今年発生した世界的パンデミックの危機によって、仕事、医療、教育、メディア、小売業、製造業だけでなく、同社が長年評価してきた分野であるサブスクリプション・エコノミーのトレンドも加速している。パンデミックによる経済の低迷にもかかわらず、サブスクリプション・エコノミーは引き続き高いレジリエンスを示しており、ビジネスとして安定した成長を続けている。また消費者は所有より利用に価値を置く傾向が強まっているという。
■2020年サブスクリプション・エコノミー・インデックス(SEI)日本語版
2020年版のサブスクリプション・エコノミー・インデックス(SEI)によると、サブスクリプション企業は製品販売ベースの同業他社と比べて継続的に広い利幅で高い成果を上げており、収益の成長速度はS&P 500企業(3.1%)の約6倍(17.8%)だ。全般的に、サブスクリプション契約は増加している。第2四半期におけるS&P 500企業の販売契約は年率-10%であったのに対し、Zuoraの顧客は12%の伸びを示しており、サブスクリプションモデルが成長を後押ししていることがわかる。
サブスクリプション・エコノミーのさまざまな業界を詳しく調べてみると、サブスクリプションモデルのレジリエンスの証拠となる特定の指標(成長、解約、ディスカウントなど)が見えてくる。サブスクリプションモデルを採用している企業は、レジリエンスを強化する3つの能力を有している。新しい収益源を生み出す俊敏性、デジタル世界に適応していくためのオートメーション機能、そしてサブスクライバー・エクスペリエンスの向上のために、豊富な顧客データを活用してインサイトを導き出す能力だ。このような能力こそがサブスクリプション企業を差別化し、困難な時代においても成長を持続しながらレジリエンスを管理することを可能にするという。
■全般的に、パンデミックの渦中でもサブスクリプションはレジリエンスを維持
サブスクリプション業界はパンデミックの影響を受けたが、主要な上場企業の売り上げが低下する中でもSEIは成長している。
■サブスクライバーの伸びが回復
第1四半期の後退の後、ネットアカウント成長率は向上し、2019年後半の成長率を上回った。
■2020年の救済的ディスカウント
試用期間中顧客の維持のため、特に製造業界やSaaS業界では、より大幅なディスカウント施策を実施。割引額の平均値も上がっている。
■SEI収益成長率は、あらゆる非サブスクリプション企業の売上高成長率を上回る
公衆衛生への影響、支出の先送り、およびチャーンレートは、地域のサブスクリプション経済のレジリエンスに影響する。