでのサポートが欲しいという目的からおてつたびを利用されている例もあります。高知県の農家のおてつたび先では、はじめて作業する人がどこにつまずくのか、より効率的にできる方法はないか、などの意見をおてつびとから積極的にもらって業務改善に活かしているそうです。

ほかにも、おてつびとにSNSの発信方法で意見をもらった、という話も聞きますね。外から来たおてつびとが「もっと景色などを発信したほうがいい」など、地域の方にとっては当たり前になってしまっている部分に着目して、SNSの発信テーマに多様性を与えてくれることも多いようです。長野県安曇野市のりんご農家では、おてつびとと一緒にプレスリリースをつくってもらったところ、産直ECの購入が1日で100件以上も入ったという事例もあります。

——おてつびとにとってのメリットはどのようなものがあげられますか?

お手伝いの対価として得る賃金に加え、「その地域でしか体験できないこと」という付加価値があるのが大きなメリットではないでしょうか。人口の多い場所から短期アルバイトなどで募集してもよいのでしょうが、やはり地方では都市部ほどの時給を出せないのが現状です。その課題をカバーしつつ、時給などの条件面だけで勝負せず、その地域でしか味わえない旅行の要素を情報の付加価値として伝えることで、おてつびとを集められる仕組みが、おてつたびであると考えています。特に最近は、Z世代を中心に働き方に対する考え方が変化しています。仕事や働き方を選んだり、人生の充実度を測ったりする基準がお金だけではなくなっているのです。

——「その地域でしかできない体験」が、おてつびとが享受するメリットなのですね。

そうですね。私たちが提供する体験は「お金をいただいて美しいところや楽しいものだけを提供する」という、いわゆる観光のようなものではありません。地域の方と一緒に、楽しい部分も大変な部分もすべてひっくるめて体験をすることが「その地域でしかできない体験」だと考えています。そうすることで、生きる営みと仕事が、強くつながった現場を肌で感じることもできます。

実際、地域に対して観光や旅行とはまったく異なる関わり方をすることで「自分の視野が変化した」「就職先などを選ぶ基準が変わった」と話すおてつびとは多いです。おてつたびを利用しなければ出会うことがなかった地域が、おてつびとにとって特別な場所になる、というのも素敵ですよね。おてつたびのあとも何度もその地域に足を運ばれたり、おてつたび先とのお手紙の交換を続けていたりということも多いようです。
おてつたびで、北海道平取町の農家でブロッコリー収穫をお手伝いする様子

おてつたびで、北海道平取町の農家でブロッコリー収穫をお手伝いする様子

地方創生のカギは、地域と多様的に関わる「関係人口」の増加

——人手不足の解消や、地域ならではの体験以外に、おてつたびというプラットフォームだからこその利点はあるのでしょうか?

実利的な部分でいうと、電子で雇用契約やお手伝い時間の管理が可能で、源泉徴収も自動で算出されます。短期労働の採用DXという観点でも、おてつたび先の業務効率化に寄与できていますね。

また、地元の方々が“働く”となると、どうしてもアクセスのよい場所を選ぶ傾向にあるので、秘境と呼ばれるような地域だと人手を確保しづらいことが多いのですが、その地域への理解を深め、観光も楽しみながらのお手伝いとなると、むしろ秘境こそ行ってみたいと考えるおてつびとが多いです。時間帯限定で人手が欲しいなどの場合も同じです。朝の時間帯に収穫作業をしなければならないなどの条件があると、仕事としては選ばれにくいことが多いのですが、おてつたびにおいては逆にそれが魅力になります。午前中は収穫作業を手伝って、午後は観光を楽しんで、という時間の使い方ができるので。

農業の繁忙期と観光の繁忙期にズレがあるような地域では、農業のお手伝いに来たおてつびとが、閑散期の観光地に経済効果をもたらしてくれたという例もありましたね。仕事としてだけではなかなか人が集まらないような仕事が逆に魅力的になったり、おてつびとの来訪で閑散期にも経済効果があったりという部分は、おてつたびならではの少し変わった利点だと思います。

——地域との継続的な関わりや閑散期の経済効果など、地方創生に必要な要素を生み出しているわけですね。

そうですね。現在、総務省が「関係人口」を増やしていこうという取り組みを行っています。関係人口とは、地方への移住者を指す「定住人口」と観光客などを指す「交流人口」の間にいる、地域と多様的に関わる人たちのことです。具体的には、その地域の出身者、2拠点生活をする方、ふるさと納税をする方、何度もその地域に足を運ぶ方などのことですね。非常に定義の範囲が広い言葉です。

おてつたびを通して増えていくのが、まさにこの関係人口です。少子高齢化が進み、日本全体の人口が減っていくことは避けられません。各自治体で人を取り合ってしまっては、存続の難しい地域が出てきてしまいます。そこで、さまざまな地域に関係人口を増やし、人をシェアすることで、人口が減っていく地域が存続できる未来をつくっていけるのではないかと考えています。

「おてつたび」がインフラになる未来

——最近取り組まれていた、KDDIとの実証実験についても教えていただけますか?

