脳卒中を予防するための「IoT遠隔心房細動検知サービス」が提供開始 専門医が遠隔で心電図データを解析する

ドクターズ株式会社 とエンブレース株式会社は、脳卒中の約3割を占める心原性脳梗塞を予防するために、ドクターズが提供する医療専門家クラウドソーシングサービス「Doctors Cloud」登録の循環器科読図専門医が、エンブレースが提供する非公開型医療介護連携SNS「メディカルケアステーション」(以下「MCS」)を用いてオンラインで心電図の読図を行う「IoT遠隔心房細動検知サービス Find Af(ファインド・エーエフ)」(以下「Find Af」)を開始したと発表した。

ドクターズはすでに独自の審査基準とガイドラインに基づく400名以上のエキスパート医師をネットワーク化しており、これらエキスパート医師を中心に、オンラインでさまざまな医療・健康・ヘルスケア関連業務に携わることができる「Doctors Cloud」を提供している。IoT対応の遠隔心電計を用いて患者の心電図をクラウドを経由して取得し心房細動を検知する際、Doctors Cloudの医師が遠隔にて読図を行い、結果を「MCS」経由で病院側の医師に送信するしくみ「Find Af※」(※Af: Atrial fibrillation心房細動: 脳梗塞の主要な原因となる不整脈の一種)を開始した。

脳梗塞の原因の約3割を占めていると言われる心原性脳梗塞を防ぐには、患者の心房細動を検知し、異常を検出した場合には適切な処置を行うことが必要だが、従来のホルター心電計では検出率が低いこと、心電図を読図する手間と時間を要することなどの課題があったという。今回のしくみを活用することで、利用する医療機関はより高い検出率で心房細動を検出でき、患者は心房細動を治療することで、将来の脳梗塞のリスクを抑えることができるとのことだ。

また、エンブレースは厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に基づいたセキュリティ基準とアクセス制御に対応した非公開型医療介護連携SNSである「MCS」を、既に全国11万人の医療介護従事者に提供している。今回、医療情報を安全にオンライン上で共有することができる「MCS」をプラットフォームとして採用することで、セキュアな環境で情報のやり取りをすることができるだけでなく、利用する医療機関や患者に向けた様々な機能やサービスの拡張が可能となったという。本サービスは、すでに複数の大学病院を含む総合病院での活用が決定しており、大手製薬会社における特定臨床研究の一部でも活用されるとのことだ。

【Find Afサービスのしくみと特徴】
出典元:プレスリリース
<Find Afサービスのしくみ>
1.心電図データを遠隔で解析・読図
2.心房細動に特化した心電図の解析・読図業務をオンラインの読図専門医が実施
3.患者はより高い確率で心房細動を検出し脳卒中予防・治療につなげる
4.IoT対応の遠隔心電計デバイスであれば様々なベンダーのものに対応
5.データのやりとりには、高いセキュリティ基準に対応した「MCS」を採用

■背景

2018年12月、脳卒中、心臓病その他の循環器病が国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状から、循環器病の予防に取り組むことで国民の健康寿命の延伸等を図るとともに、医療及び介護に係る負担の軽減を目指して「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立した。脳卒中による死亡者数は第3位であるものの、心疾患などの循環器病と合わせると死亡者数1位のがんに匹敵するだけでなく、脳卒中罹患者の約8割に後遺症をもたらし、寝たきりの原因第1位となっている。

「IoT遠隔心房細動検知サービス Find Af」では、脳卒中の一種である脳梗塞の原因の3割を占めるといわれている心原性脳梗塞に着目し、従来より高い検出率且つ医療機関における読図の手間と時間の省力化を図ることで、脳梗塞のリスク抑制により国民の生命及び健康に寄与し、健康寿命の延伸に貢献することを目指すとのことだ。

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