KDDI、社員向け「オンデマンド相乗り通勤タクシーサービス」の実証実験を実施　3密を避けた通勤スタイルを検討

本実証実験では、都内通勤における公共交通機関の混雑を避けた快適性、3密を避けた特定少人数での移動の安全性、渋滞回避による所要時間、「相乗り」に対するユーザーの受容性などを検証する。各社は、今後本格化するMaaSサービス拡大やアフターコロナ時代における新たな移動体験価値の創出に寄与するという。

1. 背景
東京圏の都市鉄道の最混雑区間における混雑率は199％と高止まりしており、社員にとって満員電車による通勤は、大きな負担となっている。また、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、混雑した電車に乗り出勤・出社する社員は、不特定多数の乗客と接触した通勤となっている。

「オンデマンド相乗り通勤タクシーサービス」が利用できるようになると、混雑した電車への乗車を回避し、着座して快適に移動することが可能になる。また、万が一社員の新型コロナウイルス感染症の発症が発覚した場合には、出・退勤の移動データを元に濃厚接触者を特定・隔離し、感染拡大を阻止することが可能だ。KDDIは本実証実験を通じて蓄積したデータを活用し、サービス化に向けた本格検討を進め、オンデマンドサービスの創出やMaaSサービス拡大を目指すという。

2. 概要
KDDI社員を対象とし「オンデマンド相乗り通勤タクシーサービス」を提供する。
(1) 利用者は、出勤は前日の夜までに、退勤は当日の昼までに、アプリで希望の乗降場所、乗降時刻を指定して、オンデマンドタクシー配車を予約する。乗降場所は自宅や職場周辺のコンビニなどのスポットから選択可能だ。
(2) 予約締め切り後に相乗りマッチング計算を行い、運行ルートを確定する。その後、予約確定情報が利用者に通知され、配車手続が完了する。
(3) 利用者は予約した乗車時刻までに、乗車場所に向かってタクシーに乗車。タクシーは利用者を複数人ピックアップしながら、目的地周辺まで送迎する。

3. 実施期間
2020年7月13日から2020年8月7日までの約1カ月間 (平日のみ運行)

4. 対象者
KDDI社員　約2,000名 (延べ人数)

5. 実施エリア
都内 (一部エリア) ⇔飯田橋、新宿、虎ノ門エリアのKDDI事業所

6. 対象車両
ミニバンタクシー10台程度

7. 3密 (密集、密接、密閉) への対応
保健所指導のもと下記の通り3密対策を徹底し、安全の確保に努めるとのことだ。
・少人数での移動 (非密集)
・ソーシャルディスタンスを意識した座席設定 (非密接)
・常時の換気実施 (非密閉)
・送迎後のアルコール消毒
・ドライバーおよび乗客の事前検温、マスク着用
・運転席と客席を仕切る飛沫防止ビニールカーテンの設置

8. 各社の役割
・KDDI： サービス設計、運行の全体統括
・国際自動車： タクシー運行
・未来シェア： 相乗り配車システムの提供