国内の「電子契約サービス市場規模推移・予測」が発表 2020年度に100億円、2023年度には200億円に迫る

株式会社アイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内の電子契約サービス市場規模推移および予測を発表した。

国内電子契約サービス市場の2018年度の売上金額は36億7,000万円、前年度比83.5%増と急増した。電子契約は、従来の書面契約と異なり、契約書の印刷、押印、封入、郵送などを行わないため、業務の効率化や郵送代の削減を実現するソリューションとして注目が高まっており、導入企業の増加および参入ベンダーの増加で急成長した。2019年度も同70.0%増と引き続き急成長を維持することが予想されるという。

新型コロナウイルス感染症対策として、書面による契約業務のために出社せざるを得ない状況を改善し、テレワークで契約業務が行える環境を整備しようとする企業が増加している。さらに2020年6月、内閣府、法務省、経済産業省がテレワーク推進のために、契約書への押印不要の見解を示した。契約書の電子化は、パンデミックや自然災害の発生を想定した事業継続の観点からも有効であると見ているという。これらが追い風となり、書面・印鑑を廃止し電子契約を導入する企業が急増することが予想され、同市場のCAGR(2018~2023年度)は40.1%、2023年度に市場は200億円に迫ると予測している。

図.電子契約サービス市場規模推移および予測(2017~2023年度予測)
出典元:プレスリリース
ITRのシニア・アナリストである三浦竜樹氏は、「ITRが2020年4月24日から27日にかけて実施した『コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査』では、コロナを機に『社外取引文書(契約書など)の電子化対象拡大』を実施予定と回答した企業が36%に上り、新規導入企業が増加すると予想されます。また、電子契約サービスの多くは契約書の枚数ベースでの課金であるため、導入済み企業の投資拡大も見込まれます。コロナ第2波への準備および政府の法整備が進むことで電子化される契約書はさらに拡大し、そのスピードも今まで以上に加速するでしょう」とコメントしている。

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