日本科学未来館、5Gを活用し現実空間にARコンテンツを重ねて展示する「デジタル展示」を実施
2021/3/11
日本科学未来館(以下、未来館)、KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所は、未来館における鑑賞体験の拡大を目的に、展示をデジタルトランスフォーメーション(DX)する共同実験を2020年11月から進めてきた。今回3者は2021年3月10日から、5Gや屋内VPSを活用し、現実空間にARコンテンツなどを重ねて展示することが可能になる「デジタル化された展示空間を構築する技術」の実証実験を実施すると発表した。
デジタル化された展示空間内では、スマートグラスを通じて、未来館のシンボル展示である有機ELパネルを使った地球ディスプレイ「ジオ・コスモス」の周りを人工衛星が飛び回る様子を鑑賞できるほか、5GによるMECを活用したバーチャルヒューマン「coh(コウ)」がアテンダントとして登場する。さらに、来場が難しい人向けに、スマートフォン向けアプリ「au XR Door」内で会場をバーチャル体験できるコンテンツを提供する。
なお、本実証実験は3者が締結した「画像を用いた位置測位技術及び当該位置測位技術を用いた来館者への仮想空間体験提供技術の共同検証」の一環。
■実証実験の内容
1. スマートグラスによる直感的な鑑賞
スマートグラスを通してのみ現れるデジタル空間にある「もうひとつの未来館」の中を歩きながら、実空間に対応したさまざまなコンテンツを楽しむことができる。VPSによって今いる場所や向いている方向を自動的に特定し、適切なコンテンツをスマートグラス上に表示することで、より直感的な鑑賞体験が可能。
未来館内に設置したKDDIの5G基地局を介し、大容量のデータのリアルタイムレンダリングを可能とするMECサーバーとスマートフォンおよびスマートグラスをつなぐことで、大容量・高精細なデジタルコンテンツの表示を実現する。これにより、高精細なクオリティを維持してモバイル端末上でも動作が可能となったバーチャルヒューマン「coh」がアテンダントとしてスマートグラス上に登場。表情や動き、しぐさなどの非言語表現で情報伝達を可能にし、体験者がより直感的に、より分かり易く、展示空間を楽しめるようサポートする。