おてつたびは、まとまった日数を使って地域にお手伝いに行くことが多いため、どうしても社会人が使いづらいモデルになっています。そこで、短い時間でご利用いただけるモデルをつくれないかと考え、KDDIの社員の方にご協力いただき、1泊2日での農業のおてつたび実証実験を行いました。

——今後、さまざまな企業や個人が持つICT(情報通信技術)をおてつたび先の業務に活かすなどの狙いもあるのでしょうか?

そうですね。スキルをもった方々と地域の方々が交流するなかで、よい化学反応が起きるのではないかという期待もあります。おてつたびを利用することで培われる能力や、多様なスキルを持った方々が、おてつたび先にどう貢献できるのかという部分を検証して見える化したいという狙いもありますね。

——最後に、今後の展望について教えてください。

私たちは現在、おてつたびというプラットフォームを使って、顕在化している人手不足という課題に対して取り組んでいます。しかし、それぞれの地域が抱える困りごとは、潜在的なものも含めて無数にあります。より高度なスキルを活用しないと解決できない課題もたくさん伺っています。今後はそういった部分に対しても貢献ができるような仕組みをつくっていきたいですね。

また、社会人が参加しやすいモデルの実現をはじめ、どんな年齢であっても地域とつながることができるプラットフォームでありたいですね。特定の方々だけに利用されるサービスではなく、「旅行にする? おてつたびにする?」というように旅の選択肢として当たり前の存在になり、地域の方々にとってはインフラのような存在になることを目指します。
永岡 里菜
株式会社おてつたび 代表取締役 CEO

1990年生まれ。三重県尾鷲市(おわせし)出身。千葉大学卒業後、PR・プロモーションイベント企画制作会社勤務、農林水産省との和食推進事業の立ち上げを経て、独立。
自分の出身地のような一見何もなさそうに見えてしまう地域に人がくる仕組みを創りたいと思い2018年7月株式会社おてつたびを創業。「誰かにとっての"特別な地域"を創出する」をミッションに、短期的・季節的な人手不足で困る地域の農家や旅館と、「色々な地域へ行きたい!」と思う若者が出会えるweb上のマッチングプラットフォーム『おてつたび』を運営中。

人気記事

AIの思考を人間が助ける。AI領域で人気の職種「プロンプトエンジニア」とは何か

AIの思考を人間が助ける。AI領域で人気の職種「プロンプトエンジニア」とは何か

プロンプトエンジニアという言葉をご存知でしょうか。英語圏では2021年頃から盛り上がりを見せている職種の一つで、中国でも2022年の夏頃からプロンプトエンジニアの講座が人気を呼んでいます。今回は、プロンプトエンジニアとは何か、どうトレーニングすればよいのかについて、日本国内でプロンプトエンジニアの採用と教育を実施している株式会社デジタルレシピ 代表取締役の伊藤 新之介氏に解説していただきました。

「組織としての自己変革にかける想いに共感し、みずほへ入社」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【前編】

「組織としての自己変革にかける想いに共感し、みずほへ入社」。みずほFG執行役員 秋田夏実氏×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【前編】

国内外の金融機関と前職のアドビを含め、主にマーケティングや広報領域で手腕を発揮してきた秋田夏実氏。2022年5月に入社したみずほフィナンシャルグループでは、これまでのキャリアから一新して、グループCPO(Chief People Officer)とグループCCuO(Chief Culture Officer)を務め、組織開発・D&I推進等と企業文化の改革に挑戦をしています。立教大学ビジネススクールの田中道昭教授とともに、これからの時代のキャリアと学びについて意見を交わしました。 前半は秋田氏のこれまでの経歴、アメリカのビジネススクールでのエピソード、みずほに入社を決めた理由などをうかがいます。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

【AI×音楽】AI作曲が可能となっても、作曲家の仕事は残る。「FIMMIGRM」が変える音楽の未来<後編>

【AI×音楽】AI作曲が可能となっても、作曲家の仕事は残る。「FIMMIGRM」が変える音楽の未来<後編>

AIによりヒットソングの特徴をふまえたオリジナル楽曲を作成するサービス「FIMMIGRM(フィミグラム)」。AIによる作曲サービスが盛り上がりを見せつつある昨今、音楽プロデューサーとしてYUKIや中島美嘉、Aimerなどのアーティストを手がけてきた玉井健二氏が開発に携わっていることで、大きな話題を呼んでいます。 FIMMIGRMの利用方法は、大量に自動生成された曲から好みの曲をジャンルごとに選択するGENRES(ジャンル)、ワンクリックでAIが曲を生成する ONE-CLICK GENERATE(トラック生成)、ユーザーの自作曲をもとにAIが曲を生成するGENERATE(トラック生成)、AIが生成した曲にプロの編曲家が手を加えるPRO-ARRANGED(プロアレンジ)の4パターン。AIにより専門知識不要で誰もが作曲できるようになる未来が間近に迫った今、音楽業界はどのように変化するのか? 株式会社TMIKと音楽クリエイター集団agehaspringsの代表を務める玉井健二氏にお話を伺いました。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

イトーヨーカドーの未来を左右する、新社長の店舗・組織変革の勝算。イトーヨーカ堂社長 山本哲也氏に立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る【前編】

イトーヨーカドーの未来を左右する、新社長の店舗・組織変革の勝算。イトーヨーカ堂社長 山本哲也氏に立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る【前編】

2020年、創業100周年を迎えた株式会社イトーヨーカ堂。ロシアのウクライナ侵攻に、進む円高と物価高など厳しい経済状況の中、今年3月に社長に就任した山本哲也氏は「信頼と誠実」を掲げ、商売の原点に立ち返ることを標榜しています。イトーヨーカドーはどのように変わるのか? これからの時代のスーパーに求められる形とは? 立教大学ビジネススクールの田中道昭教授との対談をお届けします。 前編は山本社長が社長に就任した経緯、2000年以降業績が落ち込んだ原因の分析、そして現在進行中の新しい売り場づくりの施策などについてお話をうかがいます。

【日本企業のDX格差拡大中】 DXのプロが語る、二極化するDX市場の光と闇の実態とは

【日本企業のDX格差拡大中】 DXのプロが語る、二極化するDX市場の光と闇の実態とは

DXはもはや、企業にとって欠くことのできない重要な経営課題であり、多くの企業がDXの必要性を実感しています。しかしながら、DX推進がうまくいっている企業は一握りに過ぎません。これまで、100社を超える日本企業のデジタルシフトを支援してきたデジタルシフト社の取締役CTOの山口 友弘氏とDX開発事業統括責任者である野呂 健太氏とは、コロナ禍を経てDXがバズワードとなっている状況下において、「企業間の『DX格差』は拡大している」と語ります。 DX格差が生じる理由はどこにあるのでしょうか? そして、その差を埋めるための一手とは――。DXの最前線を走るプロフェッショナルが、全4回にわたってお届けする連載対談企画。第1回の今回は、二人の対談で明らかになった『DXを成功に導く7箇条』をもとに、DXをうまく推進している組織の共通項を深掘りします。

【海外レポートから読み解く】2025年、AIはここまで進化する

【海外レポートから読み解く】2025年、AIはここまで進化する

2022年7月に画像生成AI「Midjourney」がリリースされ、その後「Stable Diffusion」などのさまざまな画像生成AIが数多く登場するなど、大きな話題を呼びました。この数ヵ月の間、世界の人々のAIに対する捉え方は大きく変わったのではないでしょうか。 今後AIはどのような進化を遂げていくのか。今回は、国内外のAI事情に詳しい株式会社デジタルレシピ 代表取締役の伊藤 新之介氏に、海外のレポートから読み解くAIの進化について解説していただきました。

【徹底解説】「X to Earn」とは何か。誰もがゲームや遊びで稼げる時代は来る!? DEA創業者に聞く<前編>

【徹底解説】「X to Earn」とは何か。誰もがゲームや遊びで稼げる時代は来る!? DEA創業者に聞く<前編>

YouTubeに代表される動画投稿サイトなど、個人が発信することのできるツールの出現により、好きなことをして稼ぐための選択肢は増えています。そして現在、ゲームや徒歩、勉強さらには睡眠をするだけで稼ぐことのできる「X to Earn」というムーブメントが生まれつつあります。「ゲームで遊んで稼ぐ」なんてことが本当に可能なのか? 多くの人が抱える疑問について今回お答えいただくのは、Digital Entertainment Asset Pte.Ltd.(以下、DEA)のFounder & Co-CEOの山田 耕三氏。インタビュー前編では「X to Earn」の仕組みと種類、今後の可能性など、未だ発展途上の新しい経済圏について根ほり葉ほりお話を伺いました。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

AIの思考を人間が助ける。AI領域で人気の職種「プロンプトエンジニア」とは何か

AIの思考を人間が助ける。AI領域で人気の職種「プロンプトエンジニア」とは何か

プロンプトエンジニアという言葉をご存知でしょうか。英語圏では2021年頃から盛り上がりを見せている職種の一つで、中国でも2022年の夏頃からプロンプトエンジニアの講座が人気を呼んでいます。今回は、プロンプトエンジニアとは何か、どうトレーニングすればよいのかについて、日本国内でプロンプトエンジニアの採用と教育を実施している株式会社デジタルレシピ 代表取締役の伊藤 新之介氏に解説していただきました。

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

Clubhouseをはじめ、新勢力が次々と参入し、拡大を見せる音声コンテンツ市場。その中で、民放開始から70年の歴史に「大変革」を巻き起こしているのが“ラジオ”です。放送エリアの壁を取り払う、リアルタイムでなくても番組を聴けるようにするといった機能で、ラジオをデジタル時代に即したサービスに生まれ変わらせたのは、PCやスマートフォンなどで番組を配信する『radiko(ラジコ)』。今回は、株式会社radiko 代表取締役社長の青木 貴博氏に、現在までのデジタルシフトの歩みと将来の展望について、お話を伺いました。