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文科省、学校と保護者間の“ハンコレス”と連絡手段のデジタル化を推進

現在、政府では、デジタル時代に向けた規制・制度見直しの一環として、書面主義、押印原則等に関する官民の規制・制度や慣行の見直しを進めている。
各学校においても、これまでの慣例に倣って、保護者等の確認を得ること等を目的に、多岐に渡って学校が保護者等に対して書面による押印等を伴う手続きを求めている実態があるが、この押印手続きがあるが故に、学校・保護者等間における連絡手段のデジタル化に移行できなかった現状もあると考えられるという。

今回、関係省庁において押印についての考え方が整理されたことを受けて、文部科学省において関係省庁の協力を得て、以下のとおり、学校における保護者等に求める押印の取扱い等について整理するとともに留意事項がまとめられたため、各学校や地域における実情を踏まえつつ、可能なところから、押印の省略及び学校・保護者等間における連絡手段のデジタル化に向けた取組を進めるようお願いしているとのことだ。

押印の省略や学校・保護者等間における連絡手段のデジタル化を進めることは、迅速な情報共有を実現するとともに、学校・保護者等双方の負担軽減にも大きく寄与するものであるため、教育委員会等においては、学校が円滑にデジタル化等に移行できるよう、必要な支援をお願いしているという。また、教育委員会等において、学校が求める保護者等による押印手続き等について教育委員会規則やガイドライン等で定めている場合には、本通知を踏まえ、必要に応じて見直しを進めるようお願いしている。

なお、本通知の対象校種として、特に義務教育諸学校を念頭に置いているが、幼稚園、高等学校、特別支援学校等(高等課程を置く専修学校を含む。)についても、本通知の考え方に準じて取組を進めるようお願いしている。都道府県教育委員会にあっては管下の各市区町村教育委員会に対して、都道府県知事にあっては所管の学校法人及び私立学校に対して、附属学校を置く各国立大学法人の長にあっては管下の学校に対して、厚生労働省にあっては所管の高等課程を置く専修学校に対して、周知するようお願いしているとのことだ。

■保護者等による押印の効力について

現在、学校現場においては、保護者等懇談会や夏休みの補習授業への参加申込みをはじめとする軽微な内容から、児童生徒の肖像権に関する承諾やアレルギーの確認、保健調査、進路調査など、児童生徒等の権利関係や機微な情報等を扱う内容まで多岐に渡って、学校・保護者等間において書面で押印を伴うやりとりが多々行われている実態がある。

これらは、単に慣例として押印を求めている場合もあれば、後々トラブル等に発展した際に保護者等が文書作成者であることを学校側が主張・証明することを想定し、念のために保護者等に押印を求めている場合もあると考えられる。

一方で、押印の効果として、押印があることで当該文書が保護者等によって作成されたことが一定程度「推定」されることにはなるが、これは相手方による反証(例えば、印鑑の盗用等により他人や児童生徒がその印鑑を利用した可能性がある等)が可能なものであり、特に保護者等に多用されているいわゆる「認印」による押印の場合には、その認印が保護者等のものであることを認印自体から立証することは事実上困難であり、押印の効果は限定的であるという。

■押印の省略、デジタル化への移行について

上の通り、押印をもって保護者等が当該文書を作成したことを証明することには限界があるため、必ずしも押印を得ることにこだわらず、内容によっては押印手続きを省略し、メール配信システムや学校・保護者等間における双方向の情報伝達が可能な専用ソフトウェア等を活用して必要な情報を得るなど、効率的な情報伝達手段を検討してほしいという。

■デジタル化した際の保護者等からの意思表示であることの証明について

そもそも、現在学校が保護者等に押印を求めている文書について、その文書が保護者等によって作成されたことを証明しなければならないようなトラブル等に発展し得ることが想定される事項は限定的だと考えられるが、児童生徒や他人による保護者等へのなりすまし等による回答を防ぐためには、情報伝達サービスへの利用登録(個人ID・パスワード付与等)のプロセスを得るなど、情報と個人の紐づけが確実にできるデジタル環境がより望ましい。その際、保護者等からのメールを保存したり、保護者等が情報伝達サービス等を利用した際のログインID・日時、回答内容等を記録・保存したりすることは、保護者等からの意思表示であることを証明する手段の一つになり得るという。

また、これらの環境が整うまでの間は、各学校における整備状況に応じて、可能なところからデジタル化を順次進めるよう検討してほしいとのことだ。なお、この際、保護者等がID登録等の個人認証プロセスを得ていない場合や保護者等の回答フォームのURL等を学校から保護者等に直接メール等で知らせず誰もが知り得るような状況にある場合等には、例えば、児童生徒等の生命に関わるようなアレルギーや既往症の確認等に限っては自署で保護者等から回答を得ることも考えられる。個々の具体的な事例については、学校現場の実情に応じて判断してほしいとのことだ。

■GIGAスクール構想に基づき整備された端末等に付随する機能の活用について

特に小中学校等においては、GIGAスクール構想等に基づく整備に伴って利用可能となる環境の中には、アンケート作成機能が備わっているなど、学校と保護者等がデジタル上で連絡を取り合うことができる機能が含まれている場合もあるため、それらを活用することも十分可能である。

■個人情報の取扱いについて

各地方公共団体等によっては、個人情報を取り扱う事務において、実施機関(教育委員会等)は、当該実施機関以外のものとの間において、個人情報を提供し、又は個人情報の提供を受けるために電子計算機(端末、サーバ等)を結合する場合は、当該地方公共団体の個人情報保護条例等に基づき、個人情報保護審議会等の意見を聴かなければならない場合もあるため、手続き等に遺漏がないよう留意してほしいという。

■デジタル環境への対応が難しい家庭への配慮について

デジタル環境への対応が難しい家庭には、書面による手続きの余地を残すなど、特段の配慮をしてほしいという。ただし、その際は、必要以上に押印を求めることがないよう留意してほしいとのことだ。

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