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富士通研究所とLARUS社、AIを活用し不正金融取引の解析性能を向上

株式会社富士通研究所とイタリアのグラフデータに向けたソリューションベンダーであるLARUS Business Automation S.r.l.(以下、LARUS)は、富士通研究所が開発した説明可能なグラフAI技術「Deep Tensor(ディープ テンソル)」とLARUSのグラフデータベースプラットフォームを組み合わせることで、クレジットカードの決済サービスにおける不正を高精度に検出できることを共同で実証したと発表した。
グラフデータベース上のデータの解析は、例えばソーシャルネットワークの分析や新たな薬品の開発などに現在活用されているが、その複雑なデータ構造に起因する解釈の多様性から、専門のデータアナリストが現場へのヒアリングを重ねながら、目的とする重要な関係性を抽出していく必要がある。しかし、高度な専門知識を持つデータアナリストであってもこの作業には長い時間を要するため、データ解析を自動化できるグラフAI技術による効率化が期待されている。

今回、金融の分野で深刻な社会課題となっているクレジットカードの決済サービスにおける不正取引検知について共同で検証を行った結果、不正取引の分析を行うデータアナリストが手動で不正パターンのルールを定義する既存手法に対し、不正取引の検知率を72%から89%に向上させ、誤検知率を63%削減することができた。また、グラフAI技術により検知された不正事例の判断要因をあわせて提示することで、不正検知に関するルール作成の支援ができることを確認した。今後、両社で本技術の有効性について他の分野でも検証を進め、グラフデータ利活用に取り組んでいくという。

■背景

近年、ソーシャルネットワークの活動履歴、化学分子の表現、金融取引、ウイルス感染の追跡など様々な領域でのAI活用において、データ要素間の関係性に重要な意味を持つグラフデータの利活用に期待が高まっている。このような現実世界の関係性を、従来のリレーショナルデータベースに代わり、グラフデータベースにデータを格納することでデータ要素間の関係性をそのままの形で表現・解析できるようになり、現実社会の多様な関係性を考慮した高度な分析や、新たな知見の発見が可能になる。

金融の分野においても、取引情報の関係性を解析することでより重要な情報を抽出することができるため、グラフデータベースの活用が進んでいる。特に、近年複雑化している不正取引を検知するためには、1件ごとの取引情報を解析するだけでは不十分で、取引間の関係をグラフ構造として解析する必要がある。例えば、不正取引のひとつである循環取引の場合、1件ごとの取引自体は通常取引のように見えても、グラフデータの中にループ構造が表れる。グラフデータベースを利用すると、こうしたループのようなグラフ構造のパターンから該当する不正取引を検出することができる。

これまでのデータアナリストの人手による不正取引パターンのルール作成には限界があり、見逃しや誤検知のリスクも懸念されているため、グラフAI技術による効率化が求められている。

■検証の概要

本検証では、取引ごとの明細が格納された表形式データを、データ要素間の関係性が表現されたグラフデータに変換し、LARUSが提供するグラフデータベースプラットフォームと、富士通研究所の「Deep Tensor」と組み合わせて解析した。今回、実際のネットバンクのクレジットカードデータとPOSデータを使用して、これまで人手で作成された不正取引検知ルールと比べて不正取引の検知率や誤検知率がどの程度改善するかを検証した。さらに、「Deep Tensor」のもう一つの特長である、判断理由の提示・可視化機能を使用し、その判断理由がデータアナリストから見て妥当なものであるかについてもあわせて検証を行った。
出典元:プレスリリース

■効果

ネットバンクのクレジットカード取引データの検証において、従来のルールベースおよびグラフAI技術と、今回の検証システムを活用した場合の不正検知率と誤検知率を比較検証した結果、不正の検知率は72%から89%に向上、誤検知率は63%削減できた。また、検知された不正事例に対する説明因子の可視化を行ったところ、データアナリストの見地から見てもその判断理由が妥当であり、不正取引検知のためのルール化を支援できることを確認したとのことだ。
出典元:プレスリリース

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