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AIを活用した橋の損傷箇所判定システムが開発 人の作業を自動化し、約2割のコストダウンを実現

ニチレキ株式会社と株式会社グリッドは、AI と電磁波を組み合わせた技術により非破壊で橋梁の鉄筋コンクリート床版上面の損傷箇所を判定するシステム「smart 床版キャッチャー」の開発に成功したと発表した。また、国土交通省が取りまとめた「点検支援技術性能カタログ(案)」に本システムが掲載されたという。
近年、高度経済成長期に集中的に整備されたインフラが耐用年数を迎え、老朽化することが喫緊の課題となっている。なかでも橋梁は全国に約72万橋近くあり、10年後には、建設から50年以上を経過する橋梁が半数以上を占めることとなり、今後、維持管理費・更新費が増大することが見込まれるという。老朽化による損傷が急速に増大する将来においては、インフラを定期的に点検・診断し、致命的欠陥が発現する前に対策を講じることで、事故や災害を未然に防ぐとともに、インフラの長寿命化により、長期的に見た場合のライフサイクルコストの縮減を図る「予防保全」の考えに立った維持管理が必要となる。

従来、橋梁のコンクリート床版上面の点検は、舗装の撤去復旧が必要となり非常に困難だった。ニチレキは、「予防保全」を実現するために電磁波レーダを搭載した測定車「床版キャッチャー」を平成26年に開発し、一般車両の交通の流れの中で走行しながら測定を行い、非破壊で床版上面の状態を判定するシステムを確立した。しかし、電磁波の反射信号による判定は熟練技術者の判断で行われていたため、判定に長時間を要することによる高い調査コストや判定技術の継承などの課題があったという。

これらを解決するため、社会インフラ業界を中心としたAI開発プロジェクトを多数手掛けてきたグリッのAI技術とニチレキの道路舗装材料に関する製造・工法・施工および高度なコンサルティング技術を用いて本システム「smart 床版キャッチャー」を開発したとのことだ。

本システムは、電磁波の反射信号に熟練技術者が判定した結果を付与した教師データを基に開発したAIにより、損傷を判定する。従来は解析、報告作業は事務所にて行っていたが、導入後は、計測後に損傷範囲の判定結果がクラウドに解析速報として即時アップロードされ、調査から解析まで現場で完結させることができるため、道路管理者は迅速に安定した判定結果を確認することが可能となる。また、「smart 床版キャッチャー」に高精度位置情報(RTK-GNSS)を採用したことで、計測座標を基にしたAI判定前後の作業において、これまで熟練技術者により行われていた両車線の座標合わせ作業を自動化した。以上により、作業工数を削減して定期点検の効率化を図ることで、従来の熟練技術者による方法と比較し、調査費用を約2割のコストダウン(ニチレキ社比)に成功したとのことだ。
出典元:プレスリリース
なお、本システムには、実際の損傷などから得られる新たな知見を反映できる「AI 再学習機能」を取り入れている。これは、熟練技術者がAI技術者の手を借りることなくAI再学習を可能にする機能だ。この機能により新たに蓄積したデータをAIが再学習することで、判定の精度を向上させることが可能となり、調査による予防保全の支援を強化し、橋梁の予防保全に大きく貢献できると考えているという。

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