Apple、一定の条件で手数料率を15%に下げる「App Store Small Business Program」を発表
2020/11/19
Appleは、イノベーションの加速と小規模事業者や、インディーズのデベロッパが次世代の画期的なアプリケーションをApp Storeを通じて提供することで各々のビジネスを前進させるのを手助けするために、業界をリードする新たなデベロッパ向けプログラムを発表した。
App Store Small Business Programは2021年1月1日より実施予定だが、世界中が前例のない経済的打撃を受けている状況下にあっても、小規模でインディーズとして活動するデベロッパが継続的にイノベーションを生み出しながら成長できるという意味で、重要なタイミングでスタートを切ることになるという。コロナ禍にあって企業がオンラインでの仕事の進め方に対応したり、多くの小規模事業者が顧客や地域社会との接点を維持するためにデジタルで存続をつづけ劇的な成長を果たしたりする中で、アプリケーションは新しい重要な役割を担ってきた。本プログラムによる手数料率の引き下げは、小規模のデベロッパや意欲にあふれる起業家に対して、自身の事業に投資しながら、App Store経済圏を通じて成長していく上でより多くの資金を得ることになるとしている。
本プログラムの全容と詳細は12月初旬にあらためて発表する予定だが、本プログラムの対象となる基準は分かりやすく、合理的だ:
・App Storeを通じて配布中の全アプリケーションについて2020年の収益が合計100万ドル以内の既存デベロッパ、またはApp Storeを通じてこれから自身のアプリケーションを配布を計画している新規デベロッパは、本プログラムの対象となり手数料率が引き下げられる。
・本プログラムの対象となるデベロッパの収益が100万ドルを超えた場合には、当年の残りの期間については、標準の手数料率が適用される。
・デベロッパの事業が不調で当年の収益が100万ドル未満に落ち込んだ場合には、翌年の手数料率は再び15パーセントに下がる。
デジタルグッズ&サービスを販売するアプリケーションで手数料控除後の売り上げ金額が100万ドルを超える収益に達している場合は、App Storeの標準手数料率である30パーセントが維持される。今年初めに発表されたAnalysis Groupによる独自の調査によると、Appleが設定している手数料体系は、各社のアプリケーション配布およびゲーミングプラットフォームでは主流である、としている。
小規模事業を営むデベロッパは、Appleが提供する開発用アプリケーション、プログラミング言語、安全なペイメント手法、ソフトウェア開発の根幹となる250,000以上のAPIなどで構成される比類のないデベロッパツール一式から、引き続き恩恵を得られる。Appleは以上のようなツールをデベロッパに提供することで、その素晴らしいアイディアを世界を変革するようなアプリケーションとして具現化してくれることを願っているとのことだ。HealthKitのようなツールは、ユーザーの健康に関するデータにエンジニアが安全にアクセスできるようにする。ARKitはデベロッパが拡張現実の新たな分野を開拓する原動力となる。Core MLは、機械学習のスピードとインテリジェンスを動力化し、デベロッパが数行のコードを書くだけでパワフルな機能を実装するのを支援する。