フェイシャルケアサロン運営「HEYDAY」〜デジタルシフト未来マガジン〜
2019/8/5
AIやIoT、VR/ARといったテクノロジーの進歩により、アメリカ・中国を中心に広がる「デジタルシフト」。世界的にも注目されているこの流れは、今や「第四次産業革命」とも呼ばれるほどだ。「デジタルシフト未来マガジン」では、オプトグループで新たな事業を創造しデジタルシフトによる変革を推進している石原靖士氏が捉えた国内外のデジタルシフトの最新事例を紹介する。
石原 靖士 -Yasushi Ishihara-
㈱オプトホールディング グループ執行役員
㈱オプト 執行役員
SaaS系の新規事業を立ち上げ・グロース後、事業売却。2015年にオプト執行役員に就任し、エンジニアとクリエイティブの組織を拡大。2019年4月、オプトグループ執行役員に就任し、レガシー業界のデジタルシフトを狙った、顧客との共同事業開発を推進中。
顔・スキンケア・エステの市場成長は、年平均21%で成長を続けると予想されており、大手FMCG(ユニリーバ、P&G、ロクシタン他)はD2Cなどスタートアップを買収し、自社でプロダクトを開発する以外の手法を強化しています。
「HEYDAY」はこの成長性のある市場でサロンのデジタルプラットフォームを推進したことで、NYCマンハッタン、LAなど主要都市でサロンを展開し成功をおさめています。
・【概要】HEYDAYのビジネス
ユーザーにとっては、ニーズに応じた最適な商品を提案される場であり、他の化粧品会社からすれば、HEYDAYの店舗は貴重なマーケティングチャネルとなっています。また、マッサージでも美容院でもなく、「フェイシャルケア」という専門性を持つことも、差別化という観点から重要です。
・“デジタルシフト”なポイント
■ポイント1:「完全オンライン展開」
HEYDAYのサービスは会員登録や予約購入、決済をすべてオンライン展開しています。これはもちろんデータをオンライン上で管理するためですが、HEYDAYは最初からオンライン化を徹底していました。先ずはオフラインと並行しても良いように感じますが、最初からオンラインに絞ることで、後々オフラインとオンラインを統合する手間が省かれるのです。デジタル活用を前提に事業を組み立てている好例と言えるでしょう。
■ポイント2:「店舗のマーケティングチャネル化」
HEYDAYのビジネスモデルの独自性は何といっても、リアル店舗をデジタルのマーケティングチャネルにしていることです。しかも、自社はもちろんのこと、他社も活用できる形にしていることも注目すべきところでしょう。一般的なオンラインサービスと同様に、顧客の継続性を重視し、顧客データをきちんと管理することで、来店後のアフターフォローにも力を入れられるのです。そして、顧客が継続して店舗を訪れれば、さらにデータが溜まるという好循環になり、マーケティングチャネルとしての価値も向上します。
■ポイント3:「プラットフォーム化」
オフラインとオンラインを結びつけるHEYDAYは、他の化粧品会社から見れば、消費者と繋がることができるプラットフォームとして機能しています。さらに、他社は、単に一方的に企業からマーケティングを仕掛けるだけでなく、HEYDAYを通して、商品を利用した消費者からのフィードバックを受けることもできます。特に、店舗を持たず、消費者との接点が少ないD2Cブランドにとっては、非常に重要なチャネルとなるのです。
・HEYDAYのチャレンジ
プロフィール
株式会社オプト 執行役員
株式会社オプトホールディング 執行役員
ソフトバンクIDC(現IDCフロンティア)にてネットワークエンジニアとして従事。2006年にオプト(現オプトホールディング)入社。2010年にデジミホ(旧オプトグループ)取締役に就任。2015年にオプト執行役員に就任し、テクノロジー開発・オペレーション・クリエイティブ領域を管掌。2019年からは事業開発領域を管掌。2019年4月よりオプトグループ執行役員を兼務しデジタルシフト変革領域管掌